今回の改訂のポイントは、政策保有株式を過度に保有する企業の経営トップに反対するとしている点です。具体的には純資産の20%を超える政策保有株式を保有する企業の経営トップの取締役選任議案に反対推奨するというものです。
政策保有株式保有基準(2022 年 2 月導入予定)
資本の非効率的な配分や資本の空洞化など株式持ち合いに起因する問題は、日本のコーポレートガバナンス上最も大きな問題だと言われている。日本では事業上の関係維持のため、顧客、調達先、借入先などの他の企業の株式を純投資以外の目的で保有する慣習が広く見られる。株式持ち合いのために投入された資本は本業の設備投資、事業買収、配当や自社株式取得などに充当することができず、株式を持ち合う行為は株主の長期的な利益に反する懸念がある。さらに常に会社提案議案に賛成する一方で株主提案には反対するように議決権が行使されるため、市場による規律の低下が懸念される。また、政策保有株式の保有は資本生産性の低下を招くことがある。資本生産性の低が、数十年にわたる日本の株式投資の収益性の低さに影響しているとも指摘される。