厚労省及びPFAは企業年金におけるスチュワードシップコードの受入れ表明を促進する検討会を開きます

企業年金連合会および厚生労働省は、企業年金関係者、機関投資家、金融庁などが参加する「企業年金におけるスチュワードシップコードの受入れ表明を促進」する検討会を開きます。政府としても受益者(従業員)としても受け入れを促すことが当たり前なことですから、コード制定の2年半後にこのような検討会のプロセスを速めてほしいが、前進ですので応援しましょう。発表内容は以下に引用します。

ご参考までに、これは当課題(つまり年金ガバナンスとして企業年金のスチュワードシップコード受け入れの表明を促すことが不可欠)についての私が書いた以下の提言の結果であると思われます:

「スチュワードシップコードが実効的に機能するために、年金ガバナンス強化の具体策を提言する」
https://bdti.or.jp/2016/08/20/pengovrprop/

「従業員を大事にする日本」では、スチュワードシップコードの受け入れを表明した何百社の機関投資家の中には、何社の非金融上場企業の年金基金が含まれていると思いますか?現時点では、一社のみです(セコムの年金基金)。たった一社(!)では、同コードがそのフル・ポテンシャルを発揮するはずがありません。

厚生労働省およびPFAの発表:(9月28日) (引用)

スチュワードシップ検討会の設置について

公認不正検査士協会、「COSO – 不正リスク管理指針 エグゼクティブ・サマリー」(日本語翻訳版)を公開

公認不正検査士協会(ACFE)は、10月7日、「COSO – 不正リスク管理指針 エグゼクティブ・サマリー」(日本語翻訳版)を公開しました。同サマリーは、取締役会と上級経営者に向けてCOSOの不正対策方針と統制を制定する利点を説明するために作成されています。

BDTIのe-Learning『コーポレート・ガバナンス(基礎編)』ではCOSOの概略を紹介しています。基礎編に続き、『コーポレート・ガバナンス(実践編)』も完成しました。BDTIのe-Learningでは、コーポレート・ガバナンスの他、『会社法』『金商法』のコースも揃えました。コーポレート・ガバナンスの基礎知識習得のための利便性の高い学習ツールとしてご活用ください。詳しくは下記ウェブサイトをご覧ください。https://bdti.or.jp/e-learning/

メディエーションスキル集中トレーニング

同志社大学大学院司法研究科とペパーダイン大学ロースクールのストラウス紛争解決研究所が、日本で初めて共同で訴訟事例メディエーションプログラムの国際版を実施します。

日程:11月28日~12月3日(11月29日を除く5日間)

対象:法律実務家、経営者、紛争解決の専門家、教育者、その他の専門家

講義は全て英語で行われますが、希望者は有料で同時通訳を利用することができます。また、同志社大学東京サテライト・キャンパス(東京駅から徒歩6分)で実施しますので、首都圏勤務の実務家の方々にとっては大変受講しやすいプログラムです。詳細はこちらをご覧ください。

【BDTIウェブサイト-NEW機能】 ガバナンス関連書類の検索エンジン始動!

CG search

各企業のコーポレート・ガバナンス関連書類を簡単に検索できる新しい検索エンジンをBDTIウェブサイトに搭載しました!

  • 全上場企業の情報を早く簡単に検索!

東証1部・東証2部・ジャスダック・マザーズなどのあらゆる上場企業の適時開示速報、ガバナンス報告書、CGガイドライン、株主総会参考書類、議決権行使結果が簡単に検索できます。

  • 全てのドキュメントがhtml, xbrl, xsd, xml 形式でダウンロード可能!(開発中)

法人賛助会員の特典として、テキストを抽出してCSVファイルに簡単に落せるツール、ドキュメントを様々なフィアル形式でダウンロードすることが出来る機能などを開発中です。

是非、ガバナンス書類検索機能 をお試しください。

大和総研レポート『米国のコーポレートガバナンス改革 ~大手企業と運用機関が共同で提言書を発表~』

大和総研常務執行役員 牧野正俊氏が、米国の著名投資家、運用機関のトップ、米国を代表する大手企業のCEO等で構成されたグループが7月に発表したコーポレート・ガバナンスのあり方についての提言書の内容を同社コラムにて紹介しています。

