日本企業は取締役等に必要な資質や知識を十分議論した上で、適切な取締役等を指名すべき

日本版コーポレートガバナンス・コードは昨年上場企業に適用された。同コードは日本再興戦略で推奨され、中長期的な成長・企業価値創造を実現するための自律的な企業行動を促進するためのものである。コードは取締役等の責務と取締役会の実効性確保の前提について詳述しており、コードで示された原則の狙い・精神と照らして自社のガバナンス慣行を見直し、改善することを要請している。

日本企業は取締役等に必要な資質や知識を十分議論した上で、適切な取締役等を指名すべきである。

2016年2月現在の日本取引所グループのデータによると、94%の東証1部上場企業は社外取締役を選出しており、87%は独立社外取締役を、48%は2名以上の独立社外取締役を任命している。これは社外人材を取締役として任命する慣行が一般的ではなかった日本では画期的な出来事である。しかし日本企業の行動に改善の余地があり、独立取締役の招聘を目標を達成するための手段と考えられる。課題の1つは取締役の不透明な選出にある。具体的には以下の点が含まれる。

  • 曖昧な指名プロセスと限定的な取締役候補プール
  • 指名理由についての表面的な説明、例えば「専門知識や豊富な経験」
  • 独立社外取締役候補育成、及び企業による独立社外取締役任用についての消極性

これらは原則4.8について2名の独立社外取締役の任命に固執する可能性を示している。実際2014年2月の東証上場規定の改訂により少なくとも1名の社外役員任命が推奨されるまで、ほとんどの日本企業は社外人材を取締役に任命するのに消極的だった。

それにもかかわらず金融庁・日本取引所グループの2016年2月の報告書では、3,500社以上の上場企業が自社のコーポレートガバナンスの姿を探っており、その7割の2,500社以上はコードに照らした自社状況について情報開示をしたとしている。

このコンプライ・アンド・エクスプレイン型のコードは東証上場規定に含まれており、企業はコードを遵守しない場合、説明する必要がある。

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