野村証券から日本企業の海外M&Aに関するレポートが発表されました。内容は、タイトルが示す通り成長戦略の柱として幅広い分野、規模での日本企業の海外M&Aが続くことを予想しています。日本企業の海外M&Aを価値ある結果とするために、PMI(Post Merger Integration)がますます重要になってくるものと見込まれます。
以下はレポートのサマリーの一部です。
『日本企業の海外M&A の動きはさらに活発へ
13 年度上期の日本企業によるM&A は、件数、金額とも前年同期を下回り低調であったが、上期後半には大型のクロスボーダーM&A が発表されるなど、回復の兆しも見えてきた。金融資本市場や企業財務の状況、さらに政府の成長戦略、制度面からの後押しなどのM&A を取り巻く環境を考えると、13 年度下期以降、日本企業による海外M&A の動きがさらに活発になると考えられる。この背景としては、1)競争力のある生産拠点の確保、2)新興国内需を中心とした成長市場の取り込み、3)グローバル競争における規模の利益追求、4)商社や素材メーカー等による資源権益の獲得、等が挙げられよう。長期的な円高トレンドを背景に、1)が従来から日本企業の海外進出の主な理由であったが、近年では2)~4)の動機も重要になってきた。
株式市場からみた日本企業の海外M&A のパフォーマンス
「日本企業の海外M&A」後の株価パフォーマンスは平均的には悪くないが、リーマンショック後は悪化傾向が目立つ。M&A の件数増加が逆にパフォーマンスを悪化させてしまった可能性も考えられる。確かに海外M&A が成功するためのハードルは高く、市場や技術の適合に加え、従業員や経営陣の掌握なども重要になってくる。ただ、海外M&A の評価には一定の年数が必要であることも事実であり、早期に判断できる性質のものではない点には留意したい。「アナリストが考えるM&A の成功例」に近いケースのM&A が出てくれば、高い成功確率が期待でき、株式市場でも相応の評価を受けることができよう。』
レポートは下記サイトでダウンロードできます。
http://bit.ly/H0QyXF