優れた企業業績と相関性が高いのは?(調査サマリー)

公益社団法人会社役員育成機構(以下、BDTI)と株式会社メトリカル(以下、メトリカル)は、このほど日本の好業績企業のパフォーマンスとガバナンスストラクチャー/プラクティス及び企業の実際の行動がどのように相関しているかに関する研究を行い、第一次分析結果をBDTI主催の3月16及びゴールドマン・サックス証券主催の4月4日のセミナーにて報告を行った。当共同研究はまだ途中経過ではあるが、今後の分析に繋がる興味深い有用な指針がもたらされた。

BDTIとメトリカルでは、コーポレートガバナンスは優れた戦略・最適な資本配分及びその他の価値を生み出すための企業行動がなければ、それが有効に機能していないのではないかと考える。したがって、分析においては取締役会の運営・基本方針などのボードプラクティスと主要なアクションと価値の創造のリンケージと相関を見出すことを主眼とした。

ISSの日本向け議決権行使助言基準で「相談役」制度を「原則として反対」

議決権行使助言会社ISSは2017年の(新しい)日本向け議決権行使助言基準を発表しました。その一部は、

「相談役27制度の新設 下記に該当する場合を除き、原則として反対を推奨する。 › 取締役の役職として提案される場合」

27 「相談役」に限らず、活動の実態が見えにくい名誉職的なポストが本ポリシーの対象である。例えば、顧問、名誉会長、ファ ウンダーなど。}

https://www.issgovernance.com/file/policy/2017-japan-voting-guidelines-japanese.pdf

クラスアクション ドイツの場合

BDTIのアドバイザーであるハラルド・バウム教授から、ドイツのクラスアクション法とも言える法律の解りやすい解説が以下に投稿されました。過日、日米のクラスアクション制度をテーマにセミナーが開催されましたが、バウム教授の寄稿によって3カ国の制度を比較することを可能になりました。ドイツの制度は、フォルクスワーゲン株を購入した世界中の投資家が、窒素酸化物排出データ捏造により損失を被ったとして次々と訴訟を起こし、2016年一躍有名になりました。その訴訟の複雑な多層構造は日本の消費者裁判手続特例法をしのぎ、モデルとなる事件を設定して、共通する争点について高裁が判断を下すという、とてもユニークなものです。

 ドイツにおける証券詐欺モデル事件法

 -US版クラスアクションに替わる新制度?-

    ハラルド・バウム *

I.   モデル事件法の概要
II. モデル事件法の基本的な手続
III. 短所
IV.  欧州的視点

2001年、ドイツテレコム投資家約2500人が弁護士約700人を使って会社を提訴した。ファンド運営の失敗で暴落した株価により損害を被った個人投資家が、虚偽記載の責任者を相手取ったこの事件は、裁判所の処理能力を明らかに超えていた。

これを受けて2005年、立法府は「証券詐欺モデル事件法」と呼ばれる特別法を制定した。最初は2012年までの時限立法とされ、その後の延長で2020年までの期限がついている。

セミナー「クラスアクション元年-企業の備え」レポート

2017年1月23日、クラスアクションに関するセミナーが開催されました。日本版クラスアクション法とも言うべき新しい訴訟手続法と、元祖クラスアクション、アメリカの制度とを比較し、両方のリスクにさらされる企業がとるべき備えを考えるという意欲的なテーマでした。消費者庁で立法に携わった弁護士、アメリカでカルテル後長年続く私訴に関わったローヤー、アメリカで巨額クラスアクションを経験した日系企業の法務部長という経験豊富な面々が集まり、仮想事例をもとに、具体的・実務的なディスカッションがなされました。また、証券訴訟に詳しいBDTIの代表理事からは、誰もが眉をひそめるクラスアクションの「良い面」も紹介され、参加者の驚きを誘っていました。日本の制度はアメリカのそれとはかなり異なります。しかし、企業がグローバル展開するとき、各国内のことだけを考えて事件処理はできません。この国でとった戦略があの国にどのようなインパクトをもたらすか、多角的に検討する必要があります。各企業でどのような備えを講じるべきか、示唆に富むセミナーでありました。

Cyber3 Conference Tokyo 2016 サマリー

日本経済新聞社主催、日本政府、世界経済フォーラム(WEF)、Cyber3 Committee等協力により、2016年11月18日(金)、19日(土)に開催されたCyber3 Conference Tokyo 2016のサマリーが公表されました。

