山口弁護士の最近のブログより東芝事件に関して株主代表訴訟と役員の責任調査委員会設置の必要性について書かれた記事をご紹介します。
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東洋経済オンライン : 「東芝、辞任した副社長が今も常勤する不可解」
「小林清志氏は8月1日付で「半導体顧問」に就任。従来と同じオフィスで執務を続けている
一連の不適切会計問題を受け、歴代社長3人と取締役6人が辞任した東芝(7月21日付)。これは明らかな「引責辞任」であり、残務処理を終えて速やかに会社を去った、と考えるのが常識だろう。たとえ余人をもって代えがたい有能な人物であったとしても、引責辞任とはそういうものだ。ところが、東芝ではそんな常識からはかけ離れた人事が行われている。
『報酬制度が示唆する東芝の病』
日経電子版小平龍四郎編集委員のコラムで、東芝の第三者委員会が7月20日に提出した調査報告書で、不適切会計の遠因の一つとして「業績評価制度」を挙げたことに対するペイ・ガバナンス日本のマネージング・パートナー、阿部直彦氏の異論が紹介されています。
「国内外の多くの報酬制度を分析してきた阿部氏によると、東芝の基本報酬に対する業績連動報酬の比率は「グローバルに見ると高いとは言えず、国内事例と比較しても著しく高いとは言えない」のだそうです。業績連動報酬そのものが問題なのではなく、中長期の業績に連動するような設計になっていなかったことが、毎期の利益操作を誘発したのではないか、というのが阿部氏の主張です。」
日経ビジネスオンライン:『東芝に存在した「不正のトライアングル」』
「動機」と「機会」、そして「正当化」の3要素がそろったことが、東芝の不正会計の原因になった――。
こう指摘するのは、日本公認不正検査士協会の濱田眞樹人・理事長だ。公認不正検査士は、会計と法律、調査、犯罪学という4つの分野で専門知識を磨き続ける、企業不正対策のプロフェッショナル。倫理観が高い多くの東芝社員が「会社のため」と言い訳をしたことが、不正の根底にあると濱田氏は話す。
牧野洋氏コラム: 東芝不正会計問題の盲点 「バフェット基準」を満たさない社外取締役は機能しない!
ジャーナリストの牧野洋氏が現代ビジネスのコラムで、東芝不正会計事件における社外取締の役割を報酬制度という視点からコメントしています。
記事全文はこちらでご覧いただけます。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44472
コーポレート・ガバナンスに実行を持たせるための一つの鍵として、役員の報酬制度が改めて焦点となる中、BDTIでは9/3(木)にセミナー『役員と経営者の業績連動型報酬の将来像~10年後を見据えて~』を開催します。
経済ジャーナリスト磯山氏ブログ:『東芝不正会計問題、監査法人は本当に「騙された」のか いずれ浮上する「関係」の中身』
経済ジャーナリスト磯山友幸氏が日経ビジネスオンラインに寄稿した記事が自身のブログでも公開されています。
「...東芝を責めない監査法人トップ
日経ビジネスオンラインのインタビューで、コーポレートガバナンス問題の第一人者である久保利英明弁護士は、第三者委員会の報告書を「落第点」と切り捨てたうえでこう指摘している。
Business Journal:「東芝”不正”会計、「組織的関与・利益かさ上げ」批判は正しい?過去の粉飾事件との比較論」
「、、、会見では民放テレビ局の人気女性キャスターが「これは粉飾ではないのですか」と田中氏に詰め寄る場面もあった。確かにテレビ的には絵になるのだろう。しかし、筆者からすると、それは問題の本質からほど遠い質問だ。「粉飾」とレッテルを貼ることで、勧善懲悪的に問題を片付けたような気にさせるのは日本のマスコミの悪い癖である。そもそも「粉飾」という言葉は法律や会計ルールに書いてあるわけではない。その事象を見る人がどう言葉を当てはめるかの問題にすぎない。
「粉飾決算」「不正会計」「不適切会計」の違い
この手の問題が起きた時、重大性の順におおよそ3つの呼び方があるだろう。「粉飾決算」「不正会計」、それに「不適切会計」である。マスコミがやたら「粉飾」と言い募り、逆に会社側が「不適切会計」で通し続けているのはそうした暗黙の評価尺度からだ。
共同通信: 【東芝・不適切会計問題】「企業統治の優等生」のずさんな実態 端緒は内部告発 危機感乏しくダメージ拡大
東芝の不適切会計問題は第三者委員会の調査報告書が発表され新たなフェーズを迎えました。これまでの経緯をまとめた共同通信の記事では、昨年当局に内部告発があってからの経営陣の危機意識の薄さが指摘されています。
「監視委は昨年12月に検査開始を決定。情報収集を進め、ことし2月、検査に着手した。」
「しかし、東芝経営陣の動きは鈍かった。社内の調査委員会を設置したのは、検査が入った約2カ月後の4月。」
「内部告発がきっかけとなり、第三者委員会の調査が「企業統治の優等生」とされた会社のずさんな実態を暴いた。問題発覚当初の経営陣の危機感が乏しかったことも、経営へのダメージを拡大させた。」