現行の公益通報者保護法は2004年に制定、2006年に施行された。三菱自動車によるリコール隠しや雪印食品による牛肉産地偽装がきっかけになったと言われている。しかし、施行当初から、その保護対象事実の狭さや、報復禁止の実効性の乏しさなど、不十分さが指摘されていた。国会の付帯決議や法律の附則に基づき、消費者委員会公益通報者保護専門調査会が設置され、改正議論がなされていたが、その速度は遅々としたものであった。2018年12月に同調査会報告書がようやくまとまり、対象となる法律を定める別表についてのパブリックコメント募集を経て、2020年3月9日に改正法案が閣議決定を受け、国会に上程される運びとなった。
法案の主な改正点には、次のようなものが含まれる。