日本で初めて制定されたコーポレートガバナンス・コード(CGコード)では、「プリンシプルベース・アプローチ」(原則主義)が採用され、具体的な開示や説明の内容について各企業の創意工夫が求められています。また独立社外者のみの「エグゼクティブ・セッション」、筆頭独立社外取締役、ボードの自己評価、役員研修の方針等の新たなプラクティスも含まれ、会社が取るべき行動について詳細に規定する「ルールベース・アプローチ」(細則主義)に馴染んだ日本企業のトップや担当の方々の中には戸惑いの声が上がっています。
そこでBDTIは、コードの内容をより深く理解し、積極的にこれを活用して投資家との建設的な対話、企業の持続的な成長につなげたいと考える企業のトップやトップの意思を反映して実際に実務にあたるご担当者の皆様を対象にCGコードの内容を読み解いて、新しい仕組みを検討する際のポイントを明らかにしていく勉強会を開催いたします。
本勉強会では、CGコードの制定を提案し、原案が策定される過程で関係者に内容について積極的な助言をおこなってきたBDTI代表理事のニコラス・ベネシュが、架空企業の「CGガイドライン」(詳しい内規)を事例として取り上げ、各項目の要点を詳細に解説いたします。
また勉強会の冒頭には、コーポレート・ガバナンス改革を政府の成長戦略の重要な柱と位置付けるにいたった理論的裏付けである「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト(座長:伊藤邦雄 一橋大学大学院商学研究科教授)の「最終報告書(伊藤レポート)」で提言された、企業による資本効率を意識した経営改革、インベストメント・チェーンの全体最適化等の視点から、CGコードに含まれる資本配分の概念などについて一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授でBDTIの『国際ガバナンス塾』の企業価値評価の担当講師でもある野間幹晴氏にコメントしていただきます。
当日は、できる限りインタラクティブにご質問にお答えしながら進める勉強会形式を予定しています。したがって少人数での実施を前提とし、ご要望が多い時には実施回数を増やします。(注: ご参加は上場企業の方に限らせていただきます。)
【開催日時】 2015年4月21日(火)13:30 – 16:30 (開場 13:00)
【開催場所】 一橋大学一橋講堂 中会議室1
(東京都千代田区一ツ橋2丁目1番2 学術総合センター内)
http://www.ics.hit-u.ac.jp/jp/direction/index.html
【参加費】 無料
【定員】 40名
◆ お申し込みは以下のボタンをクリックしてください。
【講師】 ニコラス・ベネシュ BDTI代表理事
米国スタンフォード大学政治学学士号取得後、米国カリフォルニア大学(UCLA)で法律博士号・経営学修士号を取得。旧J.P.モルガンにて11年間勤務。米国カリフォルニア州及びニューヨーク州における弁護士資格、ロンドンと東京で証券外務員資格取得。現在、在日米国商工会議所(ACCJ)の成長戦略タスクフォース委員長を務める。2010年より、法務省と法制審議会会社法部会に対し会社法改正に対して意見を提供している金融庁主催コーポレート・ガバナンス連絡会議に所属する。これまでに、在日米国商工会議所理事、内閣府対日直接投資会 議専門部会の外国人特別委員、株式会社アルプスの取締役、スキャンダル後の株式会社LDH(旧名ライブドア)、株式会社セシールの社外取締役を歴任した。その他、JTP代表取締役として数多くのM&Aアドバイザリーを務めた経験を有する。2013年より、日本の成長戦略の一環として金融庁主導でーポレートガバナンス・コードの策定構想を提案する。
野間 幹晴 氏 一橋大学大学院国際企業戦略研究科 准教授
1997年一橋大学商学部卒業、2002年一橋大学大学院商学研究科博士後期課程修了,博士(商学)取得。横浜市立大学商学部専任講師を経て、2004年より現職。2010年より2011年までコロンビア大学フルブライト研究員。著書には「日本企業のバリュエーション―資本市場における経営行動分析」(中野誠と共著、中央経済社、2009年)、「コーポレート・ファイナンス入門」(本多俊毅と共著、共立出版、2005年)がある。経済産業省「企業報告ラボ」座長、同「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト委員、同「ベンチャー投資等に係る制度検討会」座長。2013年よりアプリックスIPホールディングス社外監査役。