日本企業のIR戦略と「コミュニケーション・リーダーシップ―考える技術・伝える技術」の関係

前回の投稿では、Japan Investing Summit 2012 で私がプレゼン資料 「個別日本企業のリーダーシップとガバナンスを評価する方法について」 の中で、多くの日本企業の戦略の決め方はコンセンサスを中心とするので、若干の曖昧さを残す傾向があって、企業の「使命」及び戦略がIR資料などで表現されると(特に英語へ直訳された場合)、どうしても曖昧で説得力が足りない、と説明しました。

野村証券の西山様:「社外取締役選任義務化見送りで、 13 年は独立性が引き続き焦点」 (2012年の議決権行使の数字と分析)

データ豊富な報告書です。主な結論(こちらの解釈):

平均賛成比率は上昇したが、一部企業の議案では厳しい結果も見られた

13 年も社外役員の独立性や役員報酬関連が関心を集める

国内・外国系を問わず、反対比率は意外に高い

約35%の個人投資家は何か議案に反対する

コミュニケーション拡充で投資家の声を活かす企業の増加が期待される

證券ー西山-議決権行使.-10-24-2012
http://bdti.mastertree.jp/f/dku9frvi

GMIRatingsのソニーのガバナンスについての低い評価

残念ながら、下記のGMIRatingsによるソニーのガバナンスについての分析に賛同する点が多いです。92歳の「ベテラン」は企業戦略担当役員?新しい取締役(特に社外取締役)はほとんどない?大半の取締役は2005-2010年の間にジョインした、、というのは、戦略の低迷が続いた間ではないか? Mr. Stringerが残って、会長になっている?(これは、伝統的な日本企業の習慣で、現代的なソニーの姿ではないはずとおもいましたが。)

JACD-「経営者後継のベストプラクティス」 報告書 : 大半に上場企業はサクセッションプランがないだけではなく、エマージェンシープランさえない

この度、BDTIが主催するセミナー『サクセッション・プラニング(後継者育成計画)によりリスクを管理し、組織をより活性化するためには』に関連して、以下の報告書は参考になると思って掲載いたします。このアンケット調査の結果の中、1)殆どの回答した日本上場企業はサクセッションプランはないだけではなく、2) エマージェンシープランさえない、というちょっとショッキングな結果もあります。

2006年以来、この状態がすこし改善されたと思われますが、まだまだ多くの企業ではスムーズに機能すると期待できるプランがなく、BCPの観点から大きいな問題でると認識しとります。

調査報道も乗っ取られる?

記者クラブ制度に安住する日本のマスメディアに、批判精神が欠けていることは、今更嘆いても仕方ないかもしれません。しかし健全なマスメディアの「調査報道」が乏しく、これに代わって内部告発に多くを頼る社会が、「不安な監視社会」で […]

日本企業がめざすべきコーポレート・ガバナンスについての意見書(日本取締役協会より)

「2012/05/21

独立取締役委員会
 

 日本取締役協会 独立取締役委員会(委員長 冨山和彦、副委員長 落合誠一)は、昨今、世間を騒がせた大王製紙やオリンパスの問題などを受け、日本の上場企業のコーポレート・ガバナンスの在り方について各方面から厳しい視線が投げ掛けられているなか、これまでの議論の集積も踏まえ、ここで改めて当協会としてのコーポレート・ガバナンス(特に経営に対するモニタリングの在り方)への考え方・意見を公表いたします。