「取締役・監査役を「トレーニング」するという表現は、奇妙であり、かねてから違和感があります」 (??)

2021.07.13 Diamond Online「ガバナンス・コード」改訂で問い直すべき企業経営の原点のインタービュで橋本勝則氏が【取締役を「トレーニングする」ことへの違和感】と述べている。どうして「違和感」があるのか、理解できません。

橋本勝則氏:「一例をあげると、CGコードの第4章「取締役等の責務」の「原則4-14」にある、取締役・監査役を「トレーニング」するという表現は、奇妙であり、かねてから違和感があります。好意的に読めば、業界や企業独自の状況にうとい社外取締役に、十分な情報提供と説明をせよ、ということなのでしょうが、それをトレーニングとすると、緊張感が薄れ、独立性に影響するおそれもあります。監督してもらう側の企業が取締役をトレーニングするという表現は、本来あるべき実態にそぐわないものです。」 (https://diamond.jp/articles/-/276480?page=2

トレーニングとは必要なコーポレートガバナンス、会社法、金商法、ファイナンスなどの知識を補給することが含まれてあり、トレーニングをセミナー等と理解する会社も多いが、社外取締役のトレーニングとして事業所視察を実施している事例もあり、自社の事業内容を理解することも重要です。通常、これだけではCGCは「オリエンテーション」と言われています。社外取締役に対して、就任時に事業、財務、組織等の基本的な情報を提供し、その後、経営判断に必要な情報を随時提供することは当たり前のことであり、独立性に影響するおそれはないはずです。しかし、それだけではCGCが勧めている「トレーニング」を満たしたことにはなりません。CGCに書いてあるのは、「新任者をはじめとする取締役・監査役は、上場会社の重要な統治機関の一翼を担う者として期待される役割・責務を適切に果たすため、その役割・責務に係る理解を深めるとともに、必要な知識の習得や適切な更新等の研鑽に努めるべきである。」

又、仮に「トレーニング」の意味を「業界や企業独自の状況について説明する」に限ってとらえても、監督してもらう側の企業の経営者はとのようなトレーニング提供者が最もふさわしいかは明快であり、なぜ「本来あるべき実態にそぐわない」と橋本氏はおっしゃっているのでしょうか。経営者ではなければ、誰がこの役割により適していますか?

確かに経営経験のない社外取締役が多くなるにつれ、企業経営やコンプライアンス、コーポレートガバナンスのトレーニングはますます重要になってくるとおもいます。しかし、投資家が求めるコーポレートガバナンスのプラクティスやファイナンス、法律についての知識を十分に持っていない経営者も多い、というのは日本の実情。また、そのようなトレーニングは組織中に多数のメリットがあります。(役員研修不要論」の誤解を紐解いてみましょう をご参照ください。)  今回の改訂では、取締役の知識、経験、能力を一覧化したスキルマトリックスを作成することになっていますが、ここに役員研修を受けたか否かも(また、その実績の概要も)含めるべき、と予てから言ってきました。

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