ガバナンスコードコンプライアンス -予想より良いがまだ遠い

FSA

殆どの会社が2015年12月末に東京証券取引所に「コーポレートガバナンス報告書」(CG報告書)を提出する最終期限だったが、このコーポレートガバナンス・コード(CGコード)開示情報のをデロイト トーマツが分析したものを下よりダウンロードすることが出来ます。

今のところ、日本政府の一番最初のベストプラクティス規範であると考えたところ、多くの日本企業はCGコードの「Comply or Explain」に関しては比較的良いスタートが出来たようだ。
自民党へのCGコードの最初の提案者として私はこれを見れてうれしく思います。また、BDTIがコンサルタント及び役員研修を提供している(これからも提供を続ける)いろいろな会社によって実際内部が進展しているのを見れて、私も満足しています。

特に東京証券取引所に提出された東証一部・二部上場企業の1,845社のうち約31%の企業は報告書に加えて別に「ガイドライン」を開示しているということがわかりうれしく思いました。これは、私が非常に早い段階(2014年中頃)に金融庁に提案していて、セミナーや勉強会、BDTI役員研修などで何度も伝えてきたことです。

ISS が2016年「日本向け議決権行使助言基準」の日本語版を発表

ISS が2016「日本向け議決権行使助言基準」の日本語版を発表しました。取締役の選任について、以下にように書かれています。同基準とこの頁の下にあるリンクからダウンロードができます。

経営権の争いがない場合

ISSは会社の機関設計(監査役設置会社、指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社1)により、異なる助言基準を持つ。

監査役設置会社

監査役設置会社においては、下記のいずれかに該当する場合、原則として反対を推奨する。

ガバナンス・コードに基づく報告書を開示した上場会社のデータ (1月3日更新、QUICK ESG)

「12月25日以降1月3日までに報告書を発表した企業をまとめた(6月1日からの累計は1857社:社数は更新による重複を除く実質発表企業数)。」

やはり提出日が締切(12月末)に近づくほど、full complyと開示している企業が(率として)がとても少なくなって、平均的に「説明」されなければならない事項の数が多くなりました。

http://sustainablejapan.jp/quickesg/2016/01/03/corporate-governance-report-2/16846 

ニコラス・ベネシュ:「生産性向上に向けた提言」

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日本経済の長期化した低迷の主な要因は、日本企業が不採算事業からの撤退・企業統合を行うことができず、企業資産の再配分が進まないこと

⇒  これを打開するためにいま必要なのは、

① ガバナンスのさらなる強化

コーポレートガバナンス・コードの継続的な見直しを中心としたコーポレートガバナンスのさらなる強化
スチュワードシップ・コードを浸透し機能させることを目的とした、年金基金ガバナンスの改善

② 労働市場の硬直化の改善

新たな雇用類型として「正社員タイプ2」の創設

EY総合研究所: 「コーポレートガバナンスに関してのレポートのご紹介」

「◯開示後に求められるコーポレートガバナンス・コード対応
-特に注目度が高い原則の取り組みにおける重要ポイント-
http://eyi.eyjapan.jp/knowledge/future-business-management/2015-11-30.html

コーポレートガバナンス・コード対応において、開示11原則の検討は
初期対応にすぎない。本稿では、特に注目度が高いと思われる
原則につき、その他原則との関連性を踏まえて、どのような取り組みが
開示後に求められるかを考察する。

提案者の視点: ガバナンス・コードの生まれ方、残っている課題 (ベネシュ)

私は2013年10月に金融庁主導のコーポレートガバナンス・コード(以下、「コード」という)策定を自民党の議員らに提案した。2014年2月には日本経済再生本部と自民党の金融調査会に対して、コーポレートガバナンス・コードの発想、スチュワードシップコードと「車の両輪」の関係にあることなどを説明した。

言い出しっぺとして、私は早い段階で色々なアイデアを議員らおよび金融庁に勝手に提案できる(する)立場になった。コードの内容について金融庁の油布志行氏に提出したメモの内容、「日本版コーポレートガバナンス・コードに含めるべき重要事項」はこちらにあります。もともと英語で書かれたバージョンはこちらにあります。(尚、このメモはあくまでも私個人として準備して提出した。)

そのときの私のアイデアの中にはそれがそのままコード項目になったものが少なくない。しかし、外から言うのは簡単であって、実際に難しい調整を行ったのは自民党の塩崎氏、柴山氏、そして金融庁の担当チームだった。彼らの献身的なリーダ―シップに感心した。

第4回「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」

12月22日、金融庁の第4回「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」が開催され、取締役会の役割等について議論されました。

補充原則4-1①*に基づく開示状況に関する東証の分析結果も併せて開示されています。