フランチャイズ・パートナーズがキリンホールディングスに指名を提案した独立取締役候補として私の立場

私はフランチャイズ・パートナーズ(FP)が指名を提案した「2人の取締役候補」の一人です。一週間前、Bloombergの記事で「半導体試験装置の製造などを手掛けるアドバンテストのニコラス・ベネシュ取締役」として紹介されていたので、Bloombergに連絡しました。このような書き方では誤解を生むので、今後報道する時は直してください、とお願いしました。私の独立性とバックグラウンドが正しく報道されるよう、その記者に伝えた事をここに書きます。         

(1)私のメインの仕事は、公益社団法人会社役員育成機構 (https://bdti.or.jp/) の代表理事として務めておいます。このメーンの仕事とは関係なく、私は2013年に日本のコーポレートガバナンスコードの提唱者であり、今現在はイマジカグループ社(証券コード:6879) の独立社外取締役およびアドバンテスト社(証券コード:6857)の独立社外取締役を務めております。

(2)FPに初めて会ったのは3か月前でした。その時までFPの存在さえ知りませんでした。その時の主な話題は「日本のコーポレートガバナンスの最近動向」でした。その後、「指名してもいいですか?」とお願いされました。FPと会ったのは二回のみです。

(3) キリンホールディングスにもFPにも何度も主張しておりますが、私のスタンスは全く独立的です。FPに指名されたからと言って、私はFPの意見に同意するわけではありません。私の独立取締役としての「哲学」は、就任した後に全ての事実関係および分析情報を集め、審議した上で物事(特に戦略等重要課題)について自分で判断し、自分の意見をまとめることです。この「哲学」は私にとってとても大事です。逆に言えば、私自身の指名案以外、当株主提案のバイバック等についての意見は現時点では持っていません。

FPには、「取締役会は常に企業の戦略を評価し、場合によって微調整又は大胆な舵取りをする責務があります。取締役会に入った際は必ずしも貴社の意見に同意しないかも知れません。それでもいいですか?」と何度も主張してきました。FPからは「それでもいい」という返事が返ってきたので、株主提案で指名されていいと思いました。

日本経済新聞によると、「株主提案を出しているキリンホールディングスに対して社外取締役2人の受け入れなどを求める書簡を送ったことが分かった。健康事業の拡大を目指す多角化戦略について、新たな取締役会での再検討も求めている。キリンHDが要求を受け入れれば、自社株買いなどの株主提案を撤回するという」。これは全てを語っていると思います。私から見れば、この闘争は何よりも「キリンホールディングスに独立性が高い取締役会があるべきか、なくてもいいのか?」についての闘争です。日本のコーポレートガバナンス向上の進化の過程で一つの曲がり角である、という気がします。

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私の履歴情報:
https://bdti.or.jp/contributors/nicholas-e-benes/
ニコラス ベネシュ (投稿者)


フランチャイズ・パートナーズ が作ったHP
キリンを良くするために」:

https://www.abetterkirin.com/ja

キリンホールディングス のIRニュース
https://www.kirinholdings.co.jp/irinfo/  

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