BDTIガバナンス・インサイト・ラウンドテーブルを創生

 

2020年の時点で、就任して3年目以下の社外取締役で、かつ、その会社で初めての社外取締役を務める方(他社で社外取の経験がない方)は31%でした。今後も、新任社外取締役の増加が見込まれます。これを背景に、FSAMETIも日本の社外取締役の資質・能力向上について重要視しており、効果的な役員研修について検討・調査中であります。そしてこれらの方々はおそらく、他の方々の経験から学び、ネットワーキングの機会が欲しいでしょう。企業側では、「PBRの改善」、「人的資本経営」と「後継者企画・人材開発」「サスティナビリティ開示」などが投資家に求められており、社外取締役に求められる知識・責任はより一層高まっています。

そこでBDTIは過去の受講生や新規会員「候補」者を対象にコーポレート・ガバナンスに関連する話題をテーマに集まり、率直な意見交換や問題について発言しあう場を提供したいと思います。このBDTIガバナンス・インサイト・ラウンドテーブルに参加することで、参加者はコーポレート・ガバナンスに関するトピックを幅広く議論できるだけでなく、現役の社外取締役の方々の経験からお互いに学び、上質なネットワーキングの機会にもなるでしょう。

ガバナンス・ラウンドテーブル:「企業の不正リスクへの対応と取締役に期待される役割」

ガバナンスインサイトラウンドテーブル

BDTIが開催する「ガバナンス・インサイト・ラウンドテーブル」の第9回目のテーマは証券取引等監視委員会事務局の眞下利春氏をお招きし「企業の不正リスクへの対応と取締役に期待される役割」です。

企業にとって、不祥事や不正会計事案の発生は、社会的信用を損ない、場合によっては上場廃止や経営破綻につながるという意味で、非常に大きな影響があります。こうした不正リスクへの対応はコンプライアンス部署任せではなく、取締役が責任をもって取り組む必要があります。証券取引等監視委員会の第一線で活躍する講師が、近時の開示規制違反(有価証券報告書等の虚偽記載など)やインサイダー取引規制違反の事例を通じて、取締役に期待される役割について紹介します。 ぜひご参加ください。

ダイハツのような不正事件をを減らしたい、と思いませんか?ガバナンス向上をすすめながら節税ができます!!

ダイハツのような不正事件をを減らしたい、と思いませんか?PBRが1.0以下の上場会社のコーポレートガバナンスを向上してほしいと思いませんか?ガバナンス向上をすすめながら節税ができます!!

ーー> 公益社団法人会社役員育成機構は、【インタラクティブ、少人数制で、質の高い人材育成】【日本のコーポレートガバナンスの向上へと啓蒙活動】を行っています。昨年度は女性受講率50%、これまでに3500人程の優れた人材を輩出しました。

当法人は、「公益社団法人」の中でも、内閣府に「税額控除」を認められた団体です。ご寄付をいただきました個人様は寄付金の優遇税制対象となります。 「所得税控除」と「税額控除」から、選択が可能です。 「税額控除」を選択されますと、減税効果が高くなります。 今年も残すところあと10日。 年度末のこの時期、ぜひ寄付をご検討ください。 あなたから寄せられた寄付金は「日本経済の健全な発展のための人材育成」を支えることにつながります。明るい日本の未来への一歩に、ぜひ、ご協力ください。

社外取教訓#6:完全な独立性を確保

2006年春にライブドアが上場廃止になったとき、その株主構成が突然大きな問題になりました。 なぜか? ライブドアの株式の大半は、海外のヘッジファンドを中心とした複数のファンドが保有していました。いくつものファンドが、まさかこんなに早く上場廃止になるとは思ってもみなかったので、「未公開株」として売れなくなってしまい大層ご立腹でした。かたや国内の一般機関投資家や、いくつかの事業会社も保有してました。残りの部分は多数の個人投資家が保有しており、この会社が株式分割を何度も行っていたため株価が低く、買いやすく割安に見えたため、限りある貯金の大部分を使ってライブドアの株を購入した個人が多数含まれていました。

会社としてのブランドと社会的な「営業許可証」が事実上無価値になったことで、会社は大混乱に陥り、株式を売却する方法が突如として消えてしまい、皆が怒っていました。ヘッジファンドの中には、日本について何も知らないような、世界規模のファンドほどは評判の高くないものも混じっていました。 彼らは何度も会合を開き、会社を清算するかどうか、どのように、いつ清算するかについて合意しようとしましたが、資産の売却方法や、どのファンドが自社のパートナーをライブドアの取締役として任命するかといった詳細についてまったく合意できませんでした。彼らは大きな課題について投資先企業に対して要求することに慣れていましたが、ライブドアの場合にはうまく行きませんでした。それでもファンド間で合意できたのは、招聘されたCEOのパフォーマンスに不満があること、その理由は彼のM&Aの経験が少ないというものでした。

