ファミリーマート株式公開買付にかかる株式買取価格決定申立事件
東京地裁決定2023年3月23日
この事件は、親会社である伊藤忠が子会社ファミマを完全子会社とするため、まず公開買付し、その後株式併合により少数株主をスクイーズアウトするスキームをとったところ、スクイーズアウトの株主総会議案に反対したオアシスを含む少数株主らから、ファミマに対し公正な価格での買取が要求され、協議が整わず、双方から裁判所に対し、価格決定の申立てがなされた事件である。
東京地裁の決定文は長文であるが、裁判所の判断の枠組み、一般に公正と認められる手続、公正な価格の算定を記載する3箇所に分けることができる。そして、一般に公正と認められる手続の中では、特に特別委員会が役割を果たしたか、が真っ先に取り上げられている。社外取締役が特別委員会の委員となった場合、何に注意すべきか、参考となる点を多く含むので、ここでは、この箇所に限って、キーポイントを紹介する。
東京地裁決定はファミマの特別委員会に非常に厳しく、その役割を十分に果たしたものとは評価することができない、とした。ただし、決定について双方とも抗告中であり、東京高裁において地裁とは異なる判断がなされる可能性はある。