ESG Insights for Legal Departments III

This is the English transcript of the third episode of T&P video series, “ESG Insights for Legal Departments.” If you are interested in, please check the video in Japanese at:

https://www.tanabe-partners.com

Goi: The third episode on “ESG Insights for Legal Departments” delves into the critical notion of “materiality”. Frequently, terms like single materiality and double materiality are heard, but what exactly does “materiality” mean? Moreover, how do these terms—single and double—differ?

【新講座】財務諸表に不慣れな方のファイナンス講座

 

日本企業の取締役の主要スキル保有率は主要国に比べると総体的に低く、とりわけ「財務・会計」スキルの保有率は主要国との差が大きいとされています。そこで、BDTIは株式会社CFO Room代表取締役社長の清水 将浩氏と共に財務に不慣れな取締役・執行役員など向けに全6回のファイナンス研修を開催いたします。PBRを引き上げるようプレッシャーが増す中で、多くの企業や役員のご関心を予想しております。ご登録は早めに!

受講対象者の例

  • 弁護士、学者
  • 営業、人事、商品開発出身の方
  • エンジニア
  • 子会社から本社に異動した執行役員など

本コースの目的は次の五つであります。

  1. 財務三表が読めるようになること。財務三表を通じて対象企業の営む事業の特徴が立体的に理解できるようになること。
  2. 有価証券報告書が読めるようになること。過去の数値の転換点と異常値を探しだすことによって、事業のリスクと今後の経営戦略が理解できるようになること。

私が2013年に「ダイバーシティ」に取り組むガバナンス・コードを提案するに至るまで

私が日本でコーポレートガバナンス・コード(CGC)を最初に提唱してから、はや10年以上も経っています。今ではCGCに関する議論は広く行われていますし、ダイバーシティ(多様性)の考え方も社会に浸透しつつあるように思いますが、10年前は決してそうではありませんでした。CGCが導入されるまでには多くの人が関わっていたのですが、最近、ChatGPTなどのAIに聞くと、私の知っている事実とは異なる説明がなされるようです。しかし私も関わった導入に至るまでのプロセスは、コーポレートガバナンスについて考えている人のみならず、この国を、この社会をよい方向に変えていこうとする人にも参考になるものだと考えて、CGC導入の背景や意義、どのように「ダイバーシティ」が提案されたのかなど、私の知る「舞台裏」をご紹介したいと思います。

【メトリカル】CG Top20株価パフォーマンス(2023年11月)

11月の株式相場は米国長期金利の低下を受けて上昇した米国株式相場を好感して月半ばにかけて上昇し、その後も月末にかけて堅調な動きとなった。11月のCG Top20は株価は1ヶ月間ではTOPIXおよびJPX400の両株価指数に対してアンダーパフォーマンス。

予想を下回る米国経済指標が相次ぎ、米国利上げ終了観測が強まりました。これを受けて米金利が低下したことから、米国株式相場が上昇し、日本株式相場も上昇しました。月末にかけては円高を警戒する向きもありましたが、高値圏で推移しました。
11月のパフォーマンスは、TOPIXおよびJPX400の両株価指数がそれぞれ5.33%および6.15%下落した。CG Top20株価は4.20%の下落と両インデックスに対してアンダーパフォーマンス。

【メトリカル】独立取締役比率50%超の会社は収益性、株式評価が高い

独立取締比率が上昇しています。9月末Metricalユニバース1,781社のうち独立取締役が過半数を占める(独立取締役比率50%超)会社は280社まで増加してきました。独立取締役が過半数を占める会社の特徴を中心に検証してみたいと思います。

下チャートはMetricalユニバースにおける独立取締役が過半数を占める(独立取締役比率50%超)会社数の推移を示しています。Metricalユニバースは1,800社弱なので、独立取締役が過半数を占める(独立取締役比率50%超)会社はユニバースに占める割合は2023年9月末現在でようやく15.7%に上昇したところですから、過半の会社の取締役会で独立取締役が過半数を占めるにはまだ相当の時間がかかりそうです。しかし、少しずつその会社数は増加しています。

【特別版】ガバナンス・インサイト・ラウンドテーブル:「(生成)AIとコーポレート・ガバナンス」

 

今回はBDTIが開催する「ガバナンス・インサイト・ラウンドテーブル」の特別版です!

