日本最大級のビジネスプロフェッショナルグループ・デロイト トーマツ グループがこのほど、日本企業における役員報酬の水準、役員報酬制度の導入およびコーポレートガバナンスへの対応状況に関する実態調査を実施したので、その結果の一部を紹介します。
「 社長報酬総額は売上高1兆円以上企業の中央値で9,946万円(前年比+0.9%)、株式関連報酬採用企業は60.2%(同+15.3ポイント)、報酬委員会設置企業は49.0%(同+9ポイント)に。
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日本最大級のビジネスプロフェッショナルグループ・デロイト トーマツ グループがこのほど、日本企業における役員報酬の水準、役員報酬制度の導入およびコーポレートガバナンスへの対応状況に関する実態調査を実施したので、その結果の一部を紹介します。
「 社長報酬総額は売上高1兆円以上企業の中央値で9,946万円(前年比+0.9%)、株式関連報酬採用企業は60.2%(同+15.3ポイント)、報酬委員会設置企業は49.0%(同+9ポイント)に。
2019年12月11日に日本証券アナリスト協会にて弊機構代表理事のニコラス・ベネシュが表題の講演を行いました。以下に講演要旨を掲載致します。
当日の資料(全文)はこちら:「コーポレート・ガバナンスと企業パフォーマンス」 (以下の画像は一部のみです。)
目次
今日話す2つの主なテーマは、1つ目はコーポレートガバナンスと企業パフォーマンスの関係、2つ目に、社外取締役としての証券アナリストの可能性である。
サマリーとして、ガバナンス改善の効果はあり、これからも期待できるとしているが(資料3頁)、道半ばである。機関投資家は意思表示しているが、エンゲージメントにおいて、まだまだ具体的な期待値・要望を書面で詳しく書いてない。しかしながら、少しずつ向上しているので、政策保有株の壁の崩壊もいずれ3~4年以内に起きると思える。役員研修や近代的な人事制度・慣行の方針や政策については、各社がレベルアップする必要がある。超過パフォーマンスと相関関係のありそうな有意な要因は徐々に見えてきた。例えば、当法人の今までの分析では、独立社外取締役が50%以上であることや、人事諮問委員会の存在、大株主の存在などはその有意な要因であると示されている。また、会社が約30年以下で若くなればなるほど、平均値のパフォーマンスが上がることが見つかっている。皆、そうではないかと思っていたと思うが、政策保有株が少ないほど、だいたいパフォーマンスが良いことを後述する。今日の1つのメインテーマ、因果関係がどの方向へ行っているかについて話をする。
その前に、会社役員育成機構(BDTI)について紹介する(資料5頁)。日本証券アナリスト協会と同様に、内閣府の立ち合い調査を受けている公益法人だ。ちょうど10年前に設立し、1年半後に公益認定を受けた。受けた1つの目的は、単純に日本政府に、歴史上初めて、取締役の研修をすることが社会にとって良いことであることを正式に認めてもらいたかったからである。それまで日本政府は、金融庁も経済産業省もどこも、役員研修は良いことだと間接的にも促したことは一度もなかった。周知のとおり公益認定を受けるプロセスは大変であり、数回この申請を取り下げた方がいいかもしれないと言われたが、あえて我々は取り下げず、理解ある官僚のおかげで最終的に認定を受けた。
2019年11月18日にBDTI主催のESGセミナーを開催しました。 本セミナーでは、今年春にESGに関する情報開示の標準化の流れについての調査研究報告書をまとめられたニッセイ アセット マネジメントのチーフ・アナリスト林寿和氏をお招きして、ESG情報開示を取巻く現状をデータ策定団体、企業、機関投資家、アセットオーナーを俯瞰しながら解説していただき、 続いて英国でESGを研究されていたご経験があり、この度『ビジネスパーソンのためのESGの教科書 英国の戦略に学べ』を上梓された日本総合研究所スペシャリストの黒田一賢氏に、ESG投資の普及を後押しする制度変更が行われた英国等海外の実情、又、内外企業の具体的な事例を用いて優れた情報開示に求められるものをご紹介いただきました。
BDTIの代表理事ニコラス・ベネシュがパネルディスカッションでプレゼンした資料はこちら:「2019.11.18 ESG開示の最新情」。この資料をつかって(1)なぜ投資家の多くはESG開示情報に不満を持っているか、(2)財務状況および長期的のパフォーマンスに影響を与える要因を重視するSASBのESG開示基準の紹介、また、(3)TruValue Labsのビッグデータを活用するESG各付けなどを紹介しました。
