役員研修・ガバナンス関連のブログ - 13ページ目 (163ページ中) - 取締役、役員、投資家など、誰でも投稿できる!

ディスカッション・フォーラム

BDTI ニュース

4/14無料ウェビナー:ESG2.0-ISSB統一基準で企業経営と統合報告書はどう変わる?

ISSBが設立と同時に、VRF(旧SASBとIIRC)、CDSB(CDP)と統合すると発表し、ESG経営とその開示は新時代を迎えようとしています。2022年6月にまず発表されるという気候変動に関する統一基準を世界中が固唾を飲んで待っている状態です。社会資源の重要性と企業活動の持続可能性を考慮に入れた投資、それに応えるための企業経営、関連する情報開示は、これまでも社会全体の重要課題でした。上場企業は責任を果たすべく、統合報告書等の発行、格付けの取得などに努力してきました。しかし、世界統一基準の実現が現実的なものとなった今、上場企業にはこれまで以上の対応が求められます。

上場会社の担当者の皆様には先の見通せない中で今年の統合報告書等をどうすべきか、悩みが多いと聞きます。また経営層、取締役会の皆様におかれても、ESG経営の意味合いが腹落ちしない、Net Zeroを宣言するべきか姿勢を決めかねるという声も聞きます。本ウェビナーでは、現在VRFの理事を務められている北川哲雄氏、カタリスト投資顧問株式会社 取締役副社長COO小野塚 惠美氏を講師としてお迎えし、また優れた情報開示を行っている、味の素株式会社の矢崎久美子氏、株式会社アドバンテストの????本康志氏にパネリストとして加わっていただき、新時代に必要となるESG経営の真髄、効果的な開示の方向性をお示しいただきます。

ESG新時代には、リスクもオポチュニティも増幅します。企業は社会資源の重要性を理解し、自社の強み弱みを認識して長期戦略に繋げる必要があり、戦略の舵取りは取締役会の仕事です。その情報開示も含めて、取締役会がイニシアチブを発揮するべきなのですが、それには前提となる知識や体制が必須です。講師のお二人に、BDTIの代表理事ニコラス・ベネシュを交え、取締役会関与の重要性、経営層モニタリングのポイントなどをパネルディスカッション形式で議論します。

ESGの”G”こそはサスティナビリティの主軸!

公益社団法人BDTIへのご支援をいただけますよう、お願いいたします

BDTIが無料ウェビナーや役員研修を低価格で提供できるのは寄付※をはじめとする皆様からのご支援により支えられているからです。お寄せいただいた寄付金はESGの大黒柱であるコーポレート・ガバナンス強化のための様々な活動に使われます。ESG時代においては日本の機関投資家のサポートを期待しているのですが、今は代表理事ベネシュをはじめ個人および外資系投資家の寄付者に依存しております。海外の機関投資家がコーポレートガバナンス向上の重要性を理解し支援するように、日本の機関投資家ももっと真剣にガバナンスの実質的な向上を考え、危機感をもってほしいのです。

研修活動をさらに充実させるためには、多くの方々のご支援、ご協力が必要です。寄付をすることが難しい場合はGoToDataなどデータ・サービス購入や賛助会員へのご入会も同様の支援になり、価値あるものとして自分に戻ってきます。

BDTIの活動にご理解とご賛同をいただき、是非ご支援をお寄せくださいますよう願い申し上げます。

※当法人は「特定公益増進法人」にあたるため、寄付をされると税法上の有利な扱いを受けることができます。個人の場合、所得控除より更に有利な「税額控除」制度の扱いを受けられます。

日本経済新聞:「お飾り社外取締役、もう許されず 不正の監督責任厳しく」

本日(2022年2月21日)の日本経済新聞の記事で、友人でもある山口利昭弁護士のコメントを含めて、社外取締役への期待が高まっていることに着目しました。以下の文は正にその通りだと思いました。