「株主の権利の平等という観点から、議決権種類株式の導入には否定的である。提言書は「議決権種類株式を導入している場合、企業は一定の時限措置等を採ることを検討すべきである」としている。2004年にグーグルが上場した際、創業者の議決権確保のために議決権種類株式が用いられたことがきっかけとなり、その後、IT関連企業が相次いで議決権種類株式を導入した。このような方法は、経営陣による長期的な視点に立った経営を可能にする一方、年金基金や機関投資家からの批判は少なくない。」

スチュワードシップコードが実効的に機能するために、年金ガバナンス強化の具体策を提言する

年金ガバナンス強化はアベノミクスのガバナンス改革を完成するのに不可欠

コーポレートガバナンス・コードが最大限に機能するために、スチュワードシップ・コードは実効的に機能しなければなりません。いくら「建設的な対話」と唱えても、本来、ファンドマネジャーにとって対話活動及び議決権行使は「コスト・センター」であって手間暇がかかるので、そのファンドマネジャーの重要顧客がその活動を具体的に求めなければ、どちらかと言えば運用業者は手を抜いて表面上の行動で済ませがちです。

残念ながら、政府の努力にもかかわらず、日本ではこの「インベストメント・チェーン」には大きいな問題がまだ残っています。ファンドマネジャーの一番重要な顧客は年金基金です。多額の額の掛け金を定期的に委託してくれるのですから、神様のようなものです。年金基金がファンドマネジャーの選定に当たってスチュワードシップ活動およびESG分析が重要な基準であることを明確にすれば、あっという間に「建設的な対話」は半分PRようなものと思われている「コスト・センター」ではなくなります。

ところが、スチュワードシップコードの受け入れを表明した何百社の機関投資家の中には、何社の非金融上場企業の年金基金が含まれていると思いますか?現時点では、一社のみです(セコムの年金基金)。たった一社!これでは、同コードがそのフル・ポテンシャルを発揮するはずがありません。

投資家の利益を重視する金融庁長官

偉い。前から、森長官はこの基本的問題を認識していいます。これは、年金のDCファンドの場合にも、全く同じ問題です。だが、その場合、数桁(例えば10桁)ほど違う額の運用がかかっています。

森長官:
「ある証券会社に『投資信託を買いたい』というお客様が来たとしましょう。TOPIX連動型のETF(上場型投資信託)は手数料が安い。しかし、証券会社は系列の投信会社が作った投資信託を売りたい。同じ商品設計ならば一般的にはETFの方が手数料が安いので、この二つを比較すれば、大抵のお客さんはETFを買いたがるでしょう。ところが、多くの証券会社は『二つの商品がありますが、どちらにしますか?』とは言いません。お客さんが『ETFを買いたい』と言い出さない限り、系列の投信会社の商品を勧めるでしょう」

http://diamond.jp/articles/-/89922

ニコラス ベネシュ

「市場から問われるコーポレート・ガバナンスの実効性」~パネルディスカッション~

(ビデオ)

株式会社インベスター・インパクトと一般社団法人日本IR協議会共催のコーポレート・ガバナンスに関するセミナーのパネルディスカッションです。

パネルディスカッション
パネリスト
ブラックロック・ジャパン運用部門
ヘッド オブ コーポレートガバナンス・チーム 江良 明嗣 氏
みさき投資株式会社 代表取締役社長 中神 康議 氏
一橋大学 大学院商学研究科教授 Ph.D. クリスティーナ・アメージャン 氏
モデレーター
IR協議会専務理事 佐藤 淑子 氏

パナマ文書と文書化義務

パナマ文書により、国際税務に関する関心が再度高まっています。

OECDでは、BEPS*対策として、行動計画を取りまとめています。そのうちの行動13は「多国籍企業情報の文書化」です。

*BEPS: Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転:多国籍企業が国際的な税制の隙間を利用して租税回避する問題

これを受けて、日本の平成28年度税制改正は、租税特別措置法の一部を改正し、移転価格税制に係る文書化を一定の多国籍企業グループに義務付けました。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/h28iten-kakaku.pdf

該当する企業は、マスターファイル、ローカルファイル、国別報告書などの文書が、適切に作成・提出・保管される体制を構築する必要があります。会社法もまた、企業集団の業務の適正が確保される体制を求めており、海外子会社も含めて整合的に移転価格を取り扱うことがさらに重要になるでしょう。また、税務当局による移転価格調査も容易・広範になり、課税額に関する争訟が将来増えることも考えられるところです。

以下では、田辺総合法律事務所が過去に取り扱った、移転価格税制に関する事例をご紹介します。