日経: 「海外投資家も総会出やすく 政府、成長戦略の柱に 」

「政府は海外の投資家も日本企業の株主総会に出席しやすい環境を整える。海外投資家が株を預けている信託銀行が名義上の株主でも、株主総会に出席できるようルールを作る。招集手続きの電子化を進め、決算短信や有価証券報告書など投資家に開示する情報の重複も減らす。日本企業の情報を把握しやすくなるようにして投資を促す。

今月末にまとめる成長戦略の柱として環境整備の方向性を示す。、、、」 (続く)

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO88336090R20C15A6NN1000/ 

これは全部、私を含めて多くの方が前々からお願いしていることで、とてもいいことです。一つだけ残念なのは、記事の最後に「総会の日程を後ろにずらすことも企業に要請する」と書いてありますが、実はコーポレートガバナンス・コードの内容ではそのように要請す機会でした。しかし、そこで実行しなかったのが残念です。(私はこの問題に対応するコード項目を金融庁などに提案しておりましたが、なぜか金融庁とTSEはそのチャンスを使わなかったことになりました。)

大和総研:「コンサルティングインサイト 企業経営 『取締役会評価のポイント』」

「今回のコーポレートガバナンス・コードの導入を契機に、日本においても欧米同様に取締役会評価が実務として定着すると考えられる。基本的な取締役会の評価プロセスは自己レビュー等を中心に上場会社自身で行う事が求められるが、ベンチマーク分析など、外部の専門家の力を借りた方が効率的な部分もある。社内だけでは課題等が見えないケースもあり、取締役会の実効性向上のために第三者の専門家による客観的な視点等を取り入れることも一案である。」

全文:
http://www.dir.co.jp/consulting/insight/management/20150318_009562.html

カンファレンス・レポート RI Asia 2015

今年度のRI Asia カンファレンスは、4月21、22日の二日間、日本の東京証券取引所で開催されました。

カンファレンスには、多くの来場者が訪れ、活発な情報・意見交換が行われました。日本は依然として世界第三位の経済大国であり、英国に続いて2014年に英国スチュワードシップ・コードをベースとした日本版スチュワードシップ・コードを導入しました。さらに、新たなコーポレート・ガバナンス・コードが、今年の株主総会の時期に合わせ、東京証券取引所の監督のもとに、例外的なスピードで策定されました。安倍内閣のアベノミクスにおける第三の矢「日本再興戦略」では、投資家と企業との関係向上に焦点を当てた企業の経営効率性の向上を掲げています。

ロイター:「トヨタ株主総会、種類株の発行を可決 約75%が賛成」

「トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)は16日開催した定時株主総会で、「AA型種類株式」と呼ばれる新型の種類株式を発行できるようにするための定款を変更する議案について、約75%(速報値)の賛成を得て可決した。
 種類株の発行で自動運転技術など中長期的な研究開発資金を調達し、長期に保有する安定的な株主の拡大をめざす。
 

兼任取締役・監査役の状況

最近のデータを分析しタ結果、上場企業の兼任取締役・監査役の状況は以下の通りです。過去の数字を分析したことがありませんが、年々兼任する役員の数が上がっていると言われます。私見ですが、4社以上で社外取締役に務めている人は、他の日々の仕事がなくても、その一社でも有事になった場合には社外取締役としての責任を果たすことがとても難しいと思います。

兼任取締役・監査役 (2015年5月)

対象上場企業数
    3,464社

(A) 取締役・監査役の総数 (席)
 38,134人

(B) 兼任取締役・監査役の数(席)(2社以上)
  5,399人

(C) 社外取締役・監査役の数(席)
  12,447

(D)   (B / A)
     14.2%

(E)   (B/ C)  (殆どの兼任役員は社外者である。)
     43.4%

(F)  兼任役員の平均役員席
  2.46席

(G)    兼任取締役・監査役の数(4社以上)
    570席
  (146人)

(H)   (G / C) (殆どの兼任役員は社外者である。)
      4.6%

(I) 兼任取締役・監査役の数(人)(6社以上)

      97席
  (16人)