会社役員育成機構(BDTI)では、コーポレートガバナンス・コードの提唱者であるニコラス・ベネシュを初め各分野の専門家が、取締役や監査役としての基本的な知識を身につけるための研修「国際ガバナンス塾」を定期的に開催しています […]
カテゴリー: ガバナンス
ゴーン氏の報酬過少記載は重要事項か
ゴーン氏と日産は有価証券報告書虚偽記載罪で起訴されている。金融商品取引法は、有価証券虚偽記載行為について、刑事責任の他に民事の賠償責任も規定する。日産は、遠からず、投資家から損害賠償を求める民事訴訟に直面するだろう。民事訴訟で予想される争点の1つに「重要性」がある。金融商品取引法は重要な事項の不実記載を虚偽記載として問題視し、軽微なものは等閑視する。
2019.04.18 BDTI “Director Boot Camp”
On April 18th, BDTI held its English Director Boot Camp , attended by a number of highly experienced participa […]
2019.03.20 会社役員育成機構(BDTI)の『国際ガバナンス塾』(一日役員研修プログラム)
会社役員育成機構(BDTI)では、コーポレートガバナンス・コードの提唱者であるニコラス・ベネシュを初め各分野の専門家が、取締役や監査役としての基本的な知識を身につけるための研修「国際ガバナンス塾」を定期的に開催しています。執行役・部長など役員を支える立場の方々にとっても、この知識は不可欠なものです。ケース・スタディを随所に組込んだ実践的な研修です。
2019.02.21 会社役員育成機構(BDTI)の『国際ガバナンス塾』(一日役員研修プログラム)
会社役員育成機構(BDTI)では、コーポレートガバナンス・コードの提唱者であるニコラス・ベネシュを初め各分野の専門家が、取締役や監査役としての基本的な知識を身につけるための研修「国際ガバナンス塾」を定期的に開催しています。執行役・部長など役員を支える立場の方々にとっても、この知識は不可欠なものです。ケース・スタディを随所に組込んだ実践的な研修です。
日本の機関投資家のESG投資は本物か?
下記のリストは確定拠出型年金基金の運用会社別運用資産残高のリストです。これらの運用会社の内、海外の資産運用会社の中には、設立以来9年間企業研修の提供とガバナンス・プラクティスの調査分析によって日本のコーポレート・ガバナンスの向上に貢献することをミッションとするBDTIをご支援くださるところがあり、感謝申し上げます。一方で、ご支援くださる日本の運用会社は一社もありません。私から見ると、話題のESG投資がこれらの運用会社にとっては単に運用資産集めのための方便の様に思えてなりません。これらの運用会社の人々は、研修や内部の議論無くして取締役会の実効性や資本効率について魔法の様に改善すると本当に考えているのでしょうか?IRの責任者と資本コストの重要性やESGへの配慮について1時間半程度の面談をするといったことを言っているのではありません。海外の機関投資家は企業との面談に加え、BDTIの活動支援のための寄付など本気の活動を続けています。
ガバナンス改善に不可欠である役員研修をエンゲージメントで提案する方法
独立取締役が期待される役割を果たすためには、役員研修が最も必要なものである。
2013年に政府自民党にコーポレートガバナンス・コードの導入を提唱した際、最も重要な課題の一つが役員と役員・役員候補者の研修の項目を含める事でした。日本企業の平均的な取締役会のメンバーになった経験がある人にとって研修の必要性は一目瞭然でしょう。なぜなら、日本では独立社外取締役の数が増えたとはいえ現状まだまだ取締役会の中で少数派であり、独立取締役が本来求められている役割を果たし、実効性のある取締役会とするためには、業務執行取締役と社外取締役がお互いの役割についての意見調整することが不可欠ですが、両者の議論がかみ合うための共通の土台となる役員としての基本的な知識やスキルが取締役に不足している場合が多いからです。(また、社外取締役の数が増えるに伴って、複数になった社外取締役間にも「役割・重点」などについて意見調整が必要になってきています。)
