Business Journal:「東芝”不正”会計、「組織的関与・利益かさ上げ」批判は正しい?過去の粉飾事件との比較論」

「、、、会見では民放テレビ局の人気女性キャスターが「これは粉飾ではないのですか」と田中氏に詰め寄る場面もあった。確かにテレビ的には絵になるのだろう。しかし、筆者からすると、それは問題の本質からほど遠い質問だ。「粉飾」とレッテルを貼ることで、勧善懲悪的に問題を片付けたような気にさせるのは日本のマスコミの悪い癖である。そもそも「粉飾」という言葉は法律や会計ルールに書いてあるわけではない。その事象を見る人がどう言葉を当てはめるかの問題にすぎない。

「粉飾決算」「不正会計」「不適切会計」の違い
この手の問題が起きた時、重大性の順におおよそ3つの呼び方があるだろう。「粉飾決算」「不正会計」、それに「不適切会計」である。マスコミがやたら「粉飾」と言い募り、逆に会社側が「不適切会計」で通し続けているのはそうした暗黙の評価尺度からだ。

3つを線引きする明確な数値基準はないわけだが、筆者はこれまで概ねこう使い分けてきた。「粉飾決算」とは、トップ自らが主導し規模や悪質さにおいてその企業の存立を根底から揺るがすようなもの。「不正会計」はそこまでいかないものの一定の規模や組織的関与、悪質さが認められるもの。そして「不適切会計」は単純な経理処理のミスなど悪意が認められないものである。
これは見方を変えれば、「粉飾決算」は刑事事件、「不正会計」は課徴金事案、「不適切会計」は単なる過年度決算の訂正事案という分け方にほぼ等しいともいえる。それらからすると、東芝の問題は「不正会計」という言葉を当てはめるのが今のところ妥当だと思う。以下、具体的に過去の代表的な事例との比較で見ていくこととする。、、、」

記事全文:
http://biz-journal.jp/2015/07/post_10880.html

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