「コーポレートガバナンス分析-CGと価値創造とのリンケージ」(BDTI/METRICAL共同研究)

BDTIとMETRICALの共同研究 – CGと価値創造とのリンケージ -が2019年1月31日現在でアップデートされました 。(要約は以下の通りです)

(1) 相関分析: ボードプラクティスとパフォーマンス

ボードプラクティスのファクターにおいて、パフォーマンスと有意性のある正の相関が継続している。

(a) ROE (実績): 指名委員会、女性取締役数、インセンティブ・プラン、 独立取締役比率のファクターが有意性のある正の相関

(b) ROA (実績): 報酬委員会、インセンティブ・プラン(負の相関)、顧問・相談役のファクターが有意性のある相関

(c) Tobins Q: 指名委員会、顧問・相談役、独立取締役比率が有意性のある正の相関

– 当分析でボードプラクティスのファクターにおいて、パフォーマンスと有意性のある正の相関が継続していることが示された。

– 報酬委員会とROAの負の相関についても、もっと深く分析する必要がある。

– 顧問・相談役の情報開示はまだ出揃っていないが、 ROA(実績)およびTobins Qと相関があるという興味深い結果が確認されている。

(2) 相関分析: 主要なアクションとパフォーマンス

アクションとパフォーマンスの間には有意性のある正の相関が存在する。

(d) アクションとパフォーマンスの間には有意性のある正の相関が継続している

(e) 株式保有、成長戦略、買収防衛策はパフォーマンス3指標と有意性のある正の相関がある

(f) 現金保有/売上高は、収益力の高い会社においてさらに現金が積み上がる構図を示している

-「大株主持分が少ない」ファクターとの負の相関は、大株主の存在がパフォーマンスにポジティブな効果をもたらしていることを示している

(3) 分析: 独立社外取締役比率

(g) 独立取締役比率が過半数を超える会社は76社にとどまるが、ROE(実績)およびROA(実績)は20.8%と5.3%と極めて高い

(h) 独立取締役比率が過半数を超える会社はまだまだ少ないが、当分析項目において、そのグループのパフォーマンスは顕著に高い

(i) 独立取締役比率の上昇とROE(実績)・株式時価総額との関係性を分析する必要がある

(j) 一方、5 %未満のグループにもパフォーマンスが高い会社が含まれているが、これは“大株主効果”によるものとの仮説を立てることができる

(4) Stock Price Performance: CG Top20 Index Vs. TOPIX and JPX400

CG Top 20株価は主要株価指数であるTOPIXおよびJPX400をアウトパフォーマンス継続している。両株式市場を代表する株価指数のパフォーマンスはほぼ同じ。CG Top20株価を指数化したものは株式相場の上昇時・下落時のどちらにおいても両指数に対して卓越したパフォーマンスを維持している。  

レポート全文:CGと価値創造とのリンケージ 

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