コーポレートガバナンス・コードの改訂に関するパブリックコメント (ニコラス・ベネシュ)

ニコラス ベネシュ(個人として)
平成30年4月27日

1. CGコードの改訂案全般につい
2. 原則2-6(企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮)について
3. 原則1-4(政策保有株式)について
4. 原則4-1③、原則4-3②及び原則4-3③(CEOの選解任)について
5. 補充原則4-10①(任意の仕組みの活用)について
6. 原則4-14(取締役・監査役のトレーニング)について
7. CG報告書における機械可読フォーマットの改訂について

1. CGコードの改訂案全般について

フォローアップ会議の今回の検証について、皆様のご努力に感謝します。しかし、今回の改訂の提言までには4年もの時間がかかっています。ご存じのように、ドイツではガバナンスコードの実効性を常に監視する委員会があって、必要に応じて毎年でも改訂すべき点が提案されています。我が国の製造業において培われてきた「良いものを作る」、「絶えず改善する」の精神に則り、少なくとも3年に1回は、必ずCGコードの運用改善に向けてレビューするプロセスが実施されるべきであり、予め今後のタイミングとプロセスを設定しておくべきと思料します。そうしなければ、いつの間にか官僚頼みになってしまいます。具体的には、CGコードの冒頭の部分(「コーポレートガバナンス・コードについて」)で、具体的な次期改訂スケジュールを明記することが望ましいと思料します。

日産最終報告書

日産の最終報告書についても、気になる点をまとめてみました。
https://www.nissan-global.com/PDF/20171117_report01.pdf

今回の問題を、取締役会が防ぐことができたのか、との視点でみると、客観的な経営数字の作り方、情報の流れがポイントであろうと思い、関係箇所を拾い出してつなげてみました。部署や工場が異なる記載部分をツギハギしていますから、あくまでイメージであり、実態はそこまで酷くないということもあることには注意したいと思います。

神戸製鋼事件を考える(続き4)

不祥事防止・発見に社外取締役は役立つのか、どう貢献できるか、大変難しい問題です。これを神戸製鋼最終報告書はどう考えているのか、記載から分かることを整理しておきたいと思います。

前提事実ですが、神戸製鋼は2016年に監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しました。2017年当時、全取締役は16名、うち5名が独立社外取締役でした。

不祥事防止のための取締役の関わり方

来たる3月20日に行われるセミナー「企業不祥事から学ぶガバナンス強化策」の講師である渡辺樹一先生は、Business Lawyersでご論稿を連載中です。その第2回では、対談形式のコラムを私も担当いたしました。

企業価値向上と毀損防止に向けて企業は何をすべきか
第2回 製造不祥事から学ぶ教訓、問題の本質と対応策の提言(後編)
https://business.bengo4.com/category1/article302

2018.03.20 会社役員育成機構(BDTI)セミナー『企業不祥事から学ぶガバナンス強化策』


コーポレートガバナンス・コード施行から3年目を迎え、いわゆる攻めのガバナンスとしての企業統治改革が進められつつある中、守りのガバナンスという側面では、大手メーカーによる製品データ改ざんなど、企業不祥事が依然として後を絶ちません。

企業価値を増大させながらビジネス(利益)もコンプライアンス(倫理)も同時に追求するというコンプライアンス経営が求められる中、企業価値の向上と毀損防止に向けて企業は何をすべきか、その答えは一体どこにあるのでしょうか。

本セミナーでは、企業法務を研究するGBL研究所の理事で、2014年1月~2017年12月に上場企業により公開された調査報告書を基にこれまでに145件の企業不祥事を分析した渡辺樹一氏をお迎えします。

神戸製鋼事件を考える(続き2)

神戸製鋼がこれからどのような訴訟を経験することになるのか、未だ分かりません。なので少し脇道にそれますが、ここでは一般的に、不祥事と訴訟の関係について、ある点を考えてみたいと思います。

訴訟はコーポレートガバナンスの重要なツールです、とシンガポール大学の教授から聞きました。最初驚いたのですが、改めて考えるとそれも当然だと納得しました。責任を問われない環境、自律だけが頼みの環境ではガバナンスにも限界があるという意味だと思います。証券訴訟提起を積極的に進めているGPIFは、この考え方を実践しているようです。
http://www.gpif.go.jp/public/activity/shouken_soshou_ichiran.html

GPIFの証券訴訟リストの中に、フォルクスワーゲン (VW) があります。窒素酸化物の排出量を誤魔化すようなソフトウェアを搭載していたというのが、VWの行った不正です。多くのカーオーナーがVWを相手取って提訴していますが、カーオーナーでもないGPIFがなぜ?と不思議に思う方もいるのではないでしょうか。