マーサー 「役員報酬サーベイ-Mercer Executive Remuneration Guides 2019」の結果発表

世界最大級の人事・組織コンサルティング会社マーサーの日本法人であるマーサージャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役・島田圭子)は、日本における役員報酬に関する市場調査「Mercer Executive Remuneration Guides (以下、MERG) 」(https://www.mercer.co.jp/about-mercer/lines-of-business/information-solutions/mercer-executive-remuneration-guides.html)の2019年版レポートを発表した。

マーサージャパン組織・人事変革コンサルティング部門の井上康晴は、「『日本再興戦略改訂2014』において、「コーポレートガバナンス改革」が成長戦略の最重要課題の一つとして位置づけられて以降、持続的な企業価値の向上にむけた改革が進んでいる。過去最多の企業に参加いただいた前回サーベイに引き続き、今回のサーベイにおいても多くの企業に参加いただいており、政府の方針や市場の動向に対する関心の高さを表していると考えられる」と述べている。

近年、日本においては、コーポレートガバナンスに関する関心がこれまで以上に高まっている。同部門の亀長尚尋は、「2019年12月に改正会社法が成立・公布されるなど、進展するコーポレートガバナンス改革に企業は一層取り組むことが求められている。2018年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードにより、先進的な取組を行う企業や充実した開示を行う企業は増加傾向にあり、自社の取組・開示の検討に際しては、市場プラクティスや他社事例は非常に有用である。本サーベイでは、報酬データだけでなく、ガバナンスに関する企業の対応状況やサクセッションプラン(後継者計画)の策定・運用等、時流を踏まえて項目をアップデートしているので、ぜひ活用して頂きたい」と述べている。

調査結果ハイライト

  1. 参加企業数は272社(前年比17社減少)
  2. 日系企業における社長の総直接報酬水準(基本報酬+短期インセンティブ+中長期インセンティブ)の中央値は9,010万円
  3. 日系企業は「役位」を基準に報酬水準を決定する傾向
  4. 過半数の企業が各報酬レベルでターゲット水準ポリシーを定めており、さらにその約50%の企業がベンチマーク企業群における50%ileを自社の報酬水準のターゲットとして設定
  5. 日系企業の74%が中長期インセンティブ導入済み。日系企業の39%が譲渡制限付株式を導入
  6. 諮問委員会(報酬・指名)の設置状況は、報酬委員会が55%、指名委員会は51%となっており、一般的になりつつある
  7. サクセッションプランは、43%の企業が導入済み、30%が導入を検討
  8. 海外子会社の報酬水準を管理・把握している日系企業は74%

取締役会の評価制度と経営者との連携

今日の企業取り巻く厳しいビジネス環境において、取締役会はどのようにビジョンを描き、自社を成功に導くことができるだろうか。取締役会および経営者に対する評価制度は、現在もまだ十分に活用されているとは言えないが、これこそが企業トップ層の最適化に向けて容易かつ迅速に活用出来る取り組みである。

遡ること20年前、取締役会および経営者の評価制度を採用している企業は殆ど皆無であった。 当時の取締役会と経営者の関係性とは、経営者がビジョンを描き、取締役会はそれを忠実に実行することを意味していた。しかしながら、エンロン事件後、ビジネスの世界において、米国のSarbanes-OxleyやDodd-Frank、また英国のガバナンスコードなどの規制が取締役会の在り方に大きく影響し、評価制度を導入する企業や(既に導入している場合)評価制度を更に改善する取り組みが増加した。

そして、評価制度は株主の注目を集めるようになり、これによって機関投資家は企業に対して取締役会の最適化をより一層求めるようになった。今日、評価制度は、ESGやSBP(Sustainable Business Practice)など長期的にビジネスに影響する課題に対して企業のリーダー達がどのように取り組んでいるかを市場へ示すための指標となっている。

評価制度は、以下の取締役会の任務を常に優先課題として認識する上で有効である。

1.企業リーダーとしての能力判定および維持
2.取締役会の構成および再構成
3.企業戦略に対する同意と支援
4.会社のリスクプロファイルの監視
5.より重要な課題に取り組むための時間配分

では、企業はどのように評価を開始すればよいのだろうか。

2020.06.11 BDTIの『国際ガバナンス塾』(一日役員研修プログラム)、WEB会議形式で開催します!

本研修ではコーポレートガバナンス・コードの提唱者であるニコラス・ベネシュを初め各分野の専門家が、取締役や監査役としての基本的な知識を身につけるためのBDTIの役員研修、「国際ガバナンス塾」を定期的に開催しています。執行役・部長など役員を支える立場の方々にとっても、この知識は不可欠なものです。実例を参考にしたディスカッション形式を取り入れた活気ある研修を行い、ベストプラクティスを導くためのヒントを豊富にお伝えします!
新型コロナウイルスの感染拡大状況に伴い、皆様に安心して受講していただけるようテレビ会議形式で開催する事といたしました。オンラインで実施する研修ですので、日本全国どこからでもご参加いただく事が出来ます。各専門分野の講師による講義に加えて、画面を通じてのディスカッションもございます。毎回ご好評いただいておりますので、お申込みはお早めに!

