取締役会の議長
今月は取締役会の議長に注目してみたいと思います。
約1,800社の中で取締役会の議長を社外取締役が勤めている会社はわずかに27社しかありません。取締役会の舵取りを社外の取締役(独立取締役でない場合も含む)に託すというのは、どれだけ抵抗があることかみて取れます。下記がその27社です。
ご覧いただきますとわかるように、過去においてスキャンダルを起こした会社が散見されます。スルガ銀行、東芝、オリンパス、日本板硝子、神戸製鋼・・・。不祥事以降、ボードストラクチャーを修正した場合が少なくないと思われます。
この27社はある意味ではコーポレートガバナンスのストラクチャーにおいては他社よりも進んでいるということができますが、実際はどうなのでしょう。
「独立取締役の人数の比率」取締役選任・後継者人事に大きな影響力を持つ「指名委員会」の状況、「買収防衛策」「元代表取締役の顧問・相談役(代表取締役でなかった取締役の退任後の顧問は不明)」「株式持ち合いなど制作保有株」「大株主」について合わせてみていきます。
上記表の中で緑色はポジティブで赤色がネガティブです。透明性のある運営を期待するためには、取締役会・指名委員会で社内取締役が過半数を占めていると議長が誰であれ、あまり影響はありません。3つの委員会が設置されている指名委員会設置会社の形態の方がその他の形態の諮問委員会よりもその影響力があると思われます。また、株主の価値の希薄の恐れがある買収防衛策のないほうが株主にとっては望まれますし、株式持ち合いやROEを低下させる政策保有株式が少ない方が株主の利益にポジティブです。同様に大株主がいる場合には少数株主の利益と目線が等しくすることは難しくなります。
このような観点から取締役会議長が社外取締役で運営されている27社をみてみると、ソニーだけが実際的に機能しているのではないかとみることができます。実際に取締役会に出席して、準備段階から一連の運営状況をみないと実際のところは不明ですが、外部からの公開情報ではこのような結果になります。
決算発表が相次ぐ中、個別株物色となった5月の株式相場は下落した。CGレーティング・スコアTop20株価はわずかにアンダーパフォーマンスで終えた。Topix, JPX400の両株価指数は5月1ヶ月間でそれぞれ-6.70%および-6.62%下落したが、これにに対しCGTop20株価は-7.04%とそれぞれ-0.34%および-0.42%アンダーパフォーマンスとなった。
5月のコーポレートガバナンス指数ランキングの詳細はコチラ。
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