【レポート】会社役員育成機構(BDTI)セミナー『役員と経営者の業績連動型報酬の将来像~10年後を見据えて~』

9月3日、BDTI&一橋ICS共催のセミナー『役員と経営者の業績連動型報酬の将来像~10年後を見据えて~』を開催しました。

最初に田辺法律事務所の中西和幸弁護士が近時の役員報酬に関する課題と現行の制度、報酬委員会の役割について概観し、続いてペイガバナンス代表取締役阿部直彦氏が経営者の業績連動型報酬の内外の潮流と傾向、および過度なインセンティブを避けるなどの報酬リスク管理体制についての考え方と、役員業績連動型報酬制度の導入にあたっての報酬方針開示対応等について解説しました。

Business Journal:「東芝”不正”会計、「組織的関与・利益かさ上げ」批判は正しい?過去の粉飾事件との比較論」

「、、、会見では民放テレビ局の人気女性キャスターが「これは粉飾ではないのですか」と田中氏に詰め寄る場面もあった。確かにテレビ的には絵になるのだろう。しかし、筆者からすると、それは問題の本質からほど遠い質問だ。「粉飾」とレッテルを貼ることで、勧善懲悪的に問題を片付けたような気にさせるのは日本のマスコミの悪い癖である。そもそも「粉飾」という言葉は法律や会計ルールに書いてあるわけではない。その事象を見る人がどう言葉を当てはめるかの問題にすぎない。

「粉飾決算」「不正会計」「不適切会計」の違い
 この手の問題が起きた時、重大性の順におおよそ3つの呼び方があるだろう。「粉飾決算」「不正会計」、それに「不適切会計」である。マスコミがやたら「粉飾」と言い募り、逆に会社側が「不適切会計」で通し続けているのはそうした暗黙の評価尺度からだ。

経済産業省:『コーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会』報告書を取りまとめました

「経済産業省は、昨年12月より検討を再開したコーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会(座長:神田秀樹東京大学大学院法学政治学研究科教授。以下「本研究会」という。)において、近時のコーポレート・ガバナンスに関する新たな実務上又は法制上の問題等を踏まえ、議論を重ねてまいりました。
本研究会では、この度、「コーポレート・ガバナンスの実践 ~企業価値向上に向けたインセンティブと改革~」を取りまとめましたので、公表いたします。

山口利昭弁護士ブログ: 経産省の企業統治解釈指針は攻めるため?守るため?

東芝の不適切会計問題を受けてコーポレート・ガバナンス向上に対して期待する「攻め」と「守り」のバランスに対する世論の論調が微妙に変化している事への懸念を山口弁護士がコメントしています。

「経団連の夏季セミナーでは、メーカーの社長さんから(東芝事件を受けて)「これでは社内の数値目標を強調することがむずかしくなってしまう」との声が出たと報じられており(こちらのニュース)、企業の攻めの姿勢に東芝ショックがどれほどの影響を及ぼすのか、その波及が懸念されます。」

共同通信: 【東芝・不適切会計問題】「企業統治の優等生」のずさんな実態 端緒は内部告発 危機感乏しくダメージ拡大

東芝の不適切会計問題は第三者委員会の調査報告書が発表され新たなフェーズを迎えました。これまでの経緯をまとめた共同通信の記事では、昨年当局に内部告発があってからの経営陣の危機意識の薄さが指摘されています。

「監視委は昨年12月に検査開始を決定。情報収集を進め、ことし2月、検査に着手した。」

「しかし、東芝経営陣の動きは鈍かった。社内の調査委員会を設置したのは、検査が入った約2カ月後の4月。」

「内部告発がきっかけとなり、第三者委員会の調査が「企業統治の優等生」とされた会社のずさんな実態を暴いた。問題発覚当初の経営陣の危機感が乏しかったことも、経営へのダメージを拡大させた。」

10億20億は当たり前になってきた 日本初の経営者報酬コンサル会社代表に聞く 「経営者・取締役報酬高額化 私はこう考える」

経済ジャーナリストの磯山友幸氏が、日本初の独立系経営者報酬コンサルティング会社であるペイ・ガバナンス日本の阿部直彦代表をインタビューした記事が現代ビジネスに掲載されています。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43970

BDTIでは、9月3日(木)に阿部氏を講師にお招きした『役員と経営者の業績連動型報酬の将来像~10年後を見据えて~』と題するセミナーを開催します。

東洋経済オンライン:「LIXIL、優良子会社はなぜ破産したのか」

「当社のグローバル戦略は長期的視野に立ったもの。不退転の決意で継続する」「3年後には株主価値を出す。それが株主に対する経営責任だ」LIXILグループの藤森義明社長は6月3日に開いた緊急記者会見で、そう語った。

会見では、中国子会社・ジョウユウ(本社・独ハンブルク)の不正会計にからみ、自社の損失が総額660億円に上ると発表。従来見込んでいた額がさらに1.6倍に膨らむという内容で、報道陣からは経営責任を問う質問も少なくなかった。だが、藤森社長は時折、笑顔すら見せつつ、いつもと変わらぬ強気の姿勢を貫いた。

成長戦略に疑問符

9/3(木)セミナー『役員と経営者の業績連動型報酬の将来像~10年後を見据えて~』

コーポレートガバナンス・コードには次の原則が書かれています:

(1)「取締役会は、収益力・資本効率等の改善を図る」べし
(2)「経営陣の報酬については、中長期的な会社の業績や潜在的なリスクを反映」させるべき
(3)「健全な企業家精神の発揮に資するようなインセンティブ付けを行うべき」
(4)「経営陣幹部・取締役の報酬を決定するにあたっての方針と手続き」を開示すべき

また国の成長戦略は、スチュワードシップコードを含め、あらゆる面において企業の組織的変革および収益力向上を促しています。こうした変革を実現するには、役員の報酬のみならず中間管理職含め業績連動型報酬の新しい仕組の導入が大きな役割を果たすものと思われます。

ソニーの伊庭保・元CFOがソニーの取締役会、現役経営陣に送った書簡

ソニーの伊庭保・元CFOがソニーの取締役会、現役経営陣に送った書簡です。  

                                                                                        2015年6月1日
ソニー株式会社
社外取締役 各位
経営陣(副社長を含む) 各位
執行役、業務執行役 各位
写:取締役会事務局

                                                                                             伊庭 保(社友)

ソニー・スピリットが甦る日

現在、ソニーの株価は4,000円近くまで上昇し金融危機前の水準にまで迫っており、株式市場も現経営陣による中期計画を評価しているように見えます。しかし、それは本当にソニーの経営力や実力を評価してのことでしょうか。これまでのリストラ効果と、証券アナリスト向けの受けを意識した会社側の説明(2017年度にROE10%以上など経営指標の目標設定、ポートフォリオ・マネジメントやリカーリング型ビジネスの強化)が、最近の株式市場の上げ相場に乗っただけではないでしょうか。
解決されてない大きな経営課題は残されたままです。低い株主資本比率、ムーデーズの格付Ba1、なども。

資生堂の「ダイバーシティ&インクルージョン」の取り組みに関して (一部粋)

「定年後再雇用制度
資生堂では、会社で成長を遂げた熟年層が意欲と能力のある限り働き続けられるような環境を整え、活力ある企業体質をつくることを狙いに、2006年度より定年後の再雇用制度を導入しており、2013年度以降は、希望者全員を再雇用しています(※)。定年後の再雇用制度を活用することで、特に研究・開発・生産・販売等領域においては熟年層から次世代の社員への技術やノウハウの伝承を図っています。