山口利昭弁護士ブログ:ロート製薬社の企業統治と執行役員制度の廃止

business houmu

山口利昭弁護士がロート製薬がこの度発表した執行役員制度の廃止について、日本企業のコーポレート・ガバナンス改革の一環としてモニタリングモデルを標榜する取締役会における「執行と監督の分離」の流れの一例としてブログで紹介しています。同ブログでも触れられている通り、執行役員制度というのは、基本的には従業員で、社内的には役員待遇、すべての業務を網羅しているわけでもないきわめて「あいまいな」役職であり、会社法上にも執行役員なる概念は存在していないにもかかわらず、一般社会では役員と誤解される場合も少なくありません。

BDTIでは、この執行役員レベルの方々にこそ将来の会社法上の役員候補として必要な『役員力』を身に付けていただくために役員研修を受講していただきたいと考えています。(次回の一日役員研修『国際ガバナンス塾』は7月29日です。)会社法、金商法、財務、コーポレート・ガバナンスに関する基礎知識は重要です。

また冒頭のロート製薬では本年4月から社員の副業を解禁しています。現状では若手・中堅の一般社員が勤務時間以外に収入を伴った仕事の就業する事が想定されているようです。しかし、今後、取締役の候補者がその資質を厳しく問われるようになるとすれば、執行役員レベルの方々が、異業種企業の取締役を兼任して役員としての知識と経験を磨いて初めて自社の取締役候補となる、といったプロセスも検討される余地があると思われます。

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