必要な知識や視点を共有していないと、最も重要な課題についての分析や議論さえもしないこともあります。例えば、個人的な経験から、技術畑出身でファイナンスが良く分からない人には、自社が2年以内に簡単に倒産する可能性があることを理解してもらうことは容易ではありません。残念ながら「ジェネラル・マネージャー」としてではなく、(頻繁にみられるケースですが)業務分野の縦割り構造の階段を上がってきた多くの日本人経営者は、ファイアンス、投資分析、戦略、株式市場、コーポレート・ガバナンスのベストプラクティスなどの「時代が要請する」レベルの知識を持ち合わせていません。豊富な「現場」経験と自分の組織のことは知っていても、殆どの人はMBA保持者ではなく、経営者や役員として持つべき基本的なスキルセットの多くが不足しています。彼らの知識は特定の分野に限られており、グローバル企業で期待されているレベルのものではありません。(上述は、英語が堪能だとか海外経験が豊富だという事を念頭に置いているわけではありません。これらを含めるとこの問題はさらに大きくなります。)
ICGN、独立委員会の設置、役員研修等への注力を要望
ICGN(国際コーポレートガバナンス・ネットワーク)は、11月27日に開催された金融庁の「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(第16回)に提出した意見書の中で、独立取締役、独立委員会の設置、役員研修、役員のスキル・マトリックスの活用、資本配分、情報開示、その他BDTIが2009年の創立以来その対応を訴求し続けている課題について、その重要性を説いています。
ケリー・ワリング同事務局長は、下記の様に述べています。
「 ICGN は、日本で独立取締役のための質の高い研修を導入することを推奨します。これにより特に経営陣の監視・監督と情報開示という取締役に求められる役割についての理解を深めることができます。これによりビジネス上の課題や一連のビジョン、ミッション、戦略に対する客観的な意思決定過程を確保する一助となるでしょう。また、資本の効率的活用、株式の持ち合い、CEOの選解任といった課題について独立取締役として時に経営陣と対等に対峙できるように「フィナンシャル・リテラシー」(財務・会計の基礎知識)の必要性も強調しています。」(BDTI抄訳)
第16回『スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議』
金融庁は、11月27日、第16回『スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議』を開催しました。主な検討課題として次の項目が挙げられました。
□ 両コードの改訂等への対応状況を踏まえた課題
✔ 資本コストを意識した経営
✔ 取締役会の機能発揮
✔ 政策保有株式
✔ スチュワードシップ活動の諸課題(企業年金を含む)等
□ その他の課題
✔ 監査に対する信頼性の確保
✔ 開示情報の充実(プリンシプルベースのガイダンスを含む)
✔ その他
ボードポータル活用状況から見えてくる日米企業の差
1990年代のワールドコム、エンロンにおける不正事件は、アメリカの企業に大きなマインドシフトをもたらした。 コーポレートガバナンスにおける米政府の新たな規制に加え企業株主からの要望という外部からのプレッシャーに応じる形で米企業は様々なコーポレートガバナンス強化のための取り組みを行ってきた。
その中でも大きな項目のひとつとして会議資料の管理がある。
取締役会、その他理事会や管理職が行う会議資料の取り扱いについて、どの企業も従来の紙やメールでの配布といった体制を改め、セキュリティ管理を 強化した。
企業の上層部が出席する会議は当然、企業の重要な機密事項が含まれており、そのような資料が何らかの理由で社外へ流出し情報漏洩となった際には、株主や顧客に多大な迷惑をかけることとなり、企業にとっても莫大な損失となるからだ。
その頃よりボードポータルと呼ばれる会議資料共有のためのソフトウェアがいくつかのプロバイダより開発され瞬く間に多くの企業で使われることとなった。ちょうどアップル社より初代iPadが発売されたタイミングでもあり、多くのエグゼクティブがボードポータルをタブレットで利用し始め、更に広く普及することとなった。
ボードポータルという言葉は、日本ではまだあまり馴染みがなくペーパーレス会議システムと呼んだ方がイメージし易いかもしれない。しかし、ボードポータルとペーパーレス会議システムとの大きな違いは、最先端のセキュリティ技術で守られたクラウド環境で会議資料を安全に共有し、参加メンバーによって資料のアクセス権を細かく設定でき、訂正や更新も簡単かつタイムリーに行えるだけではなく、議決、評決、そして電子署名のプロセスを自動化できる点である。