デロイト トーマツ グループは、日本企業における役員報酬の水準、株式報酬制度等の導入状況およびコーポレートガバナンスへの対応状況の実態調査『役員報酬サーベイ(2021年度版)』を実施し、結果を発表しました。
■社長報酬総額の推移
売上高1兆円以上の企業における社長の報酬総額水準は、中央値で9,860万円。前年(9,887万円)比では0.3%減となり、2年連続で減少した。「一部の企業において新型コロナウイルスの影響による報酬の減額等が反映されつつある」と分析。
一方、東証一部上場企業における社外取締役の報酬総額水準は、中央値で800万円と、5年連続で上昇した。これは、「コーポレートガバナンス・コードの要請に基づいた社外取締役への役割期待の高まりが背景にある」と分析。
■ガバナンス体制
指名委員会等設置会社を除く1,003社のうち、任意の報酬委員会を設置している企業の割合は67.5%(677社)と前年より7.3ポイント増加し、任意の指名委員会を設置している企業の割合は60.1%(603社)と前年より6.4ポイント増加した。
2018年のコーポレートガバナンス・コード改訂に伴う、任意の指名・報酬委員会の設置要請が大きく影響していると考えられる。
任意の指名委員会・報酬委員会の設置率は上昇したものの、年間の開催回数に関しては、指名委員会等設置会社との乖離が顕著にみられる。指名委員会等設置会社では、いずれの委員会も年5回以上開催する企業が半数以上に達している一方、任意の委員会設置企業では、年3回以下の企業が約6割(指名委員会で60.9%、報酬委員会で59.2%)を占めている。任意の指名委員会・報酬委員会では依然として形式的な議論にとどまっている可能性が高いと考えられる。
現在BDTIはAIを使ってこのようなデータを集め、データベースに追加する予定です。