「選定方法に課題

企業側の工夫も必要となる。企業統治に詳しい中村直人弁護士は「社外取締役の候補者を選定するプロセスから見直すのが大事だ」と話す。統治体制が最も厳しいとされる指名委員会等設置会社でさえ、社外取締役の候補者をまず経営陣が選び、指名委員会の了承を受ける流れになっている例も多い。経営者の「お友達人事」になってしまう可能性が残るという。

メトリカル:東証プライム市場上場基準と議決権電子行使プラットフォームの利用・英文開示

東証が市場区分を再編するに伴って、現在の一部市場に相当するプライム市場に求められる「より高いガバナンス水準」のガイドラインが示されています。

今回の記事では、議決権電子行使プラットフォームの利用・英文開示を取り上げたいと思います。2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードでは、補充原則1-2④および補充原則3-1②において、「議決権電子行使プラットフォームの利用・英文開示」において、プライム市場上場会社において、議決権電子行使プラットフォームの利用と英文開示を求めることが記載されました。

原文は次の通りです。補充原則1-2④「上場会社は、自社の株主における機関投資家や海外投資家の比率等も踏まえ、議決権の電子行使を可能とするための環境作り(議決権電子行使プラットフォームの利用等)や招集通知の英訳を進めるべきである。特に、プライム市場上場会社は、少なくとも機関投資家向けに議決権電子行使プラットフォームを利用可能とすべきである。」

補充原則3-1②「上場会社は、自社の株主における海外投資家等の比率も踏まえ、合理的な範囲において、英語での情報の開示・提供を進めるべきである。特に、プライム市場上場会社は、開示書類のうち必要とされる情報について、英語での開示・提供を行うべきである。」

要約すると、補充原則1-2④は、プライム市場上場会社は議決権行使を容易にするために、電子プラットフォームを利用可能とするべきであることと海外投資家に対しては招集通知の英訳を送付するべきであると明記したことです。補充原則3-1②は、プライム市場上場会社は、開示書類のうち必要とされる情報について、英語での開示・提供を行うべきであると明記されました。

補充原則1-2④では、「電子プラットフォームを利用可能とするべき」と議決行使の手段を特定されているので、プライム市場上場会社は次の株主総会までにこれを利用できる体制にしなければならないことになりました。招集通知を英訳して送付することは推奨事項なので、電子プラットフォームほどの緊急性はないので努力目標になっています。補充原則3-1②では、プライム市場上場会社には開示書類のうち必要とされる情報について英語での開示・提供を行うべきであるということですが、必要とされる書類とは何かに関して特定されていませんので、どの書類または情報が英訳必要なのかは、プライム市場上場会社の判断に委ねられています。筆者が英訳すべきであると考える情報の一つには、有価証券報告書があります。当該書類は法定書類なので、必要事項はすべて記載されています。注記も含めて本書類のすべてを英訳するべきです。海外機関投資家から特定の会社に関する質問をお受けする場合もありますが、有価証券報告書に記載してある事項も少なくないので(記載のない情報に関しては、当該上場会社に尋ねることになります)、投資家にとってはとても有益な情報が記載されている本書類が英訳されれば、海外機関投資家の利便性は格段に向上すると推察されます。現状では本書類を英訳している上場会社は極めて少数です。

これまでも以前の記事「Information Disclosure in English」において、上場会社の英語による情報開示の状況をお伝えしてきました。今回は上述のように、東証プライム市場上場基準に伴う議決権電子行使プラットフォームの利用と英文開示にフォーカスして、述べてみたいと思います。

ウェビナー「会社支配権争いと株主利益の毀損」動画公開

2022年1月17日、「会社支配権争いと株主利益の毀損」―これまでの歴史、今突きつけられた問題、今後の行方―と題したウェビナーを開催いたしました。

ここへ来て買収防衛策の廃止傾向は鈍化し、逆に再導入する企業も出てきています。そして実際に、買収者と買収対象企業の現経営陣とが支配権を巡って攻防を続け、新聞紙上を賑わす事件も散見されます。特に、東証1部上場の新聞輪転機メーカーの事件では、買収者を排除した株主総会決議によるポイズンピルの発動が、裁判所によって認容される事態となりました。

