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ディスカッション・フォーラム

BDTI ニュース

2020.10.25 “社外取塾” をテレビ会議で開催!次回は2022.03.03の予定!

BDTIでは10月25日(月)テレビ会議を通じて、経験豊富な社外取締役から実践を学ぶ 社外取塾を開催しました。 1日にわたるコースには、様々な業種において経験豊富な12名が参加しました。参加者は事前にガバナンスの最先端で活躍してきた女性、男性、外国人で構成される寄稿者からそれぞれが時間をかけて身につけてきた課題意識、知恵、経験則、貢献方法、ベストプラクティス等についての寄稿文に目を通してもらいます。それをもとに当日は、自身も社外取締役経験者であり、コーポレートガバナンス・コード(CGC)の提唱者であるニコラス・ベネスや市川佐知子とともに 活発な論議が繰り広げられました。お互い直面している問題や疑問を話合い、新しい視点や解決のための「ヒント」をもらえたのではないでしょうか。教科書では得られない気づきが必ずあります!

受講者の声を一部ご紹介します:

メトリカル:10月の株式相場は下落。CG Top20株価はインデックスに対し大きくアウトパフォーマンス。

前月の上昇から一転して、10月前半に株式相場は急落した後、月末から始まる決算発表を控えて膠着感が強まる相場展開となった。10月1ヶ月間のTopixとJPX400の両株価指数は-1.34%、-1.35%とそれぞれ下落した。CGレーティング・スコア上位のCGTop20株価は-0.41%と両インデックスによりも下落を小幅に抑えて、両インデックスに対して大きくアウトパフォーマンス。

メトリカル:指名委員会に関する考察

指名委員会はコーポレートガバナンスのプラクティスの中で最も難しい問題です。取締役の選任(指名)は人事権に関わる問題で、人事は報酬にも大きく関係する問題なので、とりわけ取締役会で社内取締役が多数構成する日本では今でも多くの会社でCEOがこの決定に深く関わっています。この決定権を独立社外取締役に委任することに、抵抗があることは想像に難くありません。結論を先に言ってしまうと、指名委員会を設置したからといっても実質的にその指名委員会が適切に機能しているのかを精査しなければわかりません。指名委員会が適切に機能しているかをチェックするには、まず、その指名委員会の構成メンバーを独立社外取締役が過半数を占めているのか、また独立社外取締役が委員長を務めているかがポイントになります。しかし、その前提として、透明性と客観性のあるプロセスを経た取締役指名の決定を取締役会が受け入れる用意があることが必要です。このことは取締役会自体が透明性と客観性のある運営をされていることと考えることもできます。それをはかる一つの尺度として、独立社外取締役が取締役会の中で過半数を占めているのかで検証してみたいと思います。社内取締役が多数を占める取締役会では、そもそも透明性のある客観的な手続きで取締役の指名プロセスが行われるのか不明ですし、指名委員会が提出した取締役候補の案を取締役会で承認するかも不明だからです。

まず、現時点の日本の上場会社全体の指名委員会の状況は下表の通り、2021年10月1日現在の東証全上場会社3,784社中コーポレートガバナンス報告書を提出していた3,733社の中で、法令上の指名委員会があるのは指名委員会等設置会社の組織形態をとっているのは82社(全体の2%)でした。監査等委員会設置会社および監査役設置会社は1,249社および2,401社で、そのうち任意で指名委員会を設置している会社は、それぞれの組織形態で609社(49%)および1,046社(44%)でした。

気候変動による経営リスクの情報開示

日本経済新聞:脱炭素の具体策、企業に開示求める 国際組織が新指針より
2022年春から一部上場企業には気候リスクの分析と開示が実質的に義務付けられるようになる。

洪水、 土砂災害、台風など気候変動が原因とされる自然災害が増え、投資家は企業が気候リスクにどれだけ備えているか知りたがっている。各国で石炭離れが始まって化石燃料を使う設備などは将来的に稼働しにくくなるとも予想され、企業がこうしたリスク資産をどの程度保有しているかも投資家は把握する必要がある。

金融庁は、すでに6月から日本のコーポレート・ガバナンス・コードに気候変動に関する情報開示を導入しているが、同コードには法的拘束力がなく、情報開示は「遵守または説明」ベースで導入されている。

