「最高裁判所(第一小法廷)は、平成28 年7 月1 日、公開買付け後に少数株主のキャッシュ・アウトのために行われた全部取得条項付種類株式の取得の価格決定につき、実務上大きな影響を与える決定(以下「本決定」といいます。)を下しました。
本件は、公開買付けに応じず、その後、全部取得条項付種類株式の取得によって強制的に株式を取得された少数株主が、公開買付価格と同額とされた当該株式の取得価格につき不満を示し、裁判所に対し、公正な取得価格の決定を申し立てた事案です(平成27 年5 月の改正会社法施行前において、普通株式を全部取得条項付種類株式に転換した上でこれを強制的に取得するという手法が、少数株主のキャッシュ・アウトのための手段として頻繁に使用されていました)。