経済産業省産業組織課が『「攻めの経営」を促す役員報酬~新たな株式報酬(いわゆる「リストリクテッド・ストック」)の導入等の手引~』を公表

経緯

昨年、安倍晋三内閣の「『日本再興戦略』改訂2015」の一部で、中長期の企業価値創造を引き出すため株式による報酬を可能とするための仕組みの整備等を図るがうたわれた。

2015年7月に公表された経済産業省の「コーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会」報告書は、これまで有利発行や仮装払い込みの点で、導入が難しいと考えられていたリストリクテッド・ストック(一定期間の譲渡制限が付された株式報酬/Restricted Stock 以下、RS)とパフォーマンス・シェア(一定期間の業績達成により譲渡制限が解除される株式/Performance Share 以下、PSの法的解釈を明確にし、導入するための手続きを整理した。それを受けて、この譲渡制限付株式の法人税および個人所得税での取り扱いを定めた税制改正法案が、2016年3月末に国会で成立し、2016年4月以降における株主総会等の決議で、RSおよびPSの導入が可能となった。

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コーポレート・ガバナンスとはどのようなことを意味し、なぜこれが必要なのかについて考え、具体的に企業に対して何が求められているのか、留意すべき点は何かを分かり易くお教えします。

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日本総研:「コーポレートガバナンス・コード対応の課題と方針の実態調査」

【調査の目的】

株式会社日本総合研究所は、2015年6月より上場企業に義務付けられたコーポレートガバナンス・コードの初年度対応状況について、東証一部・二部上場企業を対象としたアンケート調査を2016年1~2月に実施しました。
コーポレートガバナンス・コードには、基本原則・原則・補充原則を合わせて73の原則があります。東証一部・二部上場企業の場合、全73原則について「コンプライ・オア・エクスプレイン(Comply or Explain)」(原則を実施するか、実施しない場合には、その理由を説明するか)が求められます。その内容は広範多岐にわたり、上場企業にとっては相応の負担が生じます。そこで、初年度対応を通じてどのような課題を感じられているかを明らかにし、今後のあるべき対応方針について示唆を得ることを本調査の目的としています。

Bloomberg:「ETF爆買いの果て、日銀が日経平均企業9割で実質大株主-試算」

bloomberg

「テンプル大学日本校・アジア研究学科のディレクター、ジェフ・キングストン氏は「政府が背後にいて、政策が変わるまで株価下落を防ぐために何でもすることは投資家にとって良いニュースだ」としながらも、「悪いニュースは株価のバリュエーションがミスリーディングされ、信用できないことだ」と言う。黒田総裁は20日の衆院財務金融委員会で、ETFについて十分留意しながら購入を続けているとし、「株式市場で日銀のプレゼンスが大き過ぎることはない」との認識を示した。
コーポレートガバナンス面で問題も日銀の事実上の大株主化は、皮肉にも安倍政権が企業に対し強化を促すコーポレートガバナンス(企業統治)の面で今後問題が表面化する恐れがある。会社役員育成機構のニコラス・ベネシュ代表理事は、株主議決権はETFの運用会社が保有するが、運用各社は「ETFの手数料は低く、株主代理権を行使するエンゲージメントや分析に時間を費やせない。株主代理権の行使による市場監視の役割が空洞化する」と警戒している。・・・ 」

大和総研:「政策保有株式に関する方針等の現況」

Daiwa

「「要約」

  • 2015 年 12 月に、3月決算の上場会社によるコーポレートガバナンス・コードに基づく開示情報を記載した「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」の提出の期限を迎えた。
  • 東証1部上場会社による 10 月末までの提出分では、238 社中 227 社において「政策保有に関する方針」に関する記述が確認できた。その中には少数ではあるが、「原則、保有しない」方針(17 社)や「削減方針」(6 社)とするものもあった。

経済産業省:「持続的な価値創造に向けた投資のあり方検討会(第3回)‐議事要旨」

「対話力の高い米国ファンドマネジャーやバイサイドアナリストとも、日本企業は対話をしなければならないわけであるから、米国と日本のアナリストの分析力の差は深刻な問題となるかもしれない。日本の投資家もそれを認識しなければならな […]

公認会計士・監査審査会:「監査監督機関国際フォーラム・常設事務局の東京設置について」

「4月19日か21日にかけてロンドンで開催された、監査監督機関国際フォーラム(International Forum of Independent Audit Regulators;IFIAR)の本会合において、IFIARの常設事務局を東京に設置することが決定されました。・・・・」

関連サイト:
http://www.fsa.go.jp/cpaaob/sonota/kokusai/20160422-1.html

弁護士川井信之の企業法務ノート:取締役会の議案の無記名投票

大手流通企業の重要子会社の社長人事を否決した取締役会の決議は、無記名の秘密投票だったと報じられている。会社法は採決の具体的な方法については何も規定していないから、取締役会が秘密投票で行うと決めれば法的には問題ないようです。

弁護士川井信之氏は同氏ブログで「・・・・会社法上は、取締役会の決議の採決方法について記名投票(挙手等)によるか無記名投票によるかは会社の自由に委ねているとは言っても、では、何でもかんでも無記名投票にすることが許されるか、または、原則的な採決方法を無記名投票にすることは許されるか、と言われると、さすがにそこまでは許されないのではないか、と、条文上の明確な根拠はないにもかかわらず、感覚的には思ってしまいますね。・・・・」と綴っております。

金融庁:「金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」(第5回)議事次第」

金融平成28年4月13日に金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」(第5回)が開催されました。

「1.基本的な考え方

企業と株主・投資者との建設的な対話のためには、株主・投資者の必要とする企業情報が、全体として、適時に、効果的・効率的に開示されることが必要である。現在、我が国の企業情報の開示に関しては、証券取引所上場規則(以下「取引所規則」という。)・会社法・金融商品取引法に基づく3つの制度が整備されている。制度開示の年度の実務をみると、多くの企業が、事業年度末後の早い時期に、取引所規則に基づき、比較的詳細な情報を記載した決算短信を公表した後、株主総会の3週間程度前に会社法に基づく事業報告・計算書類を提供し、株主総会後に金融商品取引法に基づく有価証券報告書を開示している。また、企業はそれぞれ内容を工夫して制度開示を行うほか、任意の開示も行うことにより、多様な情報開示に取り組んでいる。

一方、欧米諸国の年度の制度開示の実務をみると、

・ 米国においては、早い時期に自由な様式で作成したアーニングリリースを公表し、その後、株主総会までに十分な期間を置いて、証券法に基づく詳細な年次報告書を開示するとともに、年次報告書をもとに作成した株主総会資料を提供している。

・ 欧州(イギリス、フランス、ドイツ)においては、同様に、早い時期に自由な様式で作成したアーニングリリースを公表し、その後、会社法に基づく株主総会資料と証券法に基づく年次報告書の内容を事実上1つの書類として作成し、株主総会までに十分な期間を置いて、詳細な情報を開示している。