宮島英明教授:「物言う株主と企業 経営改善への実効性向上」

経営改善に向けた株主と企業の対話(エンゲージメント)が注目されている。 並行してアクティビストファンドの活動も目立ち始めた。 日本でのアクティビスト活動の実態と今後の可能性を検討したい。


近年の活動の特徴は、 公式の要求を伴うアクティビズムの成功確率は、欧米にはまだ及ばないが、4割に上昇した。また要求が受諾された場合の株式の超過収益率(CAR)は欧米と同程度の約6%となっている。


加えて、今後の日本の企業統治の改善の鍵を検討しよう。まず企業側では、経営陣が多様化した機関投資家と対話する姿勢を改めて明確に持つことだ。経営者は、短期主義に陥っていない対話に値する投資家を選別し、彼らとの真摯な対話を通じて自社の戦略の正当性を説明し、必要な改革を実施することが重要となる。


一方、投資家側ではエンゲージメントでの協調行動が焦点となる。17年のスチュワードシップ・コードの改定では、株主間の共同行動を通じた集団的エンゲージメントが「有益な場合もあり得る」ことが確認された。もっとも実行にあたっては情報伝達のあり方次第では、インサイダー取引規制上の問題が生じる可能性がある。またエンゲージメントの内容により、大量保有報告制度上の共同保有者とみなされる恐れもある。


今後、こうした点について、どこまで許容されるかの実務を明確化していくことが、集団的エンゲージメントの可能性を引き出すうえで重要な課題となろう。


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