個人として2011年1月に提案した会社法改正案 (ベネシュ ニコラス)

ご参考までに、2011年1月に私が各関係者に送って、18ヶ月の間 自分なりに説明に回った会社法改についての具体的な提案書をアップいたします。中核の内容は下記の通りで、条文の改正案が含まれています。 なお、当提案の詳しい内容全文はベネシュ-会社法改正提案-1-2012デダウンロードが出来ます(一旦入ってから、ファイル名にクリックしてください)。

この案の観点は合理的で簡単です。2004年に開かれた企業価値研究会は「買収防衛策を良しとする」と決めたことで、経済産業省と法務省は報告書に明快に「イギリスモデル」ではなく、いわゆる「デラウェア・モデル」に基づく企業統治の考え方を選びました。しかし、その時に法律家にとって恥ずかしいとしか思えないほどの「つまみ食い」をしました。つまり、「買収防衛策を良しと」しながら、その防衛策が企業価値を高めるために不可欠であるデラウェア・モデルの法的インフラを導入しなかったのであります。そのインフラがなければ、買収防衛策、MBO等のように経営者の利害関係を危険視すべき取締役会決定の多くは、「企業価値」を創造し最大にするどころか、企業価値を破壊することをもたらすリスクが高いであります。

私は、独立社外取締役を義務付けない方法で、デラウェア・モデルの一番重要な法的インフラ (missing infrastructure) を日本の会社法の既存ストラクチャーに簡単に導入出来る仕組みを提案させていただきました。

提案理由

1  下記に掲げるような決議において、独立社外取締役以外の取締役(内部者たる取締役)が潜在的な利益相反状況に置かれていることは否定しようがないであろう。現に、経済産業省「企業価値の向上及び公正な手続確保のための経営者による企業買収(MBO)に関する指針」(以下「MBO指針」という。)が発表された以降の比較的規模の大きな上場会社のMBO案件においては、社外役員や外部の有識者によって構成される特別委員会(第三者委員会)が当然のように設置されるが、このようなプラクティスは、MBOに際し、内部者たる取締役が潜在的な利益相反状況に置かれているとの認識が広く浸透していることを意味する。


(ⅰ)役員の選解任に関する決議
(ⅱ)役員報酬に関する決議
(ⅲ)買収防衛策の導入、MBOに関する決議等会社の支配権に影響を与える決議
(iv)業務取締役の行動や不祥事についての特別調査、処分に関する決議
(v) その他、取締役会が潜在的な利益相反性を危険視すべきものと決めた決議

2  会社法は、取締役の利益相反取引を取締役会の承認事項とし、また特別利害関係人の取締役会での議決権行使を禁止する。しかし、いずれもその範囲は明確ではなく、また伝統的な理解では、その範囲は極めて限定的であり、上記1で述べた潜在的な利益相反状況を広くカバーするものではない。

また、会社法上、取締役会は、取締役会において決定すべきものと法定されている事項については自ら決議することを要し、委員会等の他の機関にその決定を委ねることはできない。

このような規定を有する現行会社法は、潜在的利益相反決議において、内部者たる取締役に対して不合理を強いることになりかねない。すなわち、誠実な内部者たる取締役は、上記1で述べた自らの利益相反的状況を認識し、潜在的利益相反決議に参加することに躊躇を覚える筈である。しかし、そのような状況であったとしても、現行会社法は、潜在的利益相反決議を独立社外取締役等に委任することができない上、上記の通り、内部者たる取締役のすべてが「特別利害関係人」に該当するとは考えられていないため、一部の内部者たる取締役は、取締役会に参加し、議決を行わなければならない。すなわち、現行会社法上、「特別利害関係人には該当しないが、潜在的に利益が相反するため、念のため決議には参加しない」という選択肢は用意されていないのである。

3  上記①の提案は、取締役会に対して、潜在的利益相反決議を独立社外取締役のみによって構成される会議体に委任することを可能とするものである。このような選択肢を用意することで、上記のような不合理を回避することが可能となる。なお、独立社外取締役のみによって構成される会議体についても、その運営の適正を担保するため、原則として現行会社法における取締役会に関する規律(監査役の出席義務、議事録の作成、決議について特別の利害関係を有する独立社外取締役の議決からの排除等)を適用する。