東京証券取引所(TSE)は、2022年4月に東京証券取引所の市場再編がある。その実質最上位と位置づけられる「プライム市場」の上場企業は、気候リスクの開示が求められるようになる。さらに金融庁は2023年以降、有価証券報告書を提出する約4,000社に広げる検討をしている。気候リスクの開示が主要企業の標準形となる。

日本経済新聞によると、開示方法は「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」と呼ばれる国際組織の指針がベースになる。TCFD勧告では、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標・目標という4つのテーマに沿って開示内容が構成されている。これまでTCFDは温暖化ガス排出量の実績や削減目標、財務に与える影響などの情報開示を求めてきた。新しい指針はさらに踏み込んで、脱炭素への移行に伴う事業や戦略の変更計画、移行を支援するための行動や計画といった情報を開示するよう求める。「少なくとも5年ごとに見直し、必要に応じて更新する必要がある」ともした。

メトリカル:9月の株式相場は大幅上昇。CG Top20株価はインデックスに対しアンダーパフォーマンス。

9月の株式相場は日本株の出遅れ感とワクチン接種の進展を背景に、前月末日の急反発を引き継いで月前半に大きく上昇した。その後は月末にかけては強弱感の高まる相場環境が続いた。9月1ヶ月間のTopixとJPX400の両株価指数は3.61%、3.68%とそれぞれ上昇した。CGレーティング・スコア上位のCGTop20株価は2.30%の上昇にとどまり、両インデックスに対して6ヶ月ぶりのアンダーパフォーマンス。

メトリカル:英語による情報開示

以前にも英語による情報開示について記事を書いて、ご報告したことがあります。今回はあらためて英語による情報開示について考えてみたいと思います。BDTIおよびMetricalでは繰り返し英語による情報開示の重要性を訴えていますし、最近では東証が「英文開示に関する海外投資家アンケート調査結果」を公表するなど、この問題に関しても少しづつ注目が集まりつつあります。
上場会社の英語による情報開示に関しては、東京証券取引所の「Availability of English Disclosure Information by Listed Companies」において示されています。これによると、英語による情報開示に関して、「Timely Disclosure Documents」「Notices of General Shareholders Meetings」「Corporate Governance Reports」「Annual Securities Reports」「IR Presentations」「IR Website English Links」の各項目で各上場会社からの開示情報をもとにデータを提供しています。

2021年6月30日現在の東証のデータでは、全上場企業3,782社のうちデータ集計できた3,730社について各項目の英語による情報開示は次の通りです。IR PresentationsとIR Website English Linksに関しては約半数の上場会社が英語での情報開示を行なっています。次いで英語による開示が進んでいるのは決算短信などの収益報告で、38%の会社が英語による流開示を行なっています。最も英語による情報開示が進んでいないのが、有価証券報告書とコーポレートガバナンス報告書で、それぞれ6%と11%の会社が英語による開示を行なっていることになっています。

無料ウェビナー:「ESG経営」をどう「開示」するべきか?

ESGやSDGsの文言を見ない、聞かない日はないほどに、社会資源の重要性と企業活動の持続可能性を考慮する投資、それに応える企業経営が喫緊の課題となり、その開示情報の量が加速度的に増しています。しかし、ESG投資のスタイルは様々です。格付機関、開示情報基準団体、情報提供機関も多立錯綜し混迷を極めています。基準統一の必要性が叫ばれていますが、TCFD、ISSB、GRI、VRF(旧SASB、IIRC)その他、一体どこが覇権をとるのでしょうか。目まぐるしい変化の中、企業は今、何をして、どのような開示体制を準備すれば良いのでしょうか。

本ウェビナーでは、企業開示の専門家でインパクト投資にも詳しい野村総合研究所の三井千絵氏、三菱UFJ信託銀行アセットマネジメントの加藤正裕氏をお招きし、ESG経営時代、同時に到来したマシーンリーディング時代にあるべき情報開示のあり方についてご講演いただきます。財務会計情報を超えて投資家が求める情報は何か探り、そこから基準統一化の将来を占います。企業に関するESG情報は当該企業が発表するものだけではありません。SNS、ネット情報が光速で拡散する中で自社情報をきちんと伝えるための技術も備える必要があります。必要な情報をトラック・収集、分析し、企業を舵取りする取締役会に迅速に提供するための社内組織も変革が必要となります。

