メトリカル:どのような企業が買収防衛策を導入しているか(BDTIデータを利用したMetrical分析)

下表の通り、全東証一部上場企業の中で買収防衛策条項を採用していない会社は90%を超えています。Metricalのユニバース(東証一部上場会社を中心に上場会社全体よりも少し時価総額が大きい会社で構成されている)でも約90%の会社が買収防衛策条項を採用していません。

今や買収防衛策を保持していない会社が主流になっている中で、買収防衛策を採用している会社と採用していない会社のパフォーマンスとコーポレートガバナンス・プラクティスの状況を調べてみました。下表がそれらを示したものです。ご覧の通り、買収防衛策を採用していない会社のパフォーマンスが過去3年間平均のROE(actual)、ROA(actual)およびトービンのQにおいても優れていることがわかります。コーポレートガバナンス・プラクティスにおいては、独立取締役比率以外の女性取締役比率とMetricalスコアにおいて優れていることがわかりました。

3/10「機関設計の選択と社外取締役の役割 」~新設計選択の傾向と検討すべきポイント~

プライム市場への申請と合わせて機関設計の変更を計画する企業が増えています。上場企業には、監査役会設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社の3つの選択肢があるわけですが、それを変更する理由・背景にはどのようなものがあるのでしょうか。そして機関設計の変更には多かれ少なかれ社外取締役の役割の変更も付随するものですが、どの程度の変更を取り込むべきでしょうか。社外取締役議長や筆頭社外取締役制度の採用には、メリットが見えない、運用の方法が純粋にわからないという声も聞かれます。

本ウェビナーではまずBDTIの代表理事である大杉謙一から、複数の上場会社をヒアリングして得られた、機関設計選択の理由・背景、機関設計変更の事情などを一般化してご報告し、変更を計画する企業の皆様にヒントを提供してもらいます。また、経営者・社外取締役として豊富な経験を持つ藤田純孝氏から、実効的な取締役会・委員会の運営、社外取締役議長と執行部との連携、他の社外取締役との関係などをお話しいただきます。

パネルディスカッションでは、お二人の講師に加えてニコラス・ベネシュも参加し、CGCにより導入が広まったスキルマトリクス、欧米で広く取り入れられる筆頭社外取締役等、コーポレートガバナンスの様々なツールや、企業を取り巻く環境が求める取締役会のモデルや構成員について、多角的に議論を展開します。

“How We Saved Our Planet”, by Nicholas Benes

In this article and video published in Ethical Boardroom, I urge a much deeper discourse about #ESG and the structure of profit-seeking corporations – one that considers ways to install the right incentive drivers. As summarized in the video, in my article aliens from another planet (the Vilcans) visit Earth and advise us to think much harder about key questions that we are not fully grappling with – such as: 1) who is best able to assess ESG factors that affect sustainability? 2) does our system provide enough incentives for them to think 20 years ahead, but act now? Does it do that throughout the entire investment chain? 3) why does ownership need to be non-transparent much of the time? Is that healthy?  5) what are the implications of giving FULL limited liability to corporations? 6) does it make sense that those who bought no stock, bear a large part of externalized risk? etc. etc.

The article then describes exactly how the Vilcans reconfigured their equity markets to address these and a host of other issues that (in my view) current #ESG initiatives and debates are not effectively coping with.

メトリカル:11月の株式相場は下落。CG Top20株価はインデックスに対しアンダーパフォーマンス。

11月の株式相場は新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」への警戒感が強まり、月末にかけて大きく下落し、2ヶ月連続の下落。11月1ヶ月間のTopixとJPX400の両株価指数は-3.60%、-3.44%とそれぞれ下落した。CGレーティング・スコア上位のCGTop20株価は-4.56%と両インデックスに対して大きくアンダーパフォーマンス。

メトリカル:エクイティ発行とパフォーマンス、コーポレートガバナンス

Metricalではこれまでに「自己株式消却とパフォーマンス、コーポレートガバナンス」および「配当方針とパフォーマンス、コーポレートガバナンス」において、自己株式消却とパフォーマンスとコーポレートガバナンスそして配当方針とパフォーマンスとコーポレートガバナンスにおける関係についてそれぞれ検証してきました(詳細をお知りになられたい方はMetricalへご連絡ください)。今回のエクイティ発行に関する検証で三部作になります。意外にもそれぞれの切り口で興味深い分析結果が確認されました。

これまで前の2回の記事をまとめると、自己株式消却スコアはROA (actual)とTobin’s qと有意性のある正の相関が確認されていて、自己株式を3度以上消却した会社は主要パフォーマンス指標としてROE (actual)、ROA (actual)、Tobin’s qとの間に顕著に優れた数値を示しています。また、同様にコーポレートガバナンス・プラクティス(アクションを含む)の評価として、Metricalコーポレートガバナンス・スコア、独立取締役比率、エクイティ発行スコア、配当方針スコアにおいても、3度以上自己株式を消却した会社100社は、自己株式消却の頻度が低い会社よりも顕著に高い数値を示しているので、これらの会社はコーポレートガバナンスを改善する意識が強いことが確認されました。

下表の通り、2021年10月のMetricalユニバース1,716社では、エクイティ発行スコアが0(2000年以降1度もエクイティ発行を行いいていない)の会社は797社、エクイティ発行針スコアが-1(1度 だけ直接希薄化をもたらさないCB、WB、優先株などでエクイティ発行を行ったことがある)の会社は121社、エクイティ発行スコアが-2(1度増資もしくは2度直接希薄化をもたらさないCB、WB、優先株などでエクイティ発行を行ったことがある)の会社は557社、エクイティ発行スコアが-3(上記よりもエクイティ発行を行なったことがある)の会社は69社、エクイティ発行スコアが-4(上記よりもエクイティ発行を行なったことがある)の会社は118社、エクイティ発行スコアが-5以下(上記よりもエクイティ発行を行なったことがある)の会社は54社です。

下表で、エクイティ発行スコアが高い順に、主要パフォーマンス指標としてROE (actual)、ROA (actual)、Tobin’s qを示しています。また、同様にコーポレートガバナンス・プラクティス(アクションを含む)の評価として、Metricalコーポレートガバナンス・スコア、独立取締役比率、エクイティ消却スコア、配当方針スコア、現金保有スコアを示しています。

ウェビナー:「実効的対話の本質と形態」動画一部公開

2021年11月25日、『実効的対話の本質と形態』と題したウェビナーを開催いたしました。

投資家サイドと事業会社との間で行うエンゲージメントは重要であることは理解され、多くの時間とリソースが費やされています。しかし、ありきたりの質問、表面的な回答、時間がとられる割には充足感がなく、その後の対話段階に繋がる発展性、究極的な企業価値の向上に繋がる建設性が見えづらい。本ウェビナーでは、ひびき・パース・アドバイザーズの清水雄也氏、ラザード・アセット・マネージメントのスコット・アンダーソン氏をお迎えし、書面資料、CEOなどとの面談、その他の手法を使った対話方式をご紹介しました。投資家サイドの声が書面となっていれば、IR部門から取締役会への情報連携も容易となり、取締役会は当社を真剣に研究分析する投資家の声を参考にしながら、戦略議論を進めることができます。最後は建設的な対話の本質や形態についてパネルディスカッション方式で議論します。

(※社内コンプライアンスのためラザード・アセット・マネージメントの部分は公開されておりません。次回はぜひウェビナーに登録して生で視聴ください!)

お問い合わせ等ありましたら下記までお願いいたします。
Email: info@bdti.or.jp