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「コーポレートガバナンス・コード施行から3年目の株主総会シーズンが終わり、上場企業によるコーポレートガバナンス報告書公表も恒例となってきた。毎年の株主総会シーズンには、おのおの焦点となるテーマがあり、今年は 相談役・顧問のあり方が大きく取り上げられた。その先鞭となったのは2016年10月に公表された議決権行使助言機関ISSによる2017年版議決権行使助言改定案である。同案では相談役・顧問制度を定款で新たに規定する場合、当該企業の議案への反対を推奨するというものだった。実際にはそのような企業はほぼ無く、反対推奨は実際には機能しなかったものの、既に相談役・顧問制度を持つ企業およびその株主の反応に注目が集まった。中には日清紡ホールディングスのように相談役・顧問委嘱制度廃止を明言した企業もあったが、多くの企業は現状を維持しつつ、とりたてて情報開示をした企業はなかった。
そもそも相談役・顧問制度では社長・会長経験者等が退任後も会社に残り、役員時代と同様の待遇を受けている実態も少なくない。それでいて、活動内容や報酬については情報開示対象から除外されている。さらに取締役会の決定に対し実質的な影響力を及ぼす可能性が高いものの、仮にその結果として企業不祥事を引き起こしたとしても、株主に対する説明責任を負わない。その不透明さは以前より問題となっていたものの、折しもコーポレートガバナンス・コード施行により、日本企業の取締役会の慣行に注目が集まったことで、問題が再認識された格好だ。