同イベントでは、ビジネスや社会の在り方そのものを根底から揺るがすIoT・ビッグデータ・人工知能といったテクノロジーをビジネス面で実用化することが日本の成長にとって喫緊の課題である一方、改革を推し進めるためにはサイバーセキュリティ等の対策が不可欠となってきています。しかし、未だに日本企業では幹部がセキュリティ対策に積極的ではないことが大きなリスクとなりつつある現状に警鐘が鳴らされました。サマリー・ダウンロードはこちらから。

同カンファレンスでは、ニコラス・ベネシュBDTI代表理事が19日のセッションで講演してい

【実践 危機管理セミナーのご案内】- 情報サイト炎上など最近の事例をもとに考える企業の危機管理(1月20日)

企業によるネットを通じた情報発信が増加する中、サイト上の誤情報やビジネス倫理の問題から炎上し、マスメディアでの大きな報道につながるケースが増えています。炎上の原因としては、ビジネス倫理の問題や危機発生後の対応の問題などさまざまな側面があります。株式会社コスモ・ピーアールでは、ネットの炎上事件から考える企業の危機管理をテーマに、「実践 危機管理セミナー」を2016年1月30日(月)に催します。皆様の理解の助けとなるよう、問題・課題を整理し、対策を考えます。

多くの皆様のご参加を歓迎いたします。ご参加を予定される方は下記お申込用紙のご記入の上、2017123日(月)までにメールまたはFAXにて、ご返信下さいますようお願いいたします。

お申込用紙のダウンロードはこちらから↓

「投資家への手紙」 ~ 投資家との「建設的対話」に臨んだ企業の所感

世の中には、もらって嬉しいかは別にして、投資家が株式発行企業に宛てた「投資家からの手紙」というものがある。今や、投資家と企業とは、建設的に対話する関係である。そうであるなら、企業が投資家に対し「投資家への手紙」を差し出し […]

「日本経済 緩やかな回復と難問の持続」 ヒュー・パトリック著

「 日本経済は常に難しい問題を突きつける。例えば、失業率が極めて低いにもかかわらず、賃金の上昇率が低いのはなぜか?異例な金融緩和と低金利が継続されているにもかかわらず、消費者物価は上昇せずデフレ懸念が払拭されないのはなぜか?研究開発投資が比較的高水準で実行されているにもかかわらず、国内の投資機会が少ないように思われるのはなぜか?日本人は、どうしてリスク回避的なのか?他の先進国でも見られる現象だが、生産性上昇率が低下した理由は何か?これらの疑問に対して全面的に回答することはできないが、本稿ではその回答への手掛かりを述べてみたい。

Brexitという、測定不能に大きいリスク

国民投票直後の混乱期に比べると、最近、この話題の登場場面は減ったように思えます。しかし、もちろん、このリスクがなくなったわけでも、小さくなったわけでもありません。あまりに不確実要素がありすぎて、企業は大きさを測ることも対処方針を定めることもできないでいるように思えます。

日本政府は、日系企業からの要望を取りまとめ、英国に対し、配慮を求めるメッセージを伝えました。要望は、次のような事項で負担が増大することを回避・軽減することです。

株懇『企業と投資家の建設的な対話に向けて ~対話促進の取組みと今後の課題~』

全国株懇連合会は、10月27日、『企業と投資家の建設的な対話に向けて ~対話促進の取組みと今後の課題~』を発表しました。具体的な内容は、「建設的な対話の取組状況」、「基準日の適切な設定」、「株主提案権制度のあり方」の3つのテーマを取り上げて、実務的な視点から検討を加えたものです。エンゲージメントの現状について実例を交えて解説し、今後取り組むべき課題が挙げられています。

BDTIでは、エンゲージメントをテーマに、11月14日(月)、本年6月に日本経済新聞出版社から『投資される経営 売買される経営』を上梓されたみさき投資株式会社代表取締役社長の中神康議氏と一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授の野間幹晴氏をお招きして、セミナー『~エンゲージメントの前に経営者が知っておきたい~「投資される経営」とは?長期的な企業価値創造のための経営視点とスキルとは?』を開催します。投資家とのエンゲージメントが求められている企業経営者、IRご担当者の皆様のご参加をお待ちしております。

セミナーの詳細とお申し込みはこちらから。