
これからの社外役員として新たに求められる力とは ~社外役員として必要とされる、公認会計士のスキルとマインドセット~

日銀の早期利上げを懸念して月中ばまで下落した日本の株式相場は、米国FRBの大幅利下げをきっかけに大幅上昇した米国株式相場と円安への揺り戻しを好感して、月末にかけて楽観ムードから回復した。その後、石破新政権発足をきっかけに早期金利上昇を警戒した円高を嫌気して売りが先行して、反落した。
9月のパフォーマンスは、TOPIXおよびJPX400の両株価指数がそれぞれ-1.61%および-2.49%下落した。CG Top20株価は-0.71%の下落と両インデックスに対して大きくアウトパフォーマンス。
以前の拙記事で何度か時価総額の大きい会社と小さい会社で、収益性およびコーポレートガバナンスの取り組みにおいて差が広がっていくことを述べました。今回はそれを検証してみたいと思います。以前の拙記事「Increasing Profitability to Gain Support from Overseas Investors Is a Condition for Higher Valuation」および「Why Are Companies with High Corporate Governance Practices Ratings More Profitable?」において、外国人持ち株比率が高い会社は時価総額が大きく、収益性が高い傾向があると述べました。また、それらの会社はコーポレートガバナンス・プラクティスも優れていると述べました。その背景には海外投資家の長年にわたるエンゲージメントを通じて、会社が収益性とコーポレートガバナンス・プラクティスを改善してきたことがあります。海外投資家は企業価値を高めるためには取締役会の改善の必要性とキャッシュアロケーションを含めたキャッシュフローおよび手元キャッシュの効果的な使い方を求めてきました。これまでの分析で外国人持ち株比率30%台が閾値として経営者に意識されているようです。この水準に達すると海外投資家の意見を取り入れざるを得なくなる傾向が顕著です。海外投資家のエンゲージメントがドライバとして彼らの投資先会社(時価総額が大きい傾向がある)は収益性とコーポレートガバナンスを一層高めると期待されます。よって、時価総額が大きい会社とそうでない会社でますます差が広がると推察されます。