「企業の「相談役」や「顧問」について、政府は日本企業に特有の制度で経営への関与が不透明だという指摘を踏まえ、来年にも上場企業を対象に相談役らの業務内容などを開示させる、新たな制度を導入する方針を固めました。東京証券取引所が上場企業に提出を義務づけている企業統治に関する報告書の中に、相談役や顧問の業務内容や報酬、それに常勤・非常勤などの情報を記入する項目を新たに設けます。情報の開示は義務づけはしないものの、企業が「非開示」としたことがわかるような仕組みを検討します。…」
コーポレートガバナンス・コードを提唱した時から、開示を提案しているので、方向的に大賛成です。しかし、上記の記事に書かれているように「情報の開示は義務づけはしないものの、企業が「非開示」としたことがわかるような仕組みを検討します」にすれば、「開示」のインパクトは空洞化されてしまるおそれがあります。一番知りたい企業(つまり、相談役制度を廃止したくない企業)こそがどうなっているかわからないことになります。そもそも、事実上の役員報酬の続きですので、なぜ有価証券報告書で開示が義務づけられていないか、分かりづらいです。
少なくとも、この項目CG報告書を足すなら、これを機会にCG報告書のXBRLタグ(かテロり、taxonomy)の細分化を是非お願いしたいです。現状では、11ほど(場合によってもっと)の全く異なる「開示項目」を一塊として取り扱って、一つのXBRLタグをつけていいます。現状では、多数企業の細かい比較分析はとても難しくて、CGコードを提案した時に私が歌っていた「車の両輪」は効率よく回らない。例えば、このプレゼン資料のの頁11-12のような分析は、今はとても労力がかかります。
(CGコードのもともとの目的と経緯について、プレゼン資料の最初編をご参照ください。)
「相談役・顧問の開示」がその同じ一塊XBRLタグに入る12番目の項目にならなければいいです。
ニコラス ベネシュ