4  上記②の提案は、上記①の提案に付随するものである。現行会社法における「社外取締役」は一定の役割を果たしてきたものの、例えば親会社の業務執行者や顧問弁護士といった者も「社外取締役」に含まれることとされており、会社との利益相反性の排除が徹底されているとは言えない。上記①の会議体は、正に潜在的な利益相反状態の解消を目的とするものであるから、その構成員の資格は、潜在的にも利益が相反しないような真の意味で独立性のある者に限定する必要がある。そこで、少数株主も含め、株主が安心して潜在的利益相反決議を任せられる者という意味で、「独立社外取締役」の概念を新設し、厳格に定義するとともに、その開示義務を充実させることとした。なお、「独立社外取締役」については、選任時のみならず、各時点毎においてその要件の充足が厳格に判断され、かつその内容が事業報告書等において開示される仕組みとする必要がある。

5  上記③の提案は、上記①の選択肢(独立社外取締役によって構成される会議体への委任)を行使せずに、(通常の)取締役会が潜在的利益相反決議を行った場合に、任務懈怠についての立証責任を転換するものである。前述の通り、潜在的利益相反決議に内部者たる取締役が議決権を行使することは本来望ましいことではないため、本来であれば、内部者たる取締役の参加を一律に禁止するという方策が採られるべきである。また、他の先進国の潮流や「投資家離れ」が加速する日本の株式市場の危機的状況に照らしても、こうした方策が採られることが最善であろう。しかし、このような方策は、事実上、独立社外取締役の選任を会社に義務付けることになるため、産業界から強い反発を受けることが予想される。現に、産業界は、これまで規制を受ける側であるにも関わらず、他の先進国では類を見ないほど強固に独立社外取締役の設置義務化に反対している。そのため、独立社外取締役の設置義務化に固執した場合には、これまでと同様産業界の強固な反対を受け、(積極的な政治主導があれば別であるが)今回も内外の投資家が期待するようなコーポレート・ガバナンスの向上のための施策の導入は見送られることになりかねない。

このような点を踏まえ、現時点では最小限の処置として上記①の会議体に委任するか否かは、利益相反の程度やその他それぞれの会社の事情に応じて取締役会が個々に決定して選択することができるようにした。とはいえ、潜在的利益相反の程度などは一般の株主は知り得ないものであるため、独立社外取締役による会議体に委ねずに行った(通常の)取締役会の決定が正しいものであるということを何らかの形で担保する必要がある。そこで、上記③の通り立証責任を転換することとした。なお、こうした立証責任の転換は、あくまで会社に損害が生じた場合に限られるのであるから(損害発生と因果関係についての立証責任は転換されない。)、取締役会に対して過度の負担を強いるものではない。また、そもそも、取締役会が決議を行うに当たって、対外的に十分説明可能な程度に義務を尽くし、その証拠を残しておくことは当然のことである。

6 上記④の提案は、監査役会設置会社と委員会設置会社との間の不均衡を生じさせないために必要なものである。

式案

*以下では、公開会社についての条文案を提示する。

・会社法第2条第15号の2として、以下の規定を新設する。

15の2 独立社外取締役  公開会社の取締役であって、次に掲げるいずれにも該当しないものをいう。
イ 当該株式会社若しくはその子会社の業務執行者等(業務執行取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人をいう。以下同じ。)であるもの、又は過去5年間に当該株式会社若しくはその子会社の業務執行者等であったもの

ロ 株式会社の主要な株主、当該株主が営む個人事業の支配人その他の使用人、及び当該株主が主要な株主である当該株式会社以外の法人、組合等の団体の業務執行者等
ハ 当該株式会社の主要な株主である法人、組合等の団体、当該団体の親会社若しくは子会社の業務執行者等であるもの、又は過去5年間に当該団体、当該団体若の親会社若しくは子会社の業務執行者等であったもの
二 過去5年間に、当該株式会社と重要な取引を行ったことのあるもの(当該株式会社のコンサルタント、会計専門家及び法律専門家を含む。以下、本条において、同じ。)(年間100万円(但し、当該者が当該株式会社の取締役である場合の取締役報酬を除く。)以上の金員の授受がある場合には重要な取引を行ったものとみなす。以下、本条において、同じ。)
ホ 過去5年間に、当該株式会社と重要な取引を行ったことのある法人、組合等の団体若しくはその親会社若しくは子会社の業務執行者等であるもの、又は当該取引時若しくはそれ以降に当該団体若しくはその親会社若しくは子会社の業務執行者等であったもの
ヘ 当該株式会社の取締役としての在任期間が9年以上であるもの ト イからヘまでに掲げるものの配偶者若しくは3親等内の親族又はこれに準ずる関係にあるもの
チ イからトまでに掲げる者以外で、当該株式会社の他の取締役との間で利害関係を有するもの

