『報酬制度が示唆する東芝の病』

日経電子版小平龍四郎編集委員のコラムで、東芝の第三者委員会が7月20日に提出した調査報告書で、不適切会計の遠因の一つとして「業績評価制度」を挙げたことに対するペイ・ガバナンス日本のマネージング・パートナー、阿部直彦氏の異論が紹介されています。

「国内外の多くの報酬制度を分析してきた阿部氏によると、東芝の基本報酬に対する業績連動報酬の比率は「グローバルに見ると高いとは言えず、国内事例と比較しても著しく高いとは言えない」のだそうです。業績連動報酬そのものが問題なのではなく、中長期の業績に連動するような設計になっていなかったことが、毎期の利益操作を誘発したのではないか、というのが阿部氏の主張です。」

Business Journal:「東芝”不正”会計、「組織的関与・利益かさ上げ」批判は正しい?過去の粉飾事件との比較論」

「、、、会見では民放テレビ局の人気女性キャスターが「これは粉飾ではないのですか」と田中氏に詰め寄る場面もあった。確かにテレビ的には絵になるのだろう。しかし、筆者からすると、それは問題の本質からほど遠い質問だ。「粉飾」とレッテルを貼ることで、勧善懲悪的に問題を片付けたような気にさせるのは日本のマスコミの悪い癖である。そもそも「粉飾」という言葉は法律や会計ルールに書いてあるわけではない。その事象を見る人がどう言葉を当てはめるかの問題にすぎない。

「粉飾決算」「不正会計」「不適切会計」の違い
 この手の問題が起きた時、重大性の順におおよそ3つの呼び方があるだろう。「粉飾決算」「不正会計」、それに「不適切会計」である。マスコミがやたら「粉飾」と言い募り、逆に会社側が「不適切会計」で通し続けているのはそうした暗黙の評価尺度からだ。