GPIF:「機関投資家のスチュワードシップ活動に関する上場企業向けアンケート集計結果の公表」

GPIF

「・・・・・アンケート結果の概要

■機関投資家のスチュワードシップ活動に対する意見・要望
○回答企業の約6割が日本版スチュワードシップ・コード導入後の機関投資家の変化を認め、経営戦略、ESGに関する質問が増えたことを肯定的に捉えている。
○一方で、好ましくない変化として、実績作りのための形式的・画一的な質問が増えたことや経営者との面談を強要するケースが増えたことなどを挙げた企業も多い。
○企業を取り巻く環境などを無視した一方的な提案もある。
○機関投資家の変化として、好ましい変化、好ましくない変化ともに資本政策・資本効率に関する質問が増えたことを挙げた企業が多く、評価が分かれた。
○企業側は、資本政策や資本効率に関しては、投資家ならではの示唆を期待している。
○投資家の短期志向(ショート・ターミズム)に対する懸念から、中長期的な視点に立った対話や投資を求める声が目立つ。

日経ビジネス:「磯山友幸の『政策ウラ読み』日本企業に必要なのは『年金ガバナンス』」

「安倍晋三内閣は成長戦略の柱として、日本企業のコーポレートガバナンス(企業統治)強化を掲げている。企業に「稼ぐ力」を取り戻させることで、経済成長を促そうという考えだ。2014年以降、企業のあるべき姿を示す「コーポレートガバナンス・コード」と、株主である機関投資家の行動指針である「スチュワードシップ・コード」を相次いで導入、これを「車の両輪」として規律を働かせる意向だ。
一方で、東芝の巨額会計不正などガバナンスのあり方が問われる問題も発覚している。ACCJ(在日米国商工会議所)で成長戦略タスクフォース委員長を務め、自民党に両コードの導入などを働きかけてきたニコラス・ベネシュ・会社役員育成機構(BDTI)代表理事は、年金基金などにガバナンスをきかせることが重要だと語る。 ・・・・」

RIETI:「従業員のメンタルヘルスと労働時間-従業員パネルデータを用いた検証-

rieti

「2000年以降、日本では精神疾患を患う人が増加傾向にあると言われており、昨今では、メンタルヘルスの不調は個人の問題だけでなく、経済的・社会的損失をもたらす問題として社会的に注目されるようになってきた。たとえば、厚生労働省の試算によれば、自殺やうつ病による経済的・社会的損失は2009年度だけで約2.7兆円に上ることが示されている。精神疾患の発症原因については、仕事や職場、とりわけ日本では労働時間の長さにあると指摘されることも少なくないが、メンタルヘルスと労働時間との関係を検証した国内外の研究は、疫学あるいは社会科学の分野のいずれにおいてもそれほど蓄積されていない。そこで、本稿では、労働時間との関係に注目しながら、同一個人を追跡調査した従業員の個票データを活用して、メンタルヘルスを毀損させる要因の特定化を試みる。

QUICK ESG :「【コーポレート・ガバナンス】新様式開始9ヶ月で提出企業1937社、フルコンプライ企業の割合は減少し10.4%」

CG

「・・・改正東証上場規程に基づきガバナンス報告書を提出した東証1部、2部の上場会社は、2015年6月1日の新様式開始後9ヶ月で1937社になった(下記リストは2015年12月25日から2016年2月29日の317社発表分)。

提出企業でフルコンプライしている企業は201社(10.4%)。一方で、エクスプレインしている企業数は1728社(89.4%)だった。(なお、エクスプレインせず、フルコンプライを表明していない企業も4社(0.2%)存在している)

ICGJ:「監査等委員会設置会社の脆弱性 ~コーポレートガバナンス・コードの形骸化につながるおそれ~安田 正敏 」

ICGJ

「 監査等委員会設置会社が、本来の目的である執行と監督の分離により業務執行の効率化を図りながら守りのガバナンスもしっかりと機能させるためには、常勤の監査等委員取締役を置くことと実効的な内部監査部門を持つことが必須です。この条件が整っていない状態で監査等委員会設置会社に社外監査役を監査等委員取締役に横滑りさせる形で移行することはまさにコーポレートガバナンス・コードの形骸化を招くことになります。

米国の資産運用会社であるRBMキャピタルが、5%以上の株式を保有する株式会社オプトホールディングの監査役移行の計画に反対を表明しました。具体的には株主総会で当移行のための定款変更の議案に反対票を投じることを表明すると同時に他の株主に対しても反対するよう呼び掛けています。監査等委員会移行に反対する理由について以下のように述べています。

金融庁:『「会計監査の在り方に関する懇談会」提言の公表について』

金融庁

「会計監査の在り方に関する懇談会」(座長 脇田良一 名古屋経済大学大学院教授 明治学院大学名誉教授)においては、平成27年10月より、計4回にわたり、会計監査の信頼性を確保するために必要な取組みについて、幅広く議論を行ってきました。本提言は、会計監査の信頼性確保のための取組みについての議論を取りまとめ、公表するものです。
・・・・・・・

はじめに

資本市場の信頼性を確保し、成長資金が供給されるようにしていくためには、企業が財務情報を適正に開示することが必要である。また、企業が経営戦略を策定し、持続的な成長・中長期的な企業価値の向上を目指すうえでも、自らの財務状況を的確に把握し、株主・投資家等と共有することが不可欠である。

大和総研:「上場企業の『第2回トップマネジメント意識調査』結果を発表」

「~コーポレートガバナンス・コードに対する企業の意識の高さが明らかに~
68%の企業が、投資家との建設的な対話に向けた新たな取組みや検討を開始し、
72%の企業で、社外取締役の選任・活用によりコーポレートガバナンスに変化

【調査結果に対する考察】

1.今後10年間の日本経済の強みに関しては、前回調査に続き「技術開発力」「製品・サービスの品質」「日本のブランド力」が上位回答であった。
技術、品質を含めて総合的に日本が信頼されている証しである「ブランド力」こそ日本の強みという考えが企業経営に根付いていることがわかる。しかし、テレビ等の家電製品やIT機器がそうであったように技術力や日本ブランドへの過信は禁物であり、それらを強み・成長エンジンとして活かす「戦略」の視点がより一層企業経営者には求められよう。

デロイト トーマツ:「取締役会実態調査アンケート結果を公表」

最も足りない情報は「最高経営責任者等の後継者の計画の進捗状況」(38%)

本調査はJPX日経インデックス400銘柄企業(平成27年8月31日時点)及び有限責任監査法人トーマツで選定した企業の計509社を対象とし、2015年12月1日~12月25日に169社から回答を得た。

福武公認会計士事務所: 「監査法人にも統治指針、馴れ合い防止へ」

「本日の日経によりますと、企業の監査チーム全員を一定期間ごとの交代や、監査法人内に社外有識者で構成される組織を置いて、経営や監査体制を監視させることで、監査法人と企業の馴れ合いを防止するような監査法人のガバナンス・コードが検討されているようです。なお、欧州で導入されている監査法人自体のローテーションは見送られたようです。

まぁ、監査法人全体で1社を全力で見ていきましょうっていうことですね。監査チーム全体を変えるということですから、当然会社と監査法人を折衝する主査も変わるということですので、会社側にとっては今までの監査では合意事項であったことが違う担当者になったことで、急に手のひらを返したかのように再調査を依頼したり、自社の業態や重要な契約事項等を含め、再度説明を求められたりといったことは増加しますね。