多くの企業で生成AI利活用が進んでいます。AIは企業活動に大きなメリットをもたらす反面で、リスクも指摘され、従業員を含めた組織体制に変革を迫ることが予測されています。これまでの技術革新とは桁違いの影響があり、利活用の遅れや拙速・安易な利活用は企業価値を大きく損ねます。経営陣は生成AI活用のリスク(個人情報管理、機密情報管理、AIによる誤情報提供、AI活用リテラシーの不足等)を管理し、生成AIがもたらすメリットを享受するための最適な組織体制を組み、この急激な技術革新に適切に対応する必要があります。取締役会は企業の方向性を舵取りし、機会とリスクへの経営陣の対応を監督し、最適な資本を再配分する立場にあります。そのためには生成AIを理解し、使用について機会とリスクを把握し、対応のための組織再編や企業横断的な機能が適切であるかを監視する必要があります。

【メトリカル】資本コストや株価を意識した経営戦略を開示は今でも少ない

東証が8月29日に開催された「第11回市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」の資料「「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する企業の対応状況とフォローアップ」を公表しました。本資料の概要を下記にお示し、論点を考えてみたいと思います。

「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する開⽰状況
 今般の「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請を踏まえた上場会社の開⽰状況について、コーポレート・ガバナンス報告書※の記載に基づき集計実施 (3月期決算企業のCG報告書が出揃った7月中旬時点で集計)
※ 今般の要請では、開示を⾏う書類の定めはないものの、開示を⾏っている旨やその閲覧⽅法について、CG報告書への記載を求めている
 今般の要請では、計画策定・開示の前提として十分な現状分析や検討が求められるため、開示時期に関して具体的な期限を定めていないものの、既に、プライム市場の31%(379社)、スタンダード市場の14%(120社)が開⽰済 (3月決算企業を対象に集計。3月期決算以外の企業では、プライム市場20社、スタンダード市場28社が開示)
 うち、具体的な取組み等は現在検討中(今後改めて公表)とする会社も一定数(開示した企業のうち、プライム市場では3分の1程度、スタンダード市場では3分の2程度)

BDTIガバナンス・インサイト・ラウンドテーブルを創生

 

2020年の時点で、就任して3年目以下の社外取締役で、かつ、その会社で初めての社外取締役を務める方(他社で社外取の経験がない方)は31%でした。今後も、新任社外取締役の増加が見込まれます。これを背景に、FSAMETIも日本の社外取締役の資質・能力向上について重要視しており、効果的な役員研修について検討・調査中であります。そしてこれらの方々はおそらく、他の方々の経験から学び、ネットワーキングの機会が欲しいでしょう。企業側では、「PBRの改善」、「人的資本経営」と「後継者企画・人材開発」「サスティナビリティ開示」などが投資家に求められており、社外取締役に求められる知識・責任はより一層高まっています。

そこでBDTIは過去の受講生や新規会員「候補」者を対象にコーポレート・ガバナンスに関連する話題をテーマに月に一回程度集まり、率直な意見交換や問題について発言しあう場を提供したいと思います。このBDTIガバナンス・インサイト・ラウンドテーブルに参加することで、参加者はコーポレート・ガバナンスに関するトピックを幅広く議論できるだけでなく、現役の社外取締役の方々の経験からお互いに学び、上質なネットワーキングの機会にもなるでしょう。

社外取教訓#11:委員会に必要なルール

ライブドア社で社外取締役に就任してすぐに、M&Aやファイナンスなど粒度の細かなことを統括する「(諮問)委員会」を取締役会に設置することを提案しました。取締役全員が細部まで監督する必要はないと考えたからです。 しかし、新任の社外取締役間で信頼関係が希薄だったこともあり、誰もがすべての委員会のメンバーになりたがり、それを拒むことはできませんでした。その結果、(皆が参加する)「委員会」は正式な「取締役会」ではないがために、委員会の重要な議論が正式な取締役会議事録に必ずしも反映されなくなってしまったのでした。提案したときにはそんなつもりはなかったのに。

2007年当時の私はまだまだ社外取締役として未熟でした。 取締役会の役割と義務を定めた「規則」を定め、記録保存のルールや手続きについて前もって合意しておかなければ、記録保存はほとんど行われないかもしれないと、そのとき気づいたのです。 あるいは、記録が残されていても、作成者が恣意的に選択した議題や内容が記録されるだけ、ということもありえます。問題を把握した時点では、過去の議論をちゃんと残すようにお願いするには遅すぎました。英語で言うところの”the cat was out of the bag”(取り返しがつかないことがもう起きてしまった )という表現がまさしく当てはまる状況です。私はこのことで、全員が同意する(つまり納得する)議事録を作る必要のない「任意」の委員会を作ることの弊害を学びました。

社外取教訓#10:取締役が梶をとること

ライブドアの場合、私が役員になる前から、最終的には会社を清算しなければならない可能性が高いことは明らかでした。 何年前からにポータルサイトの運営だけでなく、多くの企業を買収していましたが、それぞれのビジネスの間ではシナジーはなく、子会社に対する監視もほとんどありませんでした。まともな企業戦略もなく、事件によってブランドネームも失墜していました。むしろ、ライブドアの社名を冠していることで、ビジネスを獲得するという点で、事業や子会社の価値をある程度下げてしまっていました。

しかも、上場廃止されたため、株主は皆、売れない株を持ったままになっており、怒り心頭でした。同社が起訴された刑事事件では、有罪の可能性が高かったのです。 これにより、多くの個人や機関投資家の株主が、すでに原告が非常に簡単かつ低コストで訴えることができる証券取引法第21条の2に基づく民事上の損害賠償を、従来よりもさらに容易に行うことができるようになりそうでした。