・会社法第373条の2として、以下の規定を新設する。(監査役会設置会社の場合)

第373条の2 第369条第1項の規定にかかわらず、独立社外取締役が3人以上である監査役会設置会社(公開会社でないものを除く。)の取締役会は、次に掲げる事項についての取締役会の決議については、当該決議ごとに個別に、独立社外取締役のうち、議決に加わることができるものの過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わせることができる。
一 株主総会に提出する取締役及び監査役(会計参与設置会社にあっては、取締役、監査役及び会計参与)の選任及び解任並びに報酬に関する議案の内容の決定
二 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の個人別の報酬等の内容の決定
三 会社の支配権に影響を与える内容の決定
四 取締役又は監査役の任務懈怠ついての特別調査、処分に関する決定
五 その他取締役会が自己利益および利益相反性のおそれが潜在的に高いことを理由に妥当と決めた決議

2  前項の規定による独立社外取締役による議決が行われる場合には、独立社外取締役以外の取締役は、前項に掲げる事項の決定をする取締役会に出席することができない。この場合における第366条第1項本文及び第368条の規定の適用については、第366条第1項本文中「各取締役」とあるのは「各独立社外取締役」と、第368条第1項中「定款」とあるのは「取締役会」と、「各取締役」とあるのは「各独立社外取締役」と、同条第2項中「取締役(」とあるのは「特別取締役(」と、「取締役及び」とあるのは「独立社外取締役及び」とする。
3  独立社外取締役の互選によって定められた者は、前項の取締役会の決議後、遅滞なく、当該決議の内容を独立社外取締役以外の取締役に報告しなければならない。
4  第366条(第1項本文を除く。)、第367条、第369条第1項及び第370条の規定は、第2項の取締役会については、適用しない。

・会社法第423条第4項として、以下の規定を新設する。(監査役会設置会社の場合)

5  第373条の2第1項の各号に定める事由が同項による独立社外取締役による議決をもって行われなかった場合において、当該事由によって株式会社に損害が生じたときは、当該事由を行う旨の取締役会決議に賛成した取締役はその任務を怠ったものと推定する。

・会社法施行規則を改正し、独立社外取締役に関する事項の開示義務を規定する。
・その他必要な修正(会社法383条、911条等)を行う。

以上
Benes – PowerPoint Presentation re Company Law Amendment-1-2012
ベネシュ-会社法改正提案-1-2012
ベネシュ-会社法改正提案-PPT-1-2012
ベネシューCG改革で一番重視すべきポイント-2012

ベネシュ ニコラス    (個人として。以下は英語の説明ですす。)

In 2011 and 2012, I distributed my own personal proposal for amendment of Japan’s Company Law to a number of legislators, regulators, members of the MOJ Company Law Subcommittee, and investors.

Inasmuch as the Democratic Party of Japan had promised to push for the mandatory appointment of outside directors, I thought it was a good time to propose the additionalfeatures of the law that, based on my experience as an outside director in the “real world”, would be essential in order for outside directors to add significant value to corporate governance and shareholder returns.  The objectives that were uppermost in my mind were:

Ensuring that executive directors who are likely to be affected by their own self-interest by a particular decision will not be “in the room” when the most important part of that decision is made, especially if it is an decision likely to significantly impact the value of the company (such as nomination of new directors, pricing and negotiation of an MBO transaction, the deployment of takeover defenses, or special investigations about executive impropriety). This of course requires companies to be able to form “committees”, and to be required (or highly incentivized) to form them under certain circumstances;

Ensuring that the most important monitoring function of the board – the hiring and firing of the CEO – can actually be performed in terms of practical reality, and that a broad range of candidates can realistically be considered instead of just a small number of incumbent directors who may be loyal to their predecessor or his/her policies and strategies;

Ensuring that all members of the board (whether external or executive) know enough about their duties under the law, relevant corporate and securities laws, governance “best practices”, and the subjects of board oversight (financial statements, risk management, review of M&A transactions etc.),  – that the board can realistically be expected to function as a unified decision-making group that engages in meaningful processes with due consideration by all in order to make the best possible decisions on behalf of shareholders and stakeholders;

Ensuring that companies and boards have an incentive to: a) appoint truly independent outside directors, b) provide them (and internal appointees) with continuing education, and c) actually use them in separate committees for the purposes set forth in (1) and (2) above; and

Ensuring that there are likely to be such qualified independent outside directors on Japanese boards in sufficient numbers that they actually will “add value”, rather than resulting in public disappointment later on when they “did not perform their role” for the simple reason that there were not enough of them and the aforementioned essential infrastructure was not in place.