日本の上場企業は3つの形態の取締役会の組織形態 (機関設計)によって運営されています。その3つの組織形態とは、監査役設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社です。この中で、現時点で指名委員会等設置会社の形態がが最終系と認識されています。しかしながら、下記の円グラフを参照いただく通り、数少ない会社しかこの指名委員会等設置会社の形態を採用していません。下記の円グラフの数値はメトリカルの調査対象となる1,754社の内訳なので、前上場企業の数よりも少ないのですが、実際には指名委員会等設置会社の形態を採用している企業数は前上場企業に広げたとしてもそれほど変わりません。
12月の相場も薄商いの中、前月に引き続き堅調で、主要株価指数、CGTop20株価ともに小幅上昇。Topix, JPX400の両株価指数は12月1ヶ月間でそれぞれ0.06%および0.06%と続伸した。CGレーティング・スコアTop20株価は0.02%上昇して終えた。
2019年12月11日に弊機構代表理事のニコラス・ベネシュが日本証券アナリスト協会で講演を行いました。
サマリーとBDTIの紹介
~なぜガバナンス情報分析および役員研修が重要
コーポレートガバナンスと企業パフォーマンスの関係・因果関係
投資家に対するアドバイスおよび、今後の研究の展望とAppendix
独立社外取締役としての証券アナリスト
スピーチの一部:「今日話す2つの主なテーマは、1つ目はコーポレートガバナンスと企業パフォーマンスの関係、2つ目に、社外取締役としての証券アナリストの可能性だ。サマリーとして、ガバナンス改善の効果はあり、これからも期待できるとしているが(資料3頁)、道半ばである。機関投資家は意思表示しているが、エンゲージメントにおいて、まだまだ十分に具体的な期待値・要望を書面で詳しく書いていない。質量ともに有効性として不十分と思っている。ただ、だんだんと向上しているので、政策保有株の壁と言っているものの崩壊もいずれ3~4年以内に起きると思える。役員研修や近代的な人事制度・慣行の方針や政策については、各社がレベルアップする必要がある。超過パフォーマンスと相関関係のありそうな有意な要因は徐々に見えてきた。例えば、当法人の今までの分析では、独立社外取締役が50%以上であることや、人事諮問委員会の存在、大株主の存在などはその有意な要因でありそうと示されている。また、会社が若いほど、だいたい30年以下で若くなればなるほど、平均値のパフォーマンスが上がることが見つかっている。皆、そうではないかと思っていたと思うが、政策保有株が少ないほど、だいたいパフォーマンスが良いことを後述する。今日の1つのメインテーマ、因果関係がどの方向へ行っているかについて話をする。…」
日本証券アナリスト協会の講演資料はこちら:コーポレート・ガバナンスと企業パフォーマンス~社外取締役としての証券アナリストの可能性~
36頁には、 コーポレートガバナンスと企業パフォーマンスの因果関係についての(今までの)分析結果のサマリーがあります。個々のプラクティスについての因果関係の分析の説明は頁23~33にあります。
日本もアクティビズムが活発化してきました。2019年12月25日に株式会社ストラテジックキャピタルが「京阪神ビルディングの株主価値向上に向けて」という特集サイト開設を公表しました。
「 弊社が株主として株主価値向上のために期待すること ① コーポレートガバナンスの改善 ② 例えばREITを用いた保有不動産の潜在価値の適正化 ・・・
「外国為替及び外国貿易法(FEFTA)の一部を改正する法律案」に関する 日本CFA協会とCFA協会(APAC)による共同調査結果について–> FEFTA
に賛成か反対か:70%が反対、ほぼ 20%が分からない
外国から日本への投資の流れへの影響: 86%が「良くない」か「とても良くない」影響 があると回答。」
「公正で透明性の高い企業統治を実現するうえで、支配的株主の少数株主保護義務をコー ポレートガバナンス・コードに盛り込むことは最重要かつ最緊急の改訂課題である。」 …
「二つ目は、やはり度重なる不祥事に対し、守りのガバナンスの要(かなめ)となるべき監 査役会及び監査委員会の実質的な機能強化に関わる改訂である。不正会計やデータ偽装、不正な金品授受などの問題で、それを社外取締役が見抜けなかったことを批判する論調があるが、カネボウ事件などでこうした問題を度々暴く側で仕事をしてきた経験からいえば、少なくとも事件の早期発見という意味で、社外取締役ができることは限られている。」…
2019年10月31日に経団連がサイバーリスクハンドブックを発表しました。
「 原則1
取締役は、サイバーセキュリティを、単なるITの問題としてではなく、全社的なリスク管理の問題として理解し、対処する必要がある。
原則2
取締役は、自社固有の状況と関連付けて、サイバーリスクの法的意味を理解すべきである。
原則3
取締役会は、サイバーセキュリティに関する十分な専門知識を利用できるようにしておくとともに、取締役会の議題としてサイバーリスク管理を定期的に取り挙げ、十分な時間をかけて議論を行うべきである。