ESG経営は押し付けられた基準を無目的に開示するだけのお荷物ではありません。社会資源の重要性を理解し、自社の強みを発見し長期戦略に繋げてこそ意味があります。取締役会の戦略議論と直結しているのですから、その情報開示についても取締役会がイニシアチブを発揮するべきです。講師のお二人に、BDTIの代表理事ニコラス・ベネシュを交え、ESG経営、企業情報開示、コーポレートガバナンスなどをパネルディスカッション方式で議論します。

【開催日時】  2021年11月4日(木)15:30 –18:00

【参加方法】  ZOOMビデオ会議形式(実名を伏せたい方は、表示名を匿名、参加などへ変更してください、オーディオをオフにしてください)

2021.11.25(木)無料ウェビナー: 実効的対話の本質と形態

 

投資家サイドと事業会社との間で行うエンゲージメントは、それが重要であることを今更繰り返す必要がない程に浸透していますし、その実施には多くの時間とリソースが費やされています。しかし、双方が満足できる対話の実現は少ないのも事実ではないでしょうか。ありきたりの質問、表面的な回答、時間がとられる割には充足感がなく、その後の対話段階に繋がる発展性、究極的な企業価値の向上に繋がる建設性が見えづらい。

投資家サイドは事業会社を十分研究分析し、その上で行う質問や意見交換を事業会社の中枢に届けたいと考えています。事業会社の方も、投資家の声に耳を傾け、資金調達や企業の方向性決定に役立てたいと考えています。しかし、そのためには事業会社のIR担当者と年に数時間面談するという方法は効率的ではないかもしれません。

本ウェビナーでは、ひびき・パース・アドバイザーズの清水雄也氏、ラザード・アセット・マネージメントのスコット・アンダーソン氏をお迎えし、書面を使った対話方式をご紹介します。質問項目を書面にすれば、ファンドは核心をついた情報収集ができ、事業会社の作業も無駄が省けます。また書面を読めば、ファンドがどれ程真剣に事業会社を研究分析しているかは一目瞭然であり、応じる事業会社もメリハリをつけられます。

コーポレートガバナンス・コード、スチュワードシップコードが目指す建設的な対話はIR担当者のところで止まってしまうべきではありません。投資家サイドの声が書面となっていれば、IR部門から取締役会への情報連携も容易となり、取締役会は当社を真剣に研究分析する投資家の声を参考にしながら、戦略議論を進めることができます。講師のお三方に、BDTIの代表理事ニック・ベネシュを交え、建設的な対話の本質や形態についてパネルディスカッション方式で議論します。

【開催日時】  2021年月11日25(木)15:30 –18:00 (2時間30分)

投資家と上場会社との対話が対話にならないわけ

森本 紀行:ヤフージャパンニュース「投資家と上場会社との対話が対話にならないわけ」

https://news.yahoo.co.jp/byline/morimotonoriyuki/20210916-00258076

対話ではなく単なる質疑応答

「金融庁のガイドラインを一読して、対話という言葉を想起するのは、かなり難しいことです。これは、責任ある投資家として、その責任を果たすために、上場企業の経営者に問い質すべきことを列挙したものであって、上場会社の経営者や取締役には、その質問に誠意をもって答えることが期待されているのだとすれば、対話というよりも、質疑応答のガイドラインです。

しかも、質問は、基本的に、「何々となっているか」という形式になっていて、それは「何々すべきである」という「コーポレートガバナンス・コード」の原則に対応しているのですから、実質的には、質問を通じて、原則の実施状況を確認する主旨になっています。これでは、責任ある投資家の責任とは、上場会社を監視し、持続的成長へ向けて努力するように監督する責任と解するほかありません。

それにもかかわらず、敢えて投資家と上場会社との対話と呼ばれるのは、おそらくは、両者間の対等性を強調するためです。なぜなら、投資家による上場会社の監視監督という表現は、投資家の地位の優越を明瞭に示していますが、株式の上場制度の本来の原理原則からすれば、上場会社と投資家とは、開示制度による情報の対称性を介して、対等の地位にあることが前提になっているからです。

対等なもの同士の対話とするためには、両コードにおいて、責任ある投資家に対しては、投資先企業の選択基準と売却基準、投資先企業との対話に関する基本姿勢などについて、行動原則の策定、および原則が確実に履行されるための仕組み作りを要求し、上場会社に対しては、投資家が原則通りに行動していることについて、監視監督することを要求すべきです。

しかし、実際には、そうなっていないのですから、投資家と上場会社の対話とはいっても、対話という用語は文飾であって、実態は、投資家による質疑と、上場会社による応答です。」

 

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