GPIF「「第3回 機関投資家のスチュワードシップ活動に関する上場企業向けアンケート集計結果」 の公表について」

GPIFが標記のアンケート結果を公表した。内容は以下のリンクから閲覧可能。

http://www.gpif.go.jp/operation/pdf/stewardship_questionnaire_03.pdf

前回まではNikkei JPX 400選定企業を対象としていたが、今回から東証1部上場2,052社に対してアンケートを実施している。その内容について所見を述べたい。

1.IRミーティングにおける中長期視点の議論増加

アンケート結果の概要では以下のように記述されている。

「IR ミーティングにおける機関投資家の議論の時間軸は、「経営戦略」に関しては、半数以上の企業が「中長期視点になってきている」と回答。前回アンケートとの比較では、資本効率などでショートターミズム化しているという回答が大きく減少。」

環境ビジネス:「投資家が評価する「人財」ポイント」

「従業員は「人財」と表現される等、企業活動の重要なステークホルダーとして捉えられつつも、配慮の視点は多岐に亘る。一方ビジネスパートナーにも従業員に準じた対応が求められるものの、改善の余地が大きい。本稿では従業員・ビジネスパートナーに対する投資家の視点を紹介する。」

https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/pdf/company/publicity/2018/180405_kuroda.pdf

環境ビジネス:「SDGs対応が投資家評価のカギに」

「ESG同様、最近主要メディアではSDGsという単語も目にすることが多くなった。日本語訳は「持続可能な開発目標」である。企業経営の一環として取り組むのであれば、自社の製品・サービスを通じた貢献が望まれる。本稿では企業による顧客・地域社会への配慮について投資家の視点を、SDGsへの対応も含めて紹介する。」

https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/pdf/company/publicity/2018/180110_kuroda.pdf?lipi=urn%3Ali%3Apage%3Ad_flagship3_profile_view_base%3BafB5OqdxQSCfcmNDUyGs4A%3D%3D

日本における「効率的なエンゲージメント」:サンプル・エンゲージメント・レター

仮に私が40社以上の日本企業株式に長期投資する機関投資家の議決権行使責任者を務めていたとしたら使用するであろうエンゲージメント・レター(日本語・英語)のサンプルを作成しました。その場合、保有銘柄が多いので年4回以上も直接面談するような時間はとれないので、効率的な対話方法を使わなければなりません。多くの機関投資家に共通する状況だと思います。

効率的エンゲージメントのためには、企業に対する提案を詳細な文書にして、できる限り迅速に提出する必要があると考えています。さもなければ、主要株主だったとしてもその提案内容が取締役会に正確且つ詳細に伝わることはありません。何しろ、詳細(又は全て)はIR部長で止まってしまう恐れがあるからです。また、内容によってはガバナンス・プラクティスとして日本ではまだ新しいものがあり、面談による口頭のコミュニケーションで完全に伝えるのはとても難しいという点もあります。