記者クラブ制度に安住する日本のマスメディアに、批判精神が欠けていることは、今更嘆いても仕方ないかもしれません。しかし健全なマスメディアの「調査報道」が乏しく、これに代わって内部告発に多くを頼る社会が、「不安な監視社会」であることは言うまでもないでしょう。インターネット時代の内部告発サイトの先駆けとされるWikileaks は、旧来の報道機関と共同作戦は取ったものの、自ら情報の編集はしませんでした。ところが、ソニーの情報漏洩等を仕掛けたとされる Anonymous というハッカー集団が、anonymous analyticという組織を作り、収集した情報を元にマスメディアの代替機能を果たそうとしている、という松本隆氏のレポートは衝撃的です。ガバナンスの一貫として「メディア対策」を考えてきた人にとっては、目に見える相手から見えない相手へという、コペルニクス的転換だからです。
http://www.digitalforensic.jp/expanel/diarypro/diary.cgi?no=428&continue=on