経緯
昨年、安倍晋三内閣の「『日本再興戦略』改訂2015」の一部で、中長期の企業価値創造を引き出すため株式による報酬を可能とするための仕組みの整備等を図るがうたわれた。
2015年7月に公表された経済産業省の「コーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会」報告書は、これまで有利発行や仮装払い込みの点で、導入が難しいと考えられていたリストリクテッド・ストック(一定期間の譲渡制限が付された株式報酬/Restricted Stock 以下、RS)とパフォーマンス・シェア(一定期間の業績達成により譲渡制限が解除される株式/Performance Share 以下、PSの法的解釈を明確にし、導入するための手続きを整理した。それを受けて、この譲渡制限付株式の法人税および個人所得税での取り扱いを定めた税制改正法案が、2016年3月末に国会で成立し、2016年4月以降における株主総会等の決議で、RSおよびPSの導入が可能となった。