ISS: 2021年版日本向け議決権行使助言基準を公表

ISSは、「2021年版 日本向け議決権行使助言基準」(2021年2月1日施行)を公表しました。

今回の改訂のポイントは、政策保有株式を過度に保有する企業の経営トップに反対するとしている点です。具体的には純資産の20%を超える政策保有株式を保有する企業の経営トップの取締役選任議案に反対推奨するというものです。

政策保有株式保有基準(2022 年 2 月導入予定)
資本の非効率的な配分や資本の空洞化など株式持ち合いに起因する問題は、日本のコーポレートガバナンス上最も大きな問題だと言われている。日本では事業上の関係維持のため、顧客、調達先、借入先などの他の企業の株式を純投資以外の目的で保有する慣習が広く見られる。株式持ち合いのために投入された資本は本業の設備投資、事業買収、配当や自社株式取得などに充当することができず、株式を持ち合う行為は株主の長期的な利益に反する懸念がある。さらに常に会社提案議案に賛成する一方で株主提案には反対するように議決権が行使されるため、市場による規律の低下が懸念される。また、政策保有株式の保有は資本生産性の低下を招くことがある。資本生産性の低が、数十年にわたる日本の株式投資の収益性の低さに影響しているとも指摘される。

そのため、いわゆる政策保有株式の過度な保有が認められる企業(政策保有株式の保有額が純資産の 20%以上の場合)は、経営トップである取締役に対して反対を推奨する基準を 2022 年 2 月から導入する。具体的には、「保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式」の貸借対照表計上額が純資産21の 20%以上の場合、経営トップである取締役に反対を推奨する。いわゆる政策保有株式の情報が掲載される有価証券報告書は通常、定時株主総会後に提出されるため、判断に利用する 情報は 1 年前のものである。例えば 2022 年6 月に開催される定時株主総会を分析する際には、2021 年 6 月に提出された有価証券報告書の政策保有株式の情報を利用する。なお、ISS が日本企業 1500 社を無作為に抽出し有価証券報告書を調査したところ、政策保有株式の保有額が純資産の 20%以上の企業は母集団の 7%であり、これら の企業が反対推奨の対象となる事が考えられる。

2021年版 日本向け議決権行使助言基準はこちらから。

 

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