ポイズンピルについては、敵対的買収を困難にさせることで、買収の脅威を通じた経営の規律の向上を弱める点や、経営者の保身を図るための手段として用いられかねないという点などが一般的に問題視されるわけですが、この事件ではポイズンピル発動の判断に際して買収者の議決権行使が否定されており、株主平等の原則との関係で新たな問題が加わっています。

メトリカル:コーポレートガバナンスはどのくらい改善したか?2021年 〜 ボードプラクティス編

Metricalは東証一部上場会社を中心に時価総額が約100億円を超える約1,700社を対象にコーポレートガバナンスの評価を毎月アップデートしています。2022年4月の東証の市場区分の再編に伴い、2021年はコーポレートガバナンス・コードの改訂が行われました。上場会社のコーポレートガバナンスを改善する取り組みも前に進むことが期待されます。その取り組みの成果によって、どのくらいコーポレートガバナンスが改善されたのかを数値を持って見ていきたいと思います。

これから下記に示すチャートは2020年12月のMetricalによる各評価項目の評価と2021年12月のそれらの推移を示していて、この1年間の上場会社のコーポレートガバナンスの取り組みがどれくらい改善しているかを見ることができます。それでは順に見ていきましょう。

最初のチャートはMetrical CGスコアの分布図です。Metrical CGスコアは多数のコーポレートガバナンスの評価項目を網羅した上場会社の総合的な評価を示すものです。2021年12月の緑色の棒の分布は2020年12月のオレンジ色の棒の分布と比べるとスコアが高い右方に移っていることがわかります。コーポレートガバナンス・コードの改訂の影響もあって、上場会社がコーポレートガバナンスの取り組みを進めたと推測することができます。下記でその中身についてもう少し詳しく見てみましょう。

Introducing the enjoi Wolfpack, a DEI Leadership Program for Corporate Men

(日本語訳は英語に続きます)

DEI Business Strategy is not a “Nice to Have”

Are you a forward-looking man in corporate Japan with an interest in learning how to shift your organization towards healthier, more equitable, and more innovative dynamics? 

Building diversity-positive workplaces is no longer a “nice to have.” It is now an IMPERATIVE just for baseline business continuity. Diverse talent mobilization strategy can no longer be delegated to the HR function where it is often under-resourced and disconnected from holistic innovation and business strategy.

Research by the Economist Intelligence Unit shows that just 38% of Japanese companies report that C-level executives have responsibility for the formulation of talent-management strategy, compared to 65% in the global results. If CEOs in Japan want to stem financial losses from talent attrition, building a gender-equal and diversity-positive workplace is the foundation.

That’s why we have developed the enjoi Wolfpack program.

This new, one-of-a-kind, six-month executive education program from enjoi Japan K.K. runs biweekly as virtual meetings on Monday evenings, 8:00-9:30 pm JST beginning February 28, 2022. There are three different packages available at three price levels: Wolfpack Explorer, Wolfpack Leader, and Wolfpack Mastermind.

There is only a limited number of spots still available in this confidential DEI leadership program! Applications close as soon as seats sell out. Final application deadline is February 15, 2022.

Visit www.en-joi.com/wolfpack to request pricing details and apply now!
We also welcome inquiries at wolfpack@en-joi.com.

メトリカル:買収防衛策③ 買収防衛策を持っている会社のアンダーパフォーマンスの背景にあるものは何か?

前回の記事「メトリカル:買収防衛策② 株価パフォーマンスは?(BDTIデータを利用したMetrical分析)」では、現在でも買収防衛策を有している会社は上場会社全体で271社あり、当該271社の多くは株式時価総額が相対的に小さく、また、当該グループの5年間の株価パフォーマンスは各株価指数と比較してアンダーパフォームしていることが確認されました。

さて、今回はその前の記事「買収防衛策③」で立てた仮説の検証を試みたいと思います。買収防衛策条項を今も持っている会社の多くは株式時価総額が小さく、株式時価総額の成長が緩慢なペースである背景に何かあるのではないか。買収防衛策を保有していることを投資家に事前警告することによって、投資家が投資対象から外すこと以外に、当該会社の株価パフォーマンスが劣っていることには何かが関連していないか考えてみたいと思います。以前の記事では、会社の成長性の方針が明確でない、そのような成長方針を投資家に伝えきれていない、IRなどの機能を使いきれていないなどが複合的に関連しているのではないかと仮説を立てました。

