不祥事が起き第三者委員会が調査報告書を提出すると、そこで提案される再発防止策には、決まったように取締役会による監督強化と企業風土の改善が挙げられています。これは何も日本企業に限ったことではありません。
これら再発防止策は不祥事の防止・発見に本当に役立つのでしょうか。また、再発防止策は具体的にどのように展開され、取締役会のあり方はどう変わるのでしょうか。さらには、これらを他山の石として、不祥事を未然に防ぐ内部統制の構築することはできないでしょうか。
本BDTIセミナーでは、第三者委員会報告書格付け委員会で委員を務める久保利英明氏をお迎えし、数多くの再発防止策を調査したからこそ見えてくる、実効的な内部統制のポイントをお話頂きます。
また、米国で数多くの不祥事調査を担当した Shearman & Sterling 法律事務所のパートナーであるケネス・レブラン氏を迎えし、両国の経験を基に調査・再発防止策の日米における相違・類似点などについてご解説頂きます。
パネルディスカッションでは、同志社大学法科大学院教授のコリン・ジョーンズ氏や、当機構代表理事ニコラス・ベネシュを交え、当機構理事市川佐知子をモデレータとして、再発防止策の重要ポイント、取締役会の役割について議論します。
【共催】 同志社大学法科大学院
【開催日時】 2017年7月3日(月曜日) 13時半~16時半(3時間)
【開催場所】 同志社大学東京オフィス http://tokyo-office.doshisha.ac.jp/access/map.html
【参加費】 一般 / 非会員: 5,000円(税込) 賛助会員: 3,000円(税込)
【定員】 60名
★お申込みは以下のボタンをクリックして下さい。
【講師略歴】
久保利 英明 氏
弁護士/日比谷パーク法律事務所 代表
第三者委員会報告書格付け委員会 委員長
1944年、埼玉県生まれ。東京大学法学部卒業。ヨーロッパ・アフリカ・アジアを放浪した後、71年に弁護士登録。第二東京弁護士会会長、日弁連副会長などを歴任。現在は金融庁総務企画局参事、株式会社日本取引所グループ社外取締役なども務める。コンプライアンス問題の権威として知られ、一票の格差是正運動にも参加。著書に『想定外シナリオと危機管理』『「交渉上手」は生き上手』『経営改革と法化の流れ』『株式会社の原点』など。専門分野は、コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンス、M&A、株主総会運営、金融商品取引法、独禁法等企業法務、知的財産権など。
ケネス・レブラン 氏
弁護士、Shearman & Sterlingパートナー及びアジアM&Aグループ責任者
米国カールトン大学学士号取得後、ジョージタウン大学院で国際関係論修士、ジョージタウン大学ロースクールで法務博士を取得。米国ニューヨーク州弁護士資格、日本外国法事務弁護士資格を取得。企業法務のうち、特にクロスボーダーM&A 、ジョイントベンチャー、及び業務提携などの国際的M&A業務を専門分野とする。また、株式公開企業に対する内部調査とコーポレート・ガバナンスに関する助言業務等を手掛ける。1997年に米国ニューヨーク州弁護士資格取得後、ニューヨーク事務所で執務を開始し、2005年に東京事務所異動後は、日本語と英語を駆使し、日本企業に関わる大型M&A案件等に携わっている。現在、在日米国商工会議所(ACCJ)対日直接投資委員会委員長を務める。これまでに内閣府、法務省及び経済産業省審議会の委員を歴任している。M&A及びコーポレート・ガバナンスに関し、日本語での著書を持つ。
パネリスト:コリン・ジョーンズ 氏
同志社大学法科大学院教授、社外取締役
米国カリフォルニア大学バークレー校の東洋言語学部卒。東北大学の大学院法学研究科の博士課程前期課程・米デュークロースクールを経て、ニューヨーク州の弁護士資格を取得してから、20年以上にわたり日本を中心に大手法律事務所や企業法務部等で金融・通信事業等の法律実務に携わる。現在は法律実務教員として、「アメリカ契約法・英文契約実務」、「アメリカン・リーガルシステム」など、英米法関連の科目を担当するとともに、英語で「Japanese Law」や「Japanese Business Law」も教える。『手ごわい頭脳 - アメリカン弁護士の思考法』(新著新書 2008年)など、日本語の著書は数点。
パネリスト:ニコラス・ベネシュ
BDTI代表理事
米国スタンフォード大学政治学学士号取得後、米国カリフォルニア大学(UCLA)で法律博士号・経営学修士号を取得。J.P.モルガンにて11年間勤務後、M&Aアドバイザリー業務に特化する株式会社JTPを創設し率いる。米国カリフォルニア州及びニューヨーク州における弁護士資格取得。現在、在日米国商工会議所(ACCJ)の成長戦略タスクフォース委員長を務める。2010年には、法務省と法制審議会会社法部会に対し会社法改正に対する意見を提供した金融庁主宰コーポレートガバナンス連絡会議に所属する。これまでに、在日米国商工会議所理事、同対日直接投資タスクフォース座長、内閣府対日直接投資会議専門部会の外国人特別委員、株式会社アルプスの取締役、スキャンダル後の株式会社LDH(旧名ライブドア)、株式会社セシールの社外取締役を歴任した。2013年、金融庁主導の「コーポレート・ガバナンス・コード」制定の提案者として、担当議員及び金融庁にコード内容に関して詳しく助言。現在、イマジカ・ロボット ホールディングス (証券コード:6879)社独立社外取締役を務める。2016年、厚生労働省個に企業年金法の施行規則・通達にの改定提案を提出した結果、企業年金によるスチュワードシップ・コードの受け入れの表明を促すために「スチュワードシップ検討会」が設置され、同検討会は報告書を翌年に公表した。
司会:市川佐知子
BDTI理事、田辺総合法律事務所パートナー弁護士
東京大学法学部を卒業後、第一勧業銀行(当時)に入行。弁護士登録後、田辺総合法律事務所において勤務弁護士として稼動し、企業側労働法を専門分野とする。米国ジョージタウン大学法科大学院で履修後LLMを取得、その後ニューヨーク州弁護士資格を取得する。同事務所に戻り、複数の有価証券報告書虚偽記載損害賠償事件の被告側代理人を務め、不十分な内部統制が企業に与える甚大な影響と、事件発覚後に必要な取締役会のリーダーシップについて知見を有する。現在、アンリツ株式会社独立社外取締役を務める。
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役員研修については実施している会社も多いとは言えず、研修内容も会社によって違い、まだまだ役員研修の分野は未発達です。会社役員育成機構(BDTI)の一日役員研修「国際ガバナンス塾」では会社法、金商法、CGコード、財務、ケーススタディなど役員として基本的な知識を身につけるための研修をはじめ、英語版ガバナンス塾のBoot Camp、役員だけでなく現場の方々にも基礎的な会社法やコーポレートガバナンスを理解していただくためのeラーニングなど多様な研修を行っております。