Having sat for a total of eight years on various Japanese boards, in my experience these things were essential in order to make most Japanese boards more effective in general, and particularly, to achieve most of the benefits that independent outside directors could bring to Japanese boards.

Most of the above goals are precisely the objectives that most major jurisdictions seek to achieve with systems that employ (and usually require) outside directors. However, in Japan the debate about the role “outside directors” has been carefully and deliberately defined narrowly so that: a) it is only necessary to consider appointing one or two, since the role is usually defined mainly as “giving outside [advisory] perspectives” and “telling the CEO what his employee-directors find difficult to say”; b) the practical realities of firing a poorly performing CEO never get considered; and c) the purpose of the whole discussion is actually to avoid talking about the need for independent outside director-comprised committees in cases of hostile M&A, MBOs, and similar transactions that potentially create or destroy value in large magnitude… since that would require more than one outside director, and the creation of legally valid committees where he and others like him could actually act independently, out of range of control by internal executives (something that everyone knows that the Keidanren will be even more upset about than it already is whenever the topic of outside directors comes up; see immediately below.)

As is well known, in 2011 and 2012 the Keidanren was adamantly opposed to mandatory rules requiring even one outside director, just as it had been for many years. (Which of course can only make a normal investor wonder and worry: “what are they so afraid of, from just one outside director? Do many companies have something to hide? “) The Keidanren’s main argument are that: a) the statutory auditor system provides fully enough “independence” and neutrality; b) there is no clear proof that outside directors improve operating performance (though no one sensible ever based arguments for outside directors on such a claim); and c) that each company (i.e. internal management) should be able to decide what is best for itself, by itself.

Knowing that the MOJ would never be able to overcome this deep-seated political opposition, I purposely did not propose that Japan promulgate rules that would make the appointment of even a single independent director mandatory.  Instead, I proposed a Japanese version of what Delaware’s Court of Chancery came up with in the 1980s. Namely, I proposed that in lawsuits questioning whether a director has complied with his duty of due care, the burden of proof regarding that issue should be shifted from plaintiff to defendant director(s) in those high-impact situations where: a) managerial self-interest needs to be constrained, but b) the decision has not been entrusted to a committee (or a “special board”) comprised solely of independent directors.  It is this sort of “incentive-based” rule – rather than mandatory requirements – that resulted in most of the increase in independent directors in the U.S. during the 1980s.

As the presentation materials available below show, I proposed:

“With respect to statutorily defined board decisions with respect to which managers have an inherent conflict or self-interest, all public companies will have a choice:

‘Appoint (in advance) 3 independent directors that meet a detailed definition of “independence“ subject to “comply or explain” disclosure on an ongoing basis, and use them to compose a “special board“ [per a newly drafted Article 373 (2)] that is solely comprised by those directors who are not conflicted. In this case, the business judgment rule will operate in the usual fashion: the plaintiff bears the full burden of proof, with the likely result that only rarely is anyone held liable;’

OR

‘Don‘t appoint any independent directors if you don’t want to, and/or you are extremely confident about your decision-making. In this case, with respect to the pre-defined types of board decisions, IF there is damage ostensibly caused by such a board decision and a director who voted for it is sued in a shareholder derivative action, there will be a rebuttable presumption that the director has breached his or her duty of due care. That director can rebut the presumption with a showing of facts and an explanation. (At the same time, note that the plaintiff shareholder will still bear the burden of proving damages and causation. )’

The defined types of board decisions are:

Nominations and terminations of board members (includes statutory auditors)

Determination of the compensation of board members

Resolutions or decisions that could have an impact on “control” of the company, such as the adoption or triggering of takeover defenses, MBOs and certain M&A transactions

Decisions or special investigations regarding impropriety by directors, or actions to be taken in response

Any other decisions which the board has determined may be affected by inherent self-interest of directors (even if latent in nature)

In another document, I also proposed:

