ISSは相談役・顧問制度に反対する主旨のポリシー提案を検討中です。同時に、経済産業省は同制度についての調査を行います。この動きは、私は個人として何年も前から相談役・顧問などを問題として指摘してきたことが間接的な結果ですが、実はISSには最近全然これについて話し合っておりません。むしろ、色々なところから「過去の『先輩』だった相談役・顧問の詳細(報酬も含めて)について何の開示もないし、善管注意義務を負わないので悪影響を与える場合もある」という認識がだんだんと高まりました。
「相談役・顧問制度を規定する定款変更への対応」
改定の背景
日本企業では、社長・会長経験者などが、退任後も相談役や顧問などの役職に就き、何年も会社に残ることが珍しくありません。相談役や顧問のような役職を持つ人々には、多くの場合、報酬が支払われ役員時代同様のオフィスや諸手当をはじめとする待遇も用意されます。しかしながら、相談役や顧問は取締役でないかぎり、その活動や報酬が開示されることはほとんどなく、また株主に対する受託者責任を負うこともありません。責任を問われることがない相談役や顧問が時として大きな影響力を持つことの弊害は、東芝の粉飾決算事件をきっかけに、改めて注目を集めています。