5月19日、日本再生本部は「日本再興戦略2016」(素案)を公表しました。
第一「総論」より一部抜粋
(P19)
「(3)未来投資に向けた制度改革
ア)コーポレートガバナンスの更なる強化
コーポレートガバナンス改革は、成長戦略の最重要課題である。その位置づけに変わりはない。600 兆円経済の実現に向けた成長市場が顕在化し、第4次産業革命という移り変わりが早い時代を迎えた今こそ、「攻めの経営」が求められているのである。 「企業と投資家の建設的な対話」、その実効性を上げていくことが求められている。魔法の杖がある訳ではない。関係者が、その重要性を認識し、様々な取組を積み重ねていくことが必要である。 コーポレートガバナンス改革を「形式」から「実質」へと深化させていくためには、機関投資家サイドから、上場企業に対する働きかけの実効性を高めていくことが有効である。このため、投資家には、企業側に「気づき」を与える対話を促していく。
あわせて、最高経営責任者(CEO)の選解任プロセスや取締役会の構成・運営・評価などに係る上場企業の取組状況を把握、公表していくこと等を通じ、コーポレートガバナンスの実効性向上に向けた上場企業による取組みを促していく。そして、そうした取組を支える基盤として、企業の情報開示の実効性・効率性の向上や株主総会プロセス電子化等を着実に進めていく。
企業の情報開示については、「スチュワードシップ・コード」に掲げる企業と投資家の対話を促進する観点から、これまでの検討を土台にしながら、2019 年前半を目途として、国際的に見て最も実効的・効率的な開示の実現及び株主総会日程・基準日の合理的な設定のための環境整備を目指すこととする。
過去最高の企業収益で、日本経済のフロンティアを切り拓いていく、そうした投資が求められている。
<鍵となる施策>
①企業と投資家の建設的な対話の基盤となる企業の情報開示の実効性・効率性の向上等
②株主総会プロセスの電子化 」
第二「具体的施策」より一部抜粋
(P143)
「 i)コーポレートガバナンス改革による企業価値の向上
昨年は、コーポレートガバナンス・コードの策定・適用や改正会社法の施行など、コーポレートガバナンスに関する「枠組み」が大きな進展を見せたことから、2015 年は「コーポレートガバナンス改革元年」であったと言われている。コーポレートガバナンス改革は、引き続き、アベノミクスのトップアジェンダであり、今後は、この改革を「形式」から「実質」へと深化させていくことが最優先課題である。 そのためには、機関投資家サイドからの上場企業に対する働きかけの実効性を高めていくことが有効であり、これにより、中長期的な視点に立った「建設的な対話」の実現を強力に推進していく。
このような観点から、「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(以下「フォローアップ会議」という。)における議論・検討を通じて、機関投資家が、顧客・受益者(最終受益者を含む。)の利益を第一に考えてスチュワードシップ責任を適切に果たすよう、その徹底を図るとともに、投資家と上場企業それぞれの取組による対話の質の向上を促す。
あわせて、フォローアップ会議において、取締役会の実効的な機能発揮や政策保有株式の縮減に向けた上場企業の取組状況をモニターし、コーポレートガバナンスの実効性向上に向けた上場企業サイドの適切な取組の確保を図るほか、金融審議会においてG20/OECD コーポレートガバナンス原則に示されている考え方も踏まえ、実効性あるコーポレートガバナンスに資する市場構造の実現方策について検討を行う。
加えて、企業の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、企業の情報開示の実効性・効率性の向上と、その前提となる会計基準・会計監査の品質向上・信頼性確保を図る
① 実効的なコーポレートガバナンス改革に向けた取組の深化(P143)
②コーポレートガバナンスの実効性を確保するための市場構造の実現(P146)
③ 情報開示、会計基準及び会計監査の質の向上(P146)
④ 企業と投資家との対話の促進等(P149)」
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