金融庁:「スチュワードシップ・コード及びガバナンス・コードのフォローアップ会議」の設置について

「1.趣旨

『日本再興戦略』改訂2015」(平成27年6月30日閣議決定)においては、「昨年2月に策定・公表された『スチュワードシップ・コード』及び本年6月に適用が開始された『コーポレートガバナンス・コード』が車の両輪となって、投資家側と会社側双方から企業の持続的な成長が促されるよう、積極的にその普及・定着を図る必要がある。」とされている。

 形だけでなく実効的にガバナンスを機能させるなど、コーポレートガバナンスの更なる充実は引き続き重要な課題であり、また、このような取組を、経済の好循環確立につなげていく必要がある。

 このため、スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードの普及・定着状況をフォローアップするとともに、上場企業全体のコーポレートガバナンスの更なる充実に向けて、必要な施策を議論・提言することを目的として、「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(以下、「会議」という。)を設置する。

証券アナリストジャーナル -コーポレートガバナンス・コード特集―

証券アナリストジャーナル8月号がコーポレートガバナンス・コード特集です。

(論文) コーポレートガバナンス・コードの概要      油布志行
     コーポレートガバナンス・コードへの期待と課題  小口俊朗
(座談会)コーポレートガバナンス・コードを機能させるために
       小澤大二/佐藤淑子/中原裕彦/西山賢吾/大崎貞和

山口利昭弁護士ブログ: 経産省の企業統治解釈指針は攻めるため?守るため?

東芝の不適切会計問題を受けてコーポレート・ガバナンス向上に対して期待する「攻め」と「守り」のバランスに対する世論の論調が微妙に変化している事への懸念を山口弁護士がコメントしています。

「経団連の夏季セミナーでは、メーカーの社長さんから(東芝事件を受けて)「これでは社内の数値目標を強調することがむずかしくなってしまう」との声が出たと報じられており(こちらのニュース)、企業の攻めの姿勢に東芝ショックがどれほどの影響を及ぼすのか、その波及が懸念されます。」

ZUU online:「コーポレートガバナンス報告書~コード適用後1か月の提出状況~」

「当該30社のうち、20社がすべての原則をComply(実施)するとし、残る10社が特定の原則についてComply(実施)しない理由をExplain(説明)している。それぞれの具体的な企業名は図表1のとおり。

10社がExplainした「実施しない原則」は延べ36件。そのうち29件は、「現在検討中」、「来年度実施」、「今後の検討課題」といった検討状況や実施時期の説明である。提出時点ではExplainとして記載はされているが、今後、Complyが予定ないし期待されるものであり、実質的にはComplyと同義であろう。

日本経済新聞:「首相、企業統治強化『日本の経営者マインドを変える』」

「安倍晋三首相は9日午前、都内で講演し、6月に適用が始まった企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)に関し「内向きな発想、事なかれ主義の消極的な経営はもう許さない。コーポレートガバナンスを強化することで、日本の経営者のマインドを変えていかなければならない」と強調した。「世界に目を向け、果敢に激しい国際競争の荒波に打って出る。そうしたマインドを日本に根付かせることが、私の成長戦略の基本哲学だ」とも述べた。」

セミナーレポート『そもそも何のためのコーポレートガバナンス・コード?』

7月2日、『そもそも何のためのコーポレートガバナンス・コード?グローバル化の渦中で実効性のあるボードと経営とは?~経験豊富な二人の女性専門家による診断と提案~』と題するセミナーを開催しました。

最初に首都大学東京社会科学研究科(大学院)の松田千恵子教授が、日本におけるコーポレート・ガバナンスのこれまでの流れと現状を金融機関アナリストや社外取締役の経験あるいは投資家との接点から得る情報を踏まえながら分かり易く解説し、スチュワードシップ・コードとCGコードの適応によりガバナンス環境はどのように変化していくのか示唆しました。

大和総研レポート~「今年」の株主総会のテーマはコーポレートガバナンス・コード?

大和総研主任研究員の横山淳氏が、『「今年」の株主総会のテーマはコーポレートガバナンス・コード?』と題して、各企業が今年はCGコード対応に注力しているが、それが一回限りの対応で事足れりとなることを懸念し、CGコード対応はむしろこれが起点となって始まったばかりとし、次のようにコメントしています。

「特に重要なのは、CGコードが「株主との対話」(第5章)を掲げていることと、CGコードとスチュワードシップ・コード(以下、Sコード)が「車の両輪」と位置づけられていることである。これを、筆者なりに整理すると次のようになる。

山口利昭弁護士ブログより~取締役会評価制度と「コーポレート・ガバナンスの基本方針」との関連性

山口弁護士が自身のブログで、ガバナンス改革の中で論じられる機会が増えた「執行と監督の分離」について、特に取締役会の役割は時代とともに変化し、その流れに沿ってコーポレートガバナンス・コードも各企業がそれぞれの状況に合わせて自社がどのような取締役会の在り方を標榜するのかをまず定め、そのうえで取締役会評価を行うように促している、と解説しています。
http://yamaguchi-law-office.way-nifty.com/weblog/2015/06/post-84a2.html