日本政策投資銀行『有価証券報告書における定性情報の分析と活用―リスクの多様化にともなう望ましい対話のあり方―』

「リスク情報と企業価値の関連性が強まる一方で、リスクの多様化によってステークホルダーとのコミュニケーションを図るための開示のあり方がいっそう難しくなってきている。[…]つまり「事業等のリスク」の信頼性をあげるために具体的、数字的な裏づけを求め過ぎることは、社会的なリスクを含めリスクが多様化していることから難しい場面が増加する。さらには個別リスクの対応に追われ、本当に重要なリスクの開示をためらうことで、かえって投資家に重要なリスクが伝わらず、企業のレジリエンスが十分に把握できなくなる危険性をはらんでいる。」

http://www.dbj.jp/ricf/pdf/research/DBJ_EconomicsToday_37_01.pdf

日本総研:『 実効的な取締役等選任をサポートする日本版スキル&インテリジェンスマトリックスの必要性』

https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/jrireview/pdf/8885.pdf

「コーポレートガバナンス・コードは株主を含むステークホルダーに対する配慮を企業に求めており、 「日本版スキル&インテリジェンスマトリックス」において社会全体についての見識・洞察である 「インテリジェンス」を取締役等選任基準に含める必要がある。すでに一部の日本企業ではマトリッ クスという形式を採用していないものの、取締役等に求める経験・素養の一部を公表している場合が ある。今後は、多くの企業が「日本版スキル&インテリジェンスマトリックス」として包括的な選任 基準およびその説明を公表することにより、株主だけでなく、他のステークホルダーに対しても透明 性を確保することが望まれる。」

 

経済産業省は「持続的な価値創造」に向けた投資を推進

経済産業省は2-3月の「持続的な価値創造に向けた投資のあり方検討会」3回の会議の議事要旨を4月に公表した。検討会の目的は企業と投資家が以下の2点について共通の基礎に立つことだった。

  1. 企業が、持続的価値創造に向けて、様々な資本を有効に活用し、未来に向けた投資判断を行なうための方策は何か
  2. 投資家が、長期的な企業価値を判断する視点や評価軸、及びそのために必要となる情報や対話のあり方はどのようなものか

この2点はいずれも日本版スチュワードシップコード及びコーポレートガバナンス・コードに由来し、投資家の受託者責任に必要な建設的な対話のための制度的な枠組みとしている。今後の課題は、これらの枠組みが要請する内容について、企業や投資家が形式的な対応のみに終始するのではなく、それぞれの通長期的な戦略や投資計画、経営判断等に組み込みながら実施されていくことである。

日本総研:「『金融安定と気候変動に関する調査研究』報告書」

https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=28393

【概要】

2014年10月、ケンブリッジ大学と国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)より、「銀行規制改革における安定性と持続可能性の視点 環境リスクはバーゼルⅢで見落とされているのか?」と題した報告書(注1)が発表されて以来、金融システムと持続可能性に関する注目が高まっている。

企業における女性登用-法的責任、コーポレートガバナンス、ESG投資の観点から-

このようなタイトルで、Business Law Journal 2016年5月号に寄稿しました。以下はその冒頭部分です。

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)が、2015年8月に成立し、2016年4月から施行される。これにより、従業員301名以上の企業は、女性登用に関する数値目標を含む行動計画を立て、届出、周知、公表することが義務付けられた。各社は急ぎ計画を立て、届出等の対応を済ませたところではないだろうか。一息ついたところで、本稿では、以下の点について整理してみたい。

QUICK ESG : 「【アメリカ】モーニングスター、グローバル20,000ファンドのESG格付けを開始」

QUICKESG

「米投資情報大手のモーニングスターは3月1日、業界で初となるESG(環境・社会・ガバナンス)に基づいてファンドを評価する「モーニングスター・ファンド・サステナビリティ格付けTM」のサービスを開始した。これにより、投資家は投資信託やETFが抱えるESGリスクと機会を評価できるようになる。

QUICK ESG :「ハーバード大学Eccles教授、信託銀行に気候変動への対応を求める 」

ハーバード

「ハーバード・ビジネス・スクールの教授でESGクオンツ・ファンドのArabesque Partners会長を務め、SASB(米国サステナビリティ会計基準)およびIIRC(国際統合報告評議会)の創業者の一人でもあるサステナビリティ分野の学術研究における世界的権威、Bob Eccles氏は2月17日、MITスローン・マネジメント・レビュー上で気候変動の取り組みにおいて信託銀行が主要プレイヤーとなることを求める論文、”The Climate Custodians“を発表した。

時事通信記事:「東電元会長ら3人強制起訴=福島原発「津波予想できた」-検察審議決受け指定弁護士」

fukushima

「東京電力福島第1原発事故をめぐる検察審査会の起訴議決を受け、津波を予想できたのに対策を怠ったとして、検察官役の指定弁護士は29日、勝俣恒久元会長(75)ら東電旧経営陣3人を業務上過失致死傷罪で東京地裁に強制起訴した。2011年の事故発生から5年を経て、原発事故の刑事責任が初めて法廷で争われる。

経済産業省「持続的な価値創造に向けた投資のあり方検討会」

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「持続的な企業価値を生み出すための企業経営・投資のあり方やそれを評価する方法の検討に当たっては、狭義のESG(環境、社会、ガバナンス)だけでなく、人的資本、知的資本、製造資本(例えば、IIRC(国際統合報告フレームワーク)における6 つの資本の考え方等)等も視野に入れた総合的な検討が求められます。

「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」 (第6回)議事次第

金融庁

第1回から第5回まではコーポレートガバナンス・コードのフォローアップが主題でしたが、ようやく第6回からスチュワードシップ・コードのフォローアップが始まりました。スチュワードシップ・コード受け入れ機関の取り組み状況やGPIFの水野CIOによる同機関の取り組み概要が公表されました。

http://www.fsa.go.jp/singi/follow-up/siryou/20160218.html