本日(2022年2月21日)の日本経済新聞の記事で、友人でもある山口利昭弁護士のコメントを含めて、社外取締役への期待が高まっていることに着目しました。以下の文は正にその通りだと思いました。
「 選定方法に課題
企業側の工夫も必要となる。企業統治に詳しい中村直人弁護士は「社外取締役の候補者を選定するプロセスから見直すのが大事だ」と話す。統治体制が最も厳しいとされる指名委員会等設置会社でさえ、社外取締役の候補者をまず経営陣が選び、指名委員会の了承を受ける流れになっている例も多い。経営者の「お友達人事」になってしまう可能性が残るという。
一方でエーザイなど、社外取締役の候補者選びの段階から指名委員会が担う企業も一部ある。中村弁護士は「どのようにノミネートしているかや、選任基準を開示するのも重要だ」と話す。社外取締役が社内の重要資料にアクセスしやすくするなど、ガバナンス機能をより効果的に発揮できる仕組みづくりも大事という。
社外取締役は、企業に潜む問題をすべて発見できる万能な存在ではない。しかし社内の慣習や内向きな人間関係にとらわれない立場で助言や監督をし、社内に適度な緊張感をもたらす役割が期待される。職責に対する本人の覚悟と、社外取締役を生かすための企業側の体制整備の両方が求められる。」
(正にその通りだと思います。「企業が選ぶ弁護士ランキング企業法務分野1」に何回も選ばれた中村先生がこのような根幹の問題を日本経済新聞で説明するということは、CGCの制定後の日本がいかに変わったかを語っていると思います。)
また、
「社外取締役は海外を含めた経営経験者や学者、弁護士など様々な人材が求められる仕事で、潜在的な数は少なくない。スキルや知見、心構えなどを備えた社外取締役を増やすためには、重責を担う本人の努力はもちろん、社会全体でガバナンス改革に向けた活発な議論を続ける必要がある。」
その通りです。
記事 (2022年2月21日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC021Y60S2A200C2000000/