IF a mandatory requirement for independent outside directors were imposed, it should require at least three of them (i.e., enough to compose a meaningful board committee comprised only of INEDs);

Legal infrastructure that would enable Statutory Auditor Committee-style companies (“SACCs”, which comprise 98% of exchange-listed companies in Japan) to create legally valid committees and flexibly delegate decisions to them as necessary.  (Delegation was necessary because there would be no assurance that a majority of the board would be controlled by INEDs; flexibility was needed because one cannot predict the type of decision for which independent, good faith judgment is necessary);

Statutory infrastructure enabling SACCs to appoint legally “valid” executive officers (with duties of due care and loyalty, as confirmed by recent Delaware decision) even if they are not board members. Without this feature, practically speaking it is extremely difficult to terminate an acting CEO.  The reason for this is that under the present SACC systems (which has no statutory basis for executive officers), only a sitting director can be appointed as a Representative Director (the equivalent of a CEO in a SACC). This means that if the board decides to terminate the present CEO, the only candidates it can consider to replace him or her immediately are the small number of presently sitting board members (mainly, other internal executives whom the present CEO appointed, who thus own loyalty to him, his actions and strategies). In order for a SACC’s board to consider other internal executives who are not board members, or qualified outside persons with the experience and skill sets that the company badly needs, the company must spend about 15 weeks planning an expensive extraordinary shareholders meeting, hope it can gather a quorum of voting shareholders at short notice, and hope that its proposed new board member is accepted by shareholders.

As you might guess, since there are virtually zero Japanese companies which would ever want to go through the public embarrassment and risk that this all implies, for all practical purposes only existing board members are ever appointed as replacement CEOs, and even after three years of red ink only 9% of CEOs step down.  In effect, the absence of legal infrastructure for executive officers gives the board a huge incentive to simply do nothing about a poorly performing (or, transgressing) CEO for the time being.  At the very least, it is much easier to simply wait until the next AGM… which might be ten months later. Hence, the process for the most fundamental monitoring role of the board – firing the CEO – does not meaningfully even function at present, since board do not have the legal ability to appoint a CEO who is not an existing board member; and

That the Tokyo Stock Exchange TSE exercise its responsibility as one of the world’s major stock markets to do what almost every other market has done: promulgate rules with regard to director training and continuing education, or disclosure about company policy with respect to those topics.  Specifically, I proposed that the TSE simply copy the minimal steps that the NYSE listing rules have taken on this score (which requires much less than say, Singapore) by requiring companies to disclose in the “Corporate Governance Reports” that they submit to the TSE, a summary of the corporation’s policy with regard to director training and orientation. If a company has not policies whatever on these subjects, it could simply state: “we have no set policy with regard to these matters, which we handle in an ad hoc manner.”

My proposals met with the following reactions:

Japanese lawyers very quickly understood the logic and sensibility of “shifting the burden of proof” as a way of avoiding a mandatory requirement while strongly incentivizing Japanese companies to appoint INEDs and helping them understand (realize) the real reasons why INEDs are needed by capital markets.  Most of them I spoke to complimented me on this “idea”, which I had just sort of copied  from Delaware. (This fact always makes me wonder about the sincerity of the MOJ Subcommittee members who know much about US law but seem to almost consciously avoid describing aspects like this);

The person in charge of the Corporate System Division, Mr. Nasuno, apparently felt so threatened by the very concept of “shifting the burden of proof” that he attended my study group for the express purpose of interrupting me and aggressively criticizing the concept;

Certain legislators took my concepts to heart and discussed them with the MOJ and other persons, but ran into stiff opposition from METI, presumably the Keidanren, and a number of others who were interested in wrapping up the MOJ advisory committee with just a simple rule requiring a single outside director, as a first step;

The ACCJ incorporated many of my concepts, including the idea of shifting the burden of proof, in its Viewpoint on reform of the Company Law; and

Of course, a great number of persons just ignored or did not know about my proposals.

Below is the lengthy proposal that I made (including detailed proposed language for amending the statute), as well as memos or presentation materials about my ideas. If you wish to download these documents, please register as a BDTI user if you are not one already (use the “register “button at the top right of this screen), and then click on the name of the file after clicking these links:

Benes – PowerPoint Presentation re Company Law Amendment-1-2012
ベネシュ-会社法改正提案-1-2012
ベネシュ-会社法改正提案-PPT-1-2012
ベネシューCG改革で一番重視すべきポイント-2012
Nicholas Benes (個人として)

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