2020.05.18 BDTIの『国際ガバナンス塾』(一日役員研修プログラム)、テレビ会議形式で開催します!

本研修ではコーポレートガバナンス・コードの提唱者であるニコラス・ベネシュを初め各分野の専門家が、取締役や監査役としての基本的な知識を身につけるためのBDTIの役員研修、「国際ガバナンス塾」を定期的に開催しています。執行役・部長など役員を支える立場の方々にとっても、この知識は不可欠なものです。実例を参考にしたディスカッション形式を取り入れた活気ある研修を行い、ベストプラクティスを導くためのヒントを豊富にお伝えします!
新型コロナウイルスの感染拡大状況に伴い、皆様に安心して受講していただけるようテレビ会議形式で開催する事といたしました。オンラインで実施する研修ですので、日本全国どこからでもご参加いただく事が出来ます。各専門分野の講師による講義に加えて、画面を通じてのディスカッションもございます。開催日まで残りわずかとなりましたので、お申込みはお早めに!

2020.06.11 会社役員育成機構(BDTI)の『国際ガバナンス塾』(一日役員研修プログラム)

会社役員育成機構(BDTI)では、コーポレートガバナンス・コードの提唱者であるニコラス・ベネシュを初め各分野の専門家が、取締役や監査役としての基本的な知識を身につけるための研修「国際ガバナンス塾」を定期的に開催しています。執行役・部長など役員を支える立場の方々にとっても、この知識は不可欠なものです。ケース・スタディを随所に組込んだ実践的な研修です。
*今後の新型コロナウィルス感染状況によってはテレビ会議形式に変更になる場合があります。各専門分野の講師による講義に加えて、画面を通じてのディスカッションもございます。是非、ご参加ください。

メトリカル:委員会設置は進んだか

この1年間で指名委員会・報酬委員会を設置する会社が増えてきました。透明性・客観性を深めていく上でも経営の継続性を考えても、これら委員会を設置することはコーポレートガバナンスの充実を図る上ではとても重要な課題です。東証の要請もあって、ここ最近では任意の諮問委員会を設置する会社が多く見られます。一方で、法的な指名委員会と報酬委員会を設置する「指名委員会等設置会社」の組織形態の採用は進んでいないのが現状です。

2年前からどれくらい委員会設置が進んだのかをメトリカルの調査対象約1,800社をベースにお示しします。下グラフの通り、2018年3月末と2020年4月末を比べると、法的な指名委員会と報酬委員会を設置する「指名委員会等設置会社」の数は65社/全1,796社から68社/全1,753社とわずかに3社の増加にとどまりました。指名委員会等設置会社への移行はいかにハードルが高いと上場会社の多くが考えているかを表しています。一方で、任意の(諮問)委員会として、指名委員会と報酬委員会の設置が進みました。任意の指名(諮問)委員会がある会社数は、2018年3月末の550社/指名委員会等設置会社を除く全1,731社(指名委員会等設置会社を除く会社に占める割合31.8%)から2020年4月末の949社/指名委員会等設置会社を除く全1,685社 (同56.3%)に増加しました。報酬委員会でも同様に、任意の報酬(諮問)委員会がある会社数は2018年3月末の609社/指名委員会等設置会社を除く全1,731社(指名委員会等設置会社を除く会社に占める割合35.2%)から2020年4月末の992社/指名委員会等設置会社を除く全1,685社(58.9%)に増加しました。

メトリカル:4月の株式相場は米国市場の回復を手がかりに上昇。CG Top20株価はTopix, JPX400に対してややアンダーパフォーマンス

2020年4月の相場は新型コロナ感染拡大懸念から大幅下落が続いた前月までの地合いから、大幅回復した。コロナ治療薬の良好な治験に関する期待から上昇した米国株高を好感して世界各国相場が上昇に転じた。Topix, JPX400の両株価指数は1月以来4ヶ月ぶりの上昇で、当1ヶ月間でそれぞれ4.54%および4.60%回復した。CGレーティング・スコアTop20株価は4.15%とややアンダーパフォームした。ちなみに当月間のボラティリティ(標準偏差)は、Topix, JPX400, CG Top20株価はそれぞれ、7.65%, 7.74%, 4.11%。