そもそも事前警告型の買収防衛策があると投資家が投資を躊躇うために、当該会社の株価が低くなると言いこともできますが、東証の開示資料「White Paper on Corporate Governance2021」の次の考え方が参考になります。「買収防衛策を導入していない会社の中でその理由を説明している会社をみると、企業価値を高めることが最良の買収防衛策であると考え、現状では買収防衛策の導入を予定していないとの説明が大半である」との買収防衛策を保有していない会社の回答からも、上述の仮説と共通するところがあります。買収防衛策を保有している会社は企業価値を高めるための取り組みが十分でない一方で、買収防衛策を保有していない会社はその取り組みを実践する傾向があると推測することができます。

メトリカル:買収防衛策② 株価パフォーマンスは?(BDTIデータを利用したMetrical分析)

ポレートガバナンス・プラクティスを分析しました。その分析結果では、2014年以降で買収防衛策を株主総会の議案に提案したことが確認された会社421社のうち、現在は買収防衛策を採用していない会社のパフォーマンス指標としてのROE、ROA、P/B、コーポレートガバナンス・プラクティス指標としての独立取締役比率と女性取締役比率において、優れた数値を示していました。

今回は、当該データからもう少し分析を進めてみましたので、ご紹介したいと思います。BDTI様のデータにおいて、2014年以降で買収防衛策を株主総会の議案に提案したことが確認された会社は443社で、そのうち買収防衛策の議案が否決された会社は10社で、可決された会社が433社でした(下表参照)。このことからも分かるように一旦買収防衛策が議案として提案されると大方可決されることになります。可決されるか否決されるかは、会社の株主構成に依存し、主に外国人株主の持株比率に負うところが大きいと考えられています。東証の開示資料「White Paper on Corporate Governance2021」でも「外国人株式所有比率でみると、買収防衛策を導入している比率は30%以上の区分で2.7%と最も低く、前回調査より3.7ポイント減少している。また、20%以上30%未満の区分では9.2%と、前回調査より11.1ポイントと大きく減少している。筆頭株主の所有比率との関係をみると、筆頭株主の所有比率が低い区分で導入比率が高い傾向がみられるが、所有比率が5%未満の区分では13.8%と、前回調査より9.5ポイントと大きく減少した。」と述べています。

下表の通り、前回の分析でお示ししたように2014年以降で買収防衛策を株主総会の議案に提案したことが確認された会社433社のうち、今も上場している会社が421社あり、その中で買収防衛策を現在では保有していない会社が41%の173社、現在でも買収防衛策を保有している会社は59%の248社です。上述の通り、買収防衛策を現在では保有していない会社のパフォーマンスとコーポレートガバナンス・プラクティスにおいて優れた数値を示しています。さらに、株式時価総額で見ても、買収防衛策を現在では保有していない会社と現在でも買収防衛策を保有している会社の間には大きな差があることもわかります。

メトリカル:どのような企業が買収防衛策を導入しているか(BDTIデータを利用したMetrical分析)

下表の通り、全東証一部上場企業の中で買収防衛策条項を採用していない会社は90%を超えています。Metricalのユニバース(東証一部上場会社を中心に上場会社全体よりも少し時価総額が大きい会社で構成されている)でも約90%の会社が買収防衛策条項を採用していません。

今や買収防衛策を保持していない会社が主流になっている中で、買収防衛策を採用している会社と採用していない会社のパフォーマンスとコーポレートガバナンス・プラクティスの状況を調べてみました。下表がそれらを示したものです。ご覧の通り、買収防衛策を採用していない会社のパフォーマンスが過去3年間平均のROE(actual)、ROA(actual)およびトービンのQにおいても優れていることがわかります。コーポレートガバナンス・プラクティスにおいては、独立取締役比率以外の女性取締役比率とMetricalスコアにおいて優れていることがわかりました。

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