The Wall St. Journal: 「日本政府、GPIFの抜本改革を見送り」

BDTIの代表理事のニコラスベネシュは下記の記事にこのように引用されました: 
「公益社団法人会社役員育成機構(BDTI)のニコラス・ベネシュ代表理事は「政府はスチュワードシップやコーポレート・ガバナンスの『ベストプラクティス(最良慣行)』に向けた政策を示すことにより、正しい方向へ進んでいる」とし、「GPIF自体がそうした慣行の最たる模範を示していないことは大きな機会損失であり、アベノミクスそのものの信頼性を危険にさらす」と述べた」

記事の全文はこちらです。 

抜粋:

「 【東京】日本政府は24日、約130兆円の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)について、塩崎恭久厚生労働相が推進する抜本改革は見送り、若干の見直しにとどめることを閣議決定した。

今回の決定からは、安倍晋三首相がGPIFのガバナンス改革を急いでいないことがうかがわれる。GPIFは昨年、投資戦略の大幅な見直しを発表し、国内株の運用比率を引き上げた。このためもあり、日経平均株価は15年ぶりの高値まで上昇している。

GPIFは厚労省の所管。塩崎厚労相はGPIFの運用を監視し、政治の介入からの独立を確保する統治機関の設置を推進してきた。塩崎厚労相の提案は調整にまだ時間がかかる上、ガバナンス体制の見直しは実施済みだとする官邸の幹部らと厚労相は衝突してきた。

安倍内閣は24日、塩崎厚労相の提案を含まない、より小粒な法案を閣議決定することで、この論争に事実上決着を付けた。法案によると、GPIFの本部を神奈川県に移転する規定を見直し、東京都内にとどめる。また、新設された最高投資責任者(CIO)ポストに法的認可を与える。同ポストには英国の未公開株(PE)投資会社コラーキャピタル出身の水野弘道氏が1月に就任した。同法案は今後国会に提出される。

GPIFを積極運用に転換させ、運営体制も強化する取り組みは、日本を変えるという安倍首相の公約の象徴の一つとなっており、海外投資家を引き付けてきた。世界最大の年金基金であるGPIFは、厚生年金と国民年金の運用を行っている。

GPIFのガバナンス改革推進派は、改革が遅れれば、監視体制が不十分なまま年金をリスクにさらすことになると指摘している。また、GPIFをガバナンスの模範例とすることが難しくなるともみている。

GPIFは昨年、投資家と企業の積極的な関与を通じて投資収益の改善を狙うガイドライン「日本版スチュワードシップ・コード」を受け入れた。金融庁と東京証券取引所は同じように、上場企業に適正な慣行を促すコーポレート・ガバナンス・コードを策定している。

公益社団法人会社役員育成機構(BDTI)のニコラス・ベネシュ代表理事は「政府はスチュワードシップやコーポレート・ガバナンスの『ベストプラクティス(最良慣行)』に向けた政策を示すことにより、正しい方向へ進んでいる」とし、「GPIF自体がそうした慣行の最たる模範を示していないことは大きな機会損失であり、アベノミクスそのものの信頼性を危険にさらす」と述べた。

塩崎厚労相は24日、外部の有識者会議を通じてガバナンス改革強化の議論を続ける方針を明らかにした。菅義偉官房長官は23日、記者団に対し「ガバナンス体制の強化については早急にできることから迅速に行っていく」と語った。当局者によると、法案は今秋にも用意できる可能性がある。、、、、」

BDTIについて BDTIでは、取締役や監査役など役員として、また業務執行役、部長など役員を支える立場の方としての基本的な能力を身に着けるための役員研修「国際ガバナンス塾」を定期的に開催しています。(オーダーメイド役員研修も、承っております。)また、「会社法」「金商法」「コーポレートガバナンス」の基礎をオンラインで学べる低価格のeラーニングコースを提供しています。詳細はこちらから。講座の概要は以下の通りです。

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