MBOや支配株主による従属会社の買収には、構造的な利益相反、情報の非対称性といった問題が存在し、一般株主の利益を確保するため、ガバナンス上の手続的工夫を履践する必要性が認識されています。
このような認識をもとに、経済産業省は、2019年6月に「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」を発表しました。これは、2007年に発表された「企業価値の向上及び公正な手続確保のための経営者による企業買収(MBO)に関する指針」の発展形として、MBOのほか従属会社の完全子会社化をも取り込み、これら取引が実質的に独立当事者間取引として見られるようになるための、一連の手続的措置を示したものです。
新指針の発表後事例も蓄積されてきており、以前の実務慣行からの向上が一定程度見られる一方で、新指針の趣旨が十全に反映されたとは言い難い手続も散見されるように思われます。そこで、今般のウェビナーでは、従属会社の完全子会社化に関する実例を題材としつつ、とりわけ課題が多い支配株主による従属会社の100%子会社化に焦点を当て、特に外国投資家が一般株主の利益保護に不安を抱いてしまうのではないかと思われる側面を取り上げ、国際的にも胸を張れる実務について検討してみたいと思います。
指針を作成した研究会委員である研究者、クロスボーダーM&Aを専門とする弁護士を講師としてお招きし、長年フィナンシャルアドバイザーをしてきたBDTI代表理事ベネシュを交えてパネルディスカッションを行います。日本、グローバル、取引当事者、アドバイザー、投資家など、様々な視点を取り入れ、公正なM&Aについて考えたい多くの方々のご参加をお待ちします。
開催日時: 2021年3月26日(金曜日)15:00ー17:00 (2時間00分)
タイムテーブル:15:00 開始 BDTIのご紹介(10分間)
15:10 渡邊氏基調講演(45分間)
15:55 休憩 (5分間)
16:00 田中氏基調講演(20分間)
16:20 ミニ・パネルディスカッション(40分間)
17:00 終了
開催方法:インターネットでウェビナー形式
① 以下のボタンをクリックして2021.3.26 【無料】ウェビナーのセミナーへ申し込む
② お申込み確認後、BDTIよりアクセス先URL、IDなどの詳細についてご連絡します
※何等かの質問、ダウンロードなどお困りごとなどがあれば info@bdti.or.jp までお気軽にご連絡ください。
参加費: 無料 ※本セミナーへのご受講は事前のお申込みが必要となります。(3/24) 12:00時までにお手続きください。)
■お申込方法:無料お申込みは以下のボタンをクリックしてください。
(BDTIホームページの登録サイト( https://bdti.or.jp/event-registration/ )へジャンプします。)
【講師紹介】
渡邊 健樹氏
1979年早稲田大学法学部卒業。1982-83コロンビアロースクール特別学生、1983年ボストンカレッジロースクールJ.D. ニュー・ヨーク州弁護士登録。スキャデンアープス、ポールヘイスティングス法律事務所パートナー等としてニューヨーク及び東京にて国内外の金融機関、事業会社、投資家を代理。2012-14までコロンビア大学ロースクール客員研究員。2014年プライベート・エクイティ―を運営する日本産業推進機構(NSSK)を立ち上げその創業パートナー・チーフストラテジーオフィサーとなる。2020秋―2021春コロンビア大学ロースクール客員研究員、外国法事務弁護士。国内外の雑誌、著書においてM&Aに関する執筆多数。
田中 亘氏
1996年東京大学法学部卒業。東京大学大学院法学政治学研究科助手、成蹊大学法学部専任講師、同助教授、同准教授、東京大学社会科学研究所准教授を経て、2015年4月より東京大学社会科学研究所教授。2010年シカゴ大学ロースクール客員准教授。博士(法学)(東京大学)。公正な M&A の在り方に関する研究会委員、法制審議会会社法制部会幹事、同会社法制(企業統治等関係)幹事、スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会メンバー等を務める。主著に、『企業買収と防衛策』(商事法務)、『会社法(第2版)』(東京大学出版会)、『日本の公開買付け:制度と実証』(共編著、有斐閣)等がある。
【パネリスト】
ニコラス・ベネシュ
BDTI 代表理事。米国スタンフォード大学政治学学士号取得後、米国カリフォルニア大学(UCLA)で法律博士号・経営学修士号を取得。旧J.P.モルガンにて11年間勤務。米国カリフォルニア州及びニューヨーク州における弁護士資格、ロンドンと東京で証券外務員資格取得。現在、在日米国商工会議所(ACCJ)の理事兼成長戦略タスクフォース座長を務める。2010年より、法務省と法制審議会会社法部会に対し会社法改正に対して意見を提供している金融庁主催コーポレートガバナンス連絡会議に所属する。これまでに、在日米国商工会議所理事、同対日直接投資タスクフォース座長、内閣府対日直接投資会 議専門部会の外国人特別委員、株式会社アルプスの取締役、スキャンダル後の株式会社LDH(旧名ライブドア)、株式会社セシール、イマジカグループ(証券コード:6879)の社外取締役を歴任した。その他、JTP代表取締役として数多くのM&Aアドバイザリーを務めた経験を有する。現在、アドバンテスト社(証券コード:6857)の独立社外取締役を務める。2013年より、日本の成長戦略の一環として金融庁主導のコーポレートガバナンス・コードの策定構想を提案し助言を行う。
【総合司会】(ミニ・パネルディスカッション司会含む)
市川佐知子
BDTI監事、田辺総合法律事務所弁護士。 東京大学法学部卒業。ジョージタウン大学ローセンターLLM取得。第一東京弁護士会・ニューヨーク州弁護士登録。米国公認会計士資格を有し、不正会計事件の危機管理、訴訟対応を得意とする。現在、株式会社良品計画の社外監査役を務める。
■本セミナーに関するお問い合わせ先
公益社団法人会社役員育成機構(BDTI)の事務局までお願い致します。
TEL: 03-6432-2337 FAX: 03-6432-2338
Email: info@bdti.or.jp Web: http://bdti.or.jp/