消費者庁が6月に発表した「公益通報者保護制度」に関する実態調査を受けた意見書が消費者委員会から7月23日発表されました。
先に発表された実態調査では次の3点が課題として指摘され、これらへの対策案が意見書で示されています。
①労働者において法制度の認知が進んでいない。
②中小企業において法制度の認知及び内部通報制度の導入が進んでいない。
③内部通報制度導入事業者においても取り組み状況は様々である。
中でも①の労働者における認知の低さが浮かび上がりました。公益通報者保護法について「よく知っている」「ある程度知っている」と回答した労働者は10.5%しかいません。その背景として、企業側における法制度の周知活動は38.8%の事業者において全く行われていないという結果が判明しました。
公益通報者保護制度の目的が通報者の保護を通じた事業者のコンプライアンス(法令順守)経営の強化にあること、事業者にとっては、内部において法令違反を発見・解決しやすくすることによって違反を抑制することや違反の事実による損害を最小限にとどめることに導入の意義があることをより明確にして周知することが必要と意見書では述べています。
報告書と意見書の詳細は下記アドレスでダウンロードできます。
消費者庁『公益通報者保護制度に関する実態調査報告書』
http://bit.ly/1cfP8UU
消費者委員会『公益通報者保護制度に関する意見』
http://bit.ly/15qswNA