経済産業省は、4月23日、「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会」報告書を発表しました。
提言の内容:
「企業と投資家(株主を含む)が対話を通じて相互理解を深め、持続的成長あるいは中長期的な企業価値の向上という目的を達成するため、国際的に見ても質の高い対話環境を目指すべきとし、対話環境を形づくる様々な要素を総合的に検討し、全体最適を図るための方策を提案。特に、高い水準の情報開示が対話の質を高め、質の高い対話が情報開示の充実を促すという相互作用、相乗効果を高めることの重要性を指摘しています。
1) 一体的・統合的な企業情報開示 ~「モジュール(まとまった構成要素)型開示システム」の実現~
2) 中長期的な企業価値評価・分析のための情報の充実
投資家が中長期的な企業価値を評価するために必要な情報の充実やより効果的な開示方法の検討を提案しています。企業のビジョンや経営方針、戦略やガバナンス等が、企業の成果や財政状況、持続的な価値創造といかに結びつくのかを統合的に理解できるような情報開示の重要性が指摘されています。
本報告書では、企業と投資家等が集まる場において、中長期的な企業価値向上に関する対話を促進するための情報開示として、中期経営計画やESG(環境・社会・ガバナンス)情報の開示、統合報告のあり方等を検討することを提案しています。
3) 対話型の株主総会プロセスへの転換
① 株主の議案検討と対話のための適切な日程設定と情報提供
② 電子化の促進
③ 株主の参加の円滑化等、意義ある株主総会に向けた環境整備
4) 企業と投資家の意識と行動、対話支援産業の役割
本研究会での検討は、「コーポレートガバナンスの強化、リスクマネーの供給促進、インベストメント・チェーンの高度化」という背景・目的を共有する施策等も視野に入れて行われました。特に、①「日本版スチュワードシップ・コード」、②「コーポレートガバナンス・コード」という二つの「コード」、③「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築」最終報告書(伊藤レポート)との関連が明確に意識されており